社会情報学
Online ISSN : 2432-2148
Print ISSN : 2187-2775
ISSN-L : 2432-2148
14 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
原著論文
  • 小西 利充
    2025 年14 巻1 号 p. 1-17
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/08/14
    ジャーナル フリー

    本研究は, コロナ禍以前について, 日本が貿易を行っている主要国を対象に, 取引費用理論とネットワーク理論の観点から, 知識労働者としての内外の在留者を通じた国際的な人的交流と経済取引が相関関係にあることを公開データに基づいて定量的に明らかにすることを目的とする。これにより, 知識労働者による国際的な人的交流が貿易取引の発展に寄与しているかどうかを示す。

    本研究では, 国境を越えて知識を伝播する知識労働者間の交流のネットワークによって形成された社会関係資本が, 越境取引での不確実性や取引費用を低減することで, 企業や国の活動領域を決定し, 国際経済取引の発展に寄与することを想定する。その上で, 先行研究での課題を踏まえ, 特定の在留資格を持つ海外在留邦人と日本在留外国人, および付加価値貿易額に着目した検証を行う。

    検証の結果, 知識労働者による国際的な人的交流が経済取引での付加価値創出に寄与している経路を確認するとともに, とりわけ日本と経済的に類似した先進工業国との貿易において, 人的交流が寄与する程度が大きい可能性があることが明らかとなった。そして, 貿易資源の賦存状況の他, 経済規模や産業構造, 貿易構造や形態等の国ごとの異質性等を同時に検討することの重要性を, 人的交流というミクロな視点を通じて示した。

  • 木田 勇輔
    2025 年14 巻1 号 p. 19-35
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/08/14
    ジャーナル フリー

    インターネットメディアが人々の社会参加や政治参加を促進するのかという点は, 常に大きな議論の的となってきた。本研究ではオンラインにおける参加行動に焦点を当て, これを目的変数として扱う。そして, Twitter(現X)やFacebookといったソーシャルメディアがある種のアフォーダンスとして参加行動を促すのかという点について検討する。研究で用いたのは, 20~39歳を対象として2020年に実施したウェブ調査(N=541)のデータであり, ベイズ推定によるロジスティック回帰分析を実施する。まず, FacebookやTwitterの利用を目的変数とした予備的分析を行った。この結果からは, 年齢が高い者や大学卒の者, 友人数が多い者がFacebookを利用する傾向があった。また, 年齢が低い者と大学卒の者はTwitterを利用する傾向があった。次に, オンラインでの参加行動の経験を目的変数とした分析を行った。この結果からは, Facebookを利用しているとクラウドファンディングに参加する傾向があること, Twitterを利用しているとオンライン署名に参加する傾向があることが明らかになった。本研究の結果は, それぞれのユーザーにどのような参加行動を促すのかという点において, ソーシャルメディアの特性に基づく違いが存在する可能性を示唆している。

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