【目的】転倒予防のため軽微な眩暈感に関連する要因の検討を行った。【方法】地域在住高齢者108人を分析対象にして、生活関連項目・健康関連項目・一般性自己効力感質問紙(General self efficacy scale)に回答を得た。さらに血圧・心拍測定は起立試験(座位・起立・立位)を行った。心拍測定から自律神経指標を得た。多重ロジスティック回帰分析は、軽微な眩暈感覚の自覚の有無を従属変数(0なし1あり)にし、独立変数には、慢性的な疲労感の有無、下肢に関連した健康問題の有無、1週間の外出の多少、(ダミー変数0なし1あり)、GSES得点、起立時の拡張期血圧、起立時の自律神経指標LF値(Low Frequency)の数値を用いた。【結果】多重ロジスティック回帰分析の結果、軽微な眩暈感覚の自覚の有無には、下肢に関連した健康問題があること(OR=10.587,95%CI:3.897-28.765)、慢性的な疲労感があること(OR=3.155,95%CI:1.134-8.781)の二要因でオッズ比は有意に高く、起立時の拡張期血圧71.2mmHg(OR=0.884,95%CI:0.092-0.996)は有意に低めた。【考察】高齢期の転倒予防は下肢のケア・疲労感の回復・血圧測定など健康管理に取り入れることが示された。
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