保健医療福祉科学
Online ISSN : 2434-5393
Print ISSN : 2186-750X
5 巻
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原著
  • 善生 まり子, 久保田 亮, 菅野 康二, 戸田 肇
    2016 年 5 巻 p. 1-10
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2019/12/03
    ジャーナル フリー

    目的:高齢者の地域医療サービスの意識を明確化するため、家族構成(独居/非独居)、性別(男性/女性)、年齢(前期/後期)の各相違を検討した。方法:A市老人福祉センター利用者540人(回収522人、96.7%)へ自記式質問紙調査を行った。対象は65歳以上475人、データ解析はχ2検定、Mann-Whitney U検定(p<0.05)等を用いた。結果:独居79人(16.6%)と非独居396人(83.4%)では看取り経験、病気等で真っ先に起こす対処行動等の相違があった。男性219人(46.1%)と女性254人(53.5%)では、治療場所の意思決定や最期を迎えたい場所等に相違がみられた。前期高齢者276人(58.1%)と後期高齢者199人(41.9%)では病気等で真っ先に起こす対処行動や最期を迎えたい場所等の相違があった。考察:これらの知見を活用し、高齢者の対象特性および医療・介護ニーズに沿った啓発の機会を設けることで、高齢者の健康意識は高められヘルスリテラシー向上につながる可能性がある。同時に医療の専門職者の高齢者理解を深める一助になり得ると考える。

研究報告
  • 小坂 恵美, 森 正樹, 酒井 道久
    2016 年 5 巻 p. 11-17
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2019/12/03
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、日常生活でつまずきを感じやすい発達障害の子供と家族のストレスの遷延を軽減し、良好な家族関係の促進を目的とした療育支援開発への示唆を得ることである。今回は、幼児から小学生までの子ども3名とその家族5名を対象にクリニカルアート教室を6回実施し、参加状況とストレスの状態の変化を調査した。その結果、参加状況には、子どもの障害の特性によるものや、家族の状況などが影響した。ストレスの変化は、父親、母親のストレス軽減が顕著だった。今回の結果から、クリニカルアートのように五感を使って楽しむアートを取り入れたレクリエーション活動は、子どもと家族、特に育児の主たる担い手である親のストレス軽減を促進できる可能性があり、今後の療育支援に援用できることの示唆を得ることが出来た。

  • 佐伯 理絵, 鈴木 玲子, 大場 良子, 筑後 幸惠, 常盤 文枝, 星野 純子, 渋谷 えり子, 森山 明美, 川畑 貴美子
    2016 年 5 巻 p. 18-24
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2019/12/03
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、市民を対象としたがん体験者サポーター養成に向けて、がん体験者と市民との関わりの実情、およびがん体験者サポーターとして関わることへの興味や参加へのニーズを明らかにすることである。

     調査は、A県内に在住・在勤または通学者である664名を対象に、質問紙調査を実施した。調査結果より、がん体験者から相談を受けた経験のある者は121名(25%)で、年齢が高くなるにつれ増加していた。また、主な相談内容は治療内容、病気への不安と体調であった。がん体験者との接触に戸惑いを感じたと答えた者は145名(30%)で、就業者に多かった。がん体験者を支援するサポーター養成には、70%以上の者が興味を示し、講習時間と回数、そして講習費用のそれぞれで年代別で要望に違いがあった。講習内容への興味は「病気や治療に関する知識」、「がん体験者の心理状況」「家族ががんになった時の対応」が高いことが判明した。

資料
  • 柳澤 節子, 横山 惠子, 林 裕栄
    2016 年 5 巻 p. 25-30
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2019/12/03
    ジャーナル フリー

     医療機関に勤務する看護師の異動は、看護師の育成と看護の質的・量的調整目的で実施されることが多い。そこで、専門病院間の異動が看護師のキャリア形成にもたらす意味を明らかにすることを目的とした。

     異動した看護師は、看護師としての経験はあるが、配属先で経験した事の無い専門技術や知識を要求され、自分の看護能力が十分に発揮できず、異動はゼロからのスタートであった。そのような状況の中で、苦悩や孤立を体験しながらも、仲間のサポートを受けるなど踏みとどまることができた。やがて新たな知識・技術を習得すると自分の看護の幅や視野の広がりを感じ、さらに過去の看護実践を活かす事で自信を持ち、看護師としての成長を実感していた。どのような専門病院でも、人間を対象として看護を実践しているという共通性を意識し、異動が自己のキャリア形成に繋がる事を認識する事が重要である。

  • 山本 英子, 平野 裕子, 井上 和久, 新井 恵
    2016 年 5 巻 p. 31-38
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2019/12/03
    ジャーナル フリー

     本研究は、保健医療福祉系大学学生の規範意識とそれに影響する要因を明らかにすることを目的に、専門分野の学外実習がすべて終了した4年次生24名に半構造化面接を実施し、質的帰納的に分析した。規範意識は、【規律の遵守】、【良好なコミュニケーション】、【適切な情況把握】、【自己研磨の継続】、【専門職としての姿勢】等の8カテゴリーに集約され、学生の基盤にある規範意識と大学教育により育成される規範意識があった。影響する要因は、【家族からの影響】、【モデルとなる重要他者の存在】、【課外活動や社会活動の経験】、【学外実習経験での再認識】、【対象者や家族との直接的なかかわり】、【他の実習生から自己の客観視】、【自己目標・課題の明確化】等の12カテゴリーに集約され、人的要因・経験要因・自己要因が考えられた。今後、学内授業や学外実習を通じて、社会人基礎力や自己研鑽能力の向上にむけた教育の必要性が示唆された。

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