社会情報学
Online ISSN : 2432-2148
Print ISSN : 2187-2775
ISSN-L : 2432-2148
6 巻, 1 号
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原著論文
  • — 内部統制システム構築の基本方針についての適時開示に着目して—
    記虎 優子
    原稿種別: 原著論文
    2017 年 6 巻 1 号 p. 1-18
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/16
    ジャーナル フリー

    決算発表は, 投資家にとり最も重要な会社情報のひとつであり, できるだけ迅速に行われることが望ましい。したがって, どのような特性を持つ企業が決算発表をより迅速に行うべく決算発表時期を改善するのかを解明することは重要である。本稿では, そのひとつとして内部統制システムに着目し, 会社法に基づく内部統制システム構築の基本方針についての適時開示資料を利用して基本方針の改定の有無, 改定回数, および改定時期を推定することにより内部統制システムに係る企業の構築姿勢を捉えて, 内部統制システムの構築と決算発表時期の改善の関係を検証している。

    検証の結果, 本稿では, 内部統制システムの構築に積極的に取り組む企業は, 前決算期よりも通期決算発表が迅速に行われるように当決算期の決算発表時期を改善するとの証拠を提示している。すなわち, 本稿では, 内部統制システムの構築に積極的に取り組む企業は, 当決算期の決算発表所要日数(決算日から決算発表が行われるまでの日数)を前決算期よりも短縮することを示している。また, 本稿では, 前決算期には通期の決算発表時期として適当とされる「決算期末後45日以内」またはより望ましいとされる「決算期末後30日以内(決算期末が月末である場合は翌月内)」に決算発表を実施できていなかった企業であっても, 内部統制システムの構築に積極的に取り組むことにより当決算期にはかかる時期に決算発表を実施できるようになることを示している。

研究
  • 佐久間 勲, 日吉 昭彦
    原稿種別: 研究
    2017 年 6 巻 1 号 p. 19-32
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/16
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は, ロンドン・オリンピック大会の開催に伴い, 日本人・外国人に対する国民イメージが変化するか, さらにそれらの変化にメディアがどの程度影響するかを検討することであった。日本国籍を有する708名を対象にロンドン・オリンピック大会開催前の2012年6月上旬と, 大会開催後の8月中旬にwebを利用したパネル調査を実施した。調査対象者に対して, 6月上旬に日本人を含む9カ国の国民イメージを回答してもらった。続いて8月中旬に, 同じ9カ国の国民イメージ, ロンドン・オリンピック大会開始から8月中旬の調査の回答時点までのイメージ測定の対象国およびそれらの国の選手に関するメディア報道への接触の程度, そしてテレビ, インターネットを含む7種類のメディア利用の程度を回答してもらった。分析の結果, いくつかの国民の一部の次元のイメージは肯定的な方向に変化していた。他方で, 少数の国民の一部の次元のイメージは否定的な方向に変化していた。さらにいくつかの国民の一部の次元のイメージに関しては, それらの国および選手に関するメディア報道に接触するほど肯定的な方向に変化していた。メディア利用に関しては, いくつかの国民の一部の次元のイメージは, テレビを利用するほど肯定的な方向に変化していた。一方, 少数の国民の一部の次元のイメージは, インターネットを利用するほど否定的な方向に変化していた。以上の結果は, オリンピック大会という国際的スポーツイベントは国民イメージの変化をもたらすものであること, さらにメディア報道やメディア利用がそれらの変化の一因になっていることを示唆するものであった。

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