マイクロ波ロケットの実現化には高効率のビーム伝送技術が不可欠である.本研究ではその方法としてフェーズドアレイ送電アンテナによるミリ波集光を検討した.飛行高度に併せて焦点を変化させ,機体側の受電アンテナを小さくしつつ高効率な送電を行おうとするものである.結果,広い高度領域にわたり高い伝送効率が得られ,フェーズドアレイを採用しない場合に比べ,地上システムに必要なミリ波発振器の数は1/6程度となった.
長距離の無線電力伝送では,大電力を取り出すために受電モジュールを大型化する必要がある.ミリ波帯を用いることで,ビームの直進性を高めて電力密度を上げることが可能となり、同じ電力を整流する際のレクテナを小さくすることができる。本研究ではより高い周波数で動作するレクテナ開発を目的に、Wバンド94GHzでの大電力の無線電力伝送を目指しレクテナの研究開発を行っている.シングルシリーズ型の整流回路,16素子アレーアンテナ,それらを統合したレクテナを設計,製作した結果について報告する
L-SSPSにおける光電変換効率の向上を目的として,太陽電池に入射するレーザ光の波長依存性の検討を行った.バンドギャップエネルギーの異なるInGaP,GaAs,InGaAsP,InGaAsの4つの単セル太陽電池と,それぞれのバンドギャップに対応した異なる波長の半導体レーザを複数用意し,その変換効率を調べた.その結果,いずれの太陽電池でもバンドギャップエネルギーよりも約100meV高いレーザ光を照射した時に最も変換効率が高くなることが分かった.
地上におけるマイクロ波電力伝送システムが広く社会に受け入れられるためには,通信との干渉や人体への影響を最低限に抑えることが重要である.本報告では,信号の到来方向にビームを再放射するレトロディレクティブを送受電アンテナの両方に適用した両側レトロディレクティブシステムを新たに提案する.漏洩の少ないビーム状のパイロット信号を用いることにより,水平伝搬におけるマルチパスの問題に対応することが可能となる.また,送受電アンテナの両側でレトロディレクティブを繰り返すことにより,大気ゆらぎやアンテナ振動に追従しながらシステム外部へのエネルギー漏洩が自己収束的に極小化することを述べる.
ミリ波での無線電力伝送は,ビーム指向性の高さや回路の小型化が可能といった観点から,高密度エネルギー送電方法としての魅力がある.本研究では核融合や分光光源などで用いられている大出力のミリ波源であるジャイロトロンに着目し,電力源として利用することで長距離級の送電実験を行った.送電実験は900mmの距離で減衰材を介して行った.実験より送電効率2.30%が得られ,理論値である2.35%とよく一致していることからジャイロトロンを用いての送電が理論通りに行えることを示した.
中国におけるSPS研究の進展の噂が聞こえてくるものの,その全貌はいまだ明らかになっていない.本講演では中国のSPS研究の現状を報告すると共に,中国CASTが設計を行っている「Multi-Rotary joints SPS」の詳細について報告する.また韓国やシンガポール,インドにおけるSPS研究に関する現状と今後についても報告し,今後のアジア域におけるSPS研究の協力体制について提案する.
レーザーローンチシステムの成立に非常に重要な要素である大気中レーザービーム伝送に関して,解析式を適用し,そのインパクトを定量的に見積もった.その結果,直径10cm程度のレーザービームに対して高度10km以上になるとBeam wonderingの影響が顕著になることが示された.本研究で用いた簡易的な計算法は大気を横切る様々なビームエネルギー伝送に適切な見積もりを与えると期待される.
NASAの太陽発電衛星では,太陽電池パネルと送電アンテナを各々太陽と地球方向に指向させるため,ロータリジョイント(RJ)とスリップリング(SR)を用いる.接触式SRは,必ずしも難しいものではない.しかし摺動によるくずが出るので,保守上望ましくない.そこで著者らは,電力伝送部を無線化することを目標に,勉強会を開くこととした.本論文では,勉強会について説明し,成果として電界結合型のSRについて報告する.
センタリング復元力発生時の回転モーメントを抑制する為に複数放物機体を提案し,数値流体力学計算によってブラスト波伝搬を再現する事で軸方向及び角力積を評価した.複数放物機体では,負圧波がカウル−中央胴体間で繰り返し反射されてカウル外部へと放出され難い為,Lightcraftに比べてセンタリング復元力は減少した.然し乍らブラスト波接触面における機体形状対称性を維持出来た為,角力積をLightcraftの1/25に抑えられた.提案した複数放物機体により,安定なビームライデイング飛行を長時間維持出来る可能性がある.
マイクロ波ロケットなどのビーム推進打ち上げ機の実現には高効率のエネルギービーム伝送技術が不可欠である.本研究ではその方法としてアクティブフェーズドアレイ送電アンテナによるミリ波のビーム径制御を検討した.飛行高度に合わせて発信アンテナの焦点距離を変化させ,機体側の受電アンテナを小さく保ちつつ高効率な送電を行おうとするものである.電磁波伝播解析の結果,広い高度領域にわたり高伝送効率が得られ,アクティブフェーズドアレイアンテナを採用しない場合に比べ,地上システムに必要なミリ波出力は1/15程度となった.
レーザー推進は地上から伝送されたレーザービームをエネルギー源として推力を得る宇宙輸送システムである.本研究ではレーザープラズマ(LSP)型と熱交換型(PHX)の加熱方式の異なる2種類のレーザー推進に関し,高度500 kmの円軌道への打上性能を評価した.まず現在商用で利用できる100 kWレーザーでの打ち上げを想定し性能を評価した結果,LSP型を二段式にすることで最大0.126 kgのペイロードの打ち上げが可能であることが分かった.ただし,視野角を考慮するとレーザー基地が2台必要となり,コールドガスジェットを利用し,レーザー基地を1台で軌道投入するにはペイロードが0.077 kgになることが分かった.一方,PHX型は単段式では軌道投入できないことが分かった.しかし,二段式にすることで0.099 kgのペイロードの打ち上げが可能であることが分かった.最後に将来の大出力化を想定し,二段式コールドガスジェットでレーザー出力を1 GWとしたところ,LSP型は881 kg,PHX型は972 kgのペイロードの打ち上げが可能であることが分かった.
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