本研究は、埼玉県を対象として、市町村単位において在宅での看取りの地域差を生じさせている要因を明らかにすることを目的とした。
本研究の結果、埼玉県における在宅での看取りの割合は市町村間でばらつきが大きく、自宅死亡割合は県東南部、老人ホーム死亡割合は県西部で多いことが明らかとなった。在宅での看取りの地域差を生じさせている要因として、自宅死亡割合では「都市化」に関わる要因が関与しているものと推察されたが、県西部の中山間地においても自宅死亡割合の市町村があることから、地域での看取りに対する意識や取組体制、死亡に至るプロセスにおけるサービス提供状況等に関する研究を行っていくことが必要である。
また、在宅での看取りに関し、医療介護サービスの提供体制や提供量との関係では、自宅死では相関のある項目はなく、老人ホーム死では老人ホーム定員数との相関が認められた。
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