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梶田 晴司
セッションID: 3C02S
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
会議録・要旨集
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本研究では、ホールにより二酸化チタンの表面酸素の電子状態にどのような変化が起こるのか第一原理計算を用いて調べた。ホールを供給すると表面酸素はイオン性をなくし中性化する。このために表面酸素の脱離エネルギーは激減するが、ホールは表面酸素欠陥発生の原因とはならないことが分かった。さらに酸素欠陥部分に分子を吸着させホールを導入することにより、光触媒作用において酸素欠陥が果たす役割についても議論する。
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小野 敦, 田野倉 敦, 市川 能也, 坂間 弘
セッションID: 3C03
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
会議録・要旨集
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本研究ではスパッタ法により様々な条件でTiO2薄膜を作成し、系統的に光触媒活性を評価した。光触媒活性は低温(200℃以下)においてはアナターゼの割合(アナターゼ率)が大きくなるスパッタリング圧の高い条件で良くなることが知られているが、今回は200℃以上でも高い活性を示した。また、光触媒活性はXRDのピークをもとに算出したアナターゼ率とよい相関関係にあることを見出した。
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有賀 寛子, 生井 勝康, 岩澤 康裕
セッションID: 3C04
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
会議録・要旨集
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当研究室で既に報告したTiO2(001)表面上の階段状格子構造を用い、メタノール・ギ酸の紫外光及び可視光照射下での光酸化反応過程をSTM観察した。我々は吸着フォルメートの光分解過程の追跡に成功し、この表面の可視光応答性発現をみいだした。これは本構造特有の表面準位により3.0 eV以下の電子励起が可能となり、同様に特有な活性点構造により吸着種間の立体的配置が満たされたことによるものと考えている。
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山方 啓
セッションID: 3C05
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
会議録・要旨集
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時間分解赤外分光法を用いて、光触媒上の吸着分子が電荷移動を受けたあとに、構造を変化させ、生成物に変化する様子の時間分解観察に成功した。イソプロパノールの酸化チタン上での光酸化反応の場合、反応を誘起する正孔移動は1マイクロ秒以内に完結していた。そして、これが反応中間体であるアセトンアニオンラジカルにすみやかに変化したあと、マイクロ秒の時間領域でゆっくりと最終生成物のアセトンになることを見いだした。
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小池 祐一郎, 藤川 敬介, 居島 薫, 田 旺帝, 朝倉 清高, 岩澤 康裕
セッションID: 3C07S
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
会議録・要旨集
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TiO
2(110)にNiを蒸着し、偏光全反射蛍光XAFSで測定した。その結果初期段階ではNiは単原子で存在し、酸素に配位することが分かった。この結果はSTMなどからPdなどの金属を蒸着した場合、金属原子はTiカチオンと結合をつくるという従来の金属吸着サイトに関する主張と異なるものである。さらにFEFFを用いて初期吸着サイトを検証した結果、単原子吸着サイトはステップ端であることが示唆された。
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馬 運生, 松島 龍夫
セッションID: 3C08
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
会議録・要旨集
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Pd(110)上のNO分解の律速過程ではない表面窒素の除去過程を脱離生成分子の角度・速度分布から解析。水素共存では4つの過程(i)2N(a)→N2(g),(ii)N2O(a)→N2(g)+O(a),(iii)N2O(a)→N2O(g),(iv)N(a)+3H(a)→NH3(g)が同時進行。高温では(i)が優勢、約600K以下では他の過程が大きく寄与。(iv)は水素圧がNO圧より高いとき増加。
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折田 秀夫, 中村 功, 濱田 秀昭, 藤谷 忠博
セッションID: 3C09
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
会議録・要旨集
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Pd(3111)表面上のNOの吸着と分解に関して、DFT計算により詳細な検討を行った。NOはステップ上のブリッジサイトに最も安定に吸着する事が明らかとなり、実験結果と良く一致している。NOがステップに傾いていく遷移状態を経由して、分解反応が進行することが分かり、ステップ構造が分解反応の活性サイトであることを明らかにした。
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中尾 憲治, 伊藤 伸一, 冨重 圭一, 国森 公夫
セッションID: 3C10S
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
会議録・要旨集
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Pd上でのCO+NO反応において,その反応ダイナミクスについて検討しているものは少ない.本研究では,赤外発光測定が可能な分子線真空装置を用い,Pd(111),(110)上でのCO+O
2及びCO+NO反応を行い,そこで生成・脱離したCO
2分子の振動・回転状態についての研究を行った.それら内部エネルギーの情報から,CO
2生成ダイナミクスについて比較・検討を行った.
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相澤 正樹, 高橋 一徹, 森川 良忠, 生井 勝康, 佐々木 岳彦, 岩澤 康裕
セッションID: 3C11
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
会議録・要旨集
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TiO
2(110)単結晶表面はギ酸分解反応に高い活性を持つ。反応条件下でのin-situ STM観察により吸着種の動的挙動を追跡し、DFT計算と合わせて表面反応の各過程の実空間観察と反応機構を明らかにした。反応条件では、Ti
4+と酸素欠陥とのブリッジ型吸着種および隣接サイト間のホッピング過程、酸素欠陥上モノデンテート型吸着種が分解されOH基の生成が観察された。
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原 賢二, 田山 忍, 鹿野 秀和, 増田 卓也, 高草木 達, 近藤 敏啓, 魚崎 浩平, 澤村 正也
セッションID: 3C21
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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原子レベルでの平滑性および規則性を有する単結晶表面上に金属錯体を精密に組織化すれば、従来の触媒系にはない反応場を構築できると期待される。そこで、ビスオキサゾリン部位を有する末端アルケンを用いて、水素終端化Si(111)表面上でヒドロシリル化を行い、ビスオキサゾリン配位子の単分子層を形成した。この表面を酢酸パラジウムを用いて錯体化させた表面は、ベンジルアルコール類の酸素酸化反応に高い活性を示した。
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中井 郁代, 近藤 寛, 島田 透, 長坂 将成, 横田 玲夫奈, 太田 俊明
セッションID: 3C22
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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Rh(111)表面におけるNOとCOの反応は重要な触媒反応であるが、N
2発生のメカニズムはいまだ明らかでない。その素反応であると考えられる原子状窒素とNOの反応について、エネルギー分散型NEXAFS法を用いた研究を行った。これらは110 Kの低温でも反応し、N
2Oを生じる。この過程は「負の活性化エネルギー」を示し、気相のNOと平衡状態にある中間体を経る反応であると考えられる。
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谷池 俊明, 唯 美津木, 佐々木 岳彦, 森川 良忠, 岩澤 康裕
セッションID: 3C23S
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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Co
2/Al
2O
3触媒上で起こるNO-CO反応はSurface Catalytic Reactions Assisted by Gas Phase Moleculesという新規機構に属する。本研究の目的はこの機構の詳細を第一原理計算によって明らかにすることである。既に我々は、下地となるγ-アルミナバルク、(110)表面、Coの吸着構造を明らかにした。当日はNO吸着の詳細について発表する。
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信川 健, 野口 義雄, 菅原 康, 伊藤 伸一, 冨重 圭一, 国森 公夫
セッションID: 3C24S
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
会議録・要旨集
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亜酸化窒素 (N
2O) は,地球温暖化ガスであると共にオゾン層破壊にも寄与する.N
2O選択還元反応の反応メカニズムの研究から,酸素共存条件でのN
2O選択除去にメタンが最も有効な還元剤であることが示唆された.本発表では,不活性なメタンが還元剤として効果的に働くメカニズムについて,Feイオン種状態やキャラクタリゼーションの結果などから議論する.
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大南 賢亮, 宇野 奏絵, 藤川 高志, 久保田 岳志, 金崎 真吾, 朝倉 清高, 岩澤 康裕
セッションID: 3C25S
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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担持Pt触媒は幅広い分野で利用されており研究も数多く行われてきた。これまでにPt/SiO
2系にメタンを循環させると、表面上への炭素種の吸着量が少ない場合は何も吸着していない場合に比べてPt L
2-edge XANESスペクトルの変化が大きく、逆に吸着量が多い場合は変化が小さいことがわかっていた。解析の結果、吸着量が増えるに従いグラファイト構造を形成していくことがわかった。
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北田 暁彦, 平島 秀水, 松本 健俊, 中村 潤児
セッションID: 3C26
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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本研究ではモデル触媒にNi(111)表面を用い、H
2Sが解離吸着したときの吸着構造について走査トンネル顕微鏡(STM)により明らかにした。Ni(111)表面にArで100倍に希釈したH2Sガスを導入すると、1000 Å以上のテラスにおいてひも状の物質が観察された。オージェ電子分光法(AES)において硫黄以外のピークが観測されず、ひも状物質は新規な硫黄吸着構造であると考えられる。
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大貫 良太
セッションID: 3C27
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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Pd-CeO2触媒は、低圧下でのCO水素化によるCH3OH合成に高活性であり、水素還元温度の違いによるCe酸化数の変化によって、触媒活性や選択性に違いを示す。本研究では、Pd単結晶(111)面を基板に用いてCeOx薄膜(1.5<x<2.0)を創製し、創製した表面での昇温反応及び、CO-H2反応における吸着種の振動分光について、高分解能電子エネルギー損失分光を用いて観察した。
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長坂 将成, 近藤 寛, 雨宮 健太, 南部 英, 中井 郁代, 島田 透, 太田 俊明
セッションID: 3C28S
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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Pt(111)上の水生成反応は多くの研究がなされているが、その反応機構は完全に解明されていない。本研究では、原子状酸素が吸着したPt(111)表面に水素を流すことにより水が生成する過程を、時間分解NEXAFSで測定することにより、反応中のO, OH, H
2Oの被覆量変化を得た。次にモンテカルロ法を行った結果、水の自己触媒反応がプロトン移動を経由して進行する反応機構で説明できることが明らかになった。
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早瀬 広志, 西山 洋, 斉藤 信雄, 井上 泰宣
セッションID: 3C29
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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本研究では不飽和アルデヒドのC=Oの二重結合を高選択的に水素化し、不飽和アルコールの高い収率を得ることができる触媒の開発を行うことを目的とし、クロトンアルデヒドを用いて水素化反応を行った。担体にAl
2O
3、Li
xAlO
2、などを用いてコバルトを高分散させた触媒の選択的水素化反応に及ぼす担体効果について調べた。
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田崎 保徳, 山崎 貴久, 長嶋 裕次, 松本 健俊, 中村 潤児
セッションID: 3C30
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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欠陥を導入したカーボンナノチューブにPtやMo
2Cを担持したものを燃料電池電極触媒として用いた。金属の担持状態をXPSとXRDを用いて調べることでMoはバルクが炭化物であり、表面が酸化されていることがわかった。また、炭素材料のモデル表面としてHOPGを用いて、欠陥導入および金属蒸着後に気体を導入することで表面の反応性をXPSによって調べた。
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貫井 啓介, 小西 俊介, 松瀬 丈浩, 杉本 渉, 村上 泰, 高須 芳雄
セッションID: 3C31
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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金属担持カーボン触媒の高温水素還元処理により、炭素担体表面がどのような形態的影響を受けるのかを調査した。その際、担体としてHOPGの劈開面に前駆体水溶液を担持させたMetal/HOPG モデル触媒法を適用し、SEMおよびAFMにより観察した。その結果、特に900℃で水素還元処理をした場合、Metal (PtRu、Pt、Ru、Co) の各微粒子がHOPG表面層を掘削しながら直線的に移動する挙動を見出した。
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小宮山 政晴, 李 艶君
セッションID: 3C33
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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TiO
2表面に異なる波長の光を照射し,その結果流れる光電流を超高真空STMにより原子レベルで観察した.紫外光照射ではTiO
2表面全体で光電流が流れたが、ステップおよび(1×2)領域でより多くの光電流が観察された。可視光照射ではテラス面ではほとんど光電流は流れず、ステップおよび(1×2)領域のみに光電流が観測された。これらの結果を酸素欠陥による局在準位から説明した.
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藤田 大介, 大西 桂子, 北原 昌代, 鷺坂 恵介
セッションID: 3C34
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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超高真空環境で試料に応力_-_歪場を印加しながら表面構造を計測可能な2探針走査プローブ顕微鏡を開発した。走査トンネル顕微鏡と原子間力顕微鏡の機能を有している。STMとしては、Si(111)試料に応力印加しながら原子分解能イメージングすることに成功した。本装置を用いて応力場環境におけるSi(100)表面の観測を行い、2種類のドメインの占有率が応力印加により変化することをその場観測することに成功した。
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山田 郁彦, 高木 昭彦, 日下 貴生, 松本 卓也, 田中 秀和, 川合 知二
セッションID: 3C36S
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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表面ポテンシャル測定手法としてケルビンフォース顕微鏡が知られているが、この手法は導体を測定する際に使用されるものである。しかし周波数モードケルビンフォース顕微鏡を用いて絶縁体であるマイカおよびサファイア基板上に吸着した金ナノ微粒子とDNA複合体構造の表面ポテンシャル測定を行ったところ、吸着分子、微粒子に依存しかつそれぞれを識別できる分解能の良いポテンシャルマップを得ることができた。
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最上 理映, 藤井 政俊, 加藤 直
セッションID: 3C37S
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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原子間力顕微鏡(AFM)の表面力測定では二表面間に働く微小な力を測定することができる。本研究では、純水、無機塩、陽イオン界面活性剤溶液中でポリスチレンラテックス粒子-SiO
2基板間の表面力距離依存性を測定した。表面力のプロファイルを詳細に解析することによりポリスチレン粒子表面の構造や性質を明らかにすることを目的としている。
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辻 幸一, 江本 哲也, 宮武 優, 長村 俊彦
セッションID: 3C38
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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X線ポリキャピラリーレンズにより数10ミクロン径の高輝度なマイクロX線ビームを実験室で得ることが可能になっているが、さらに小さいビーム径を得ることは現状では困難である。そこで、AFMカンチレバーに細孔を設け、レンズで得たマイクロX線ビームを細孔の直径により物理的に絞れる装置を試作した。試料からの蛍光X線スペクトルは斜出射条件下で測定しており、AFMによる表面形状観察と元素分析が目指している。
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狩野 弥, 新藤 斎
セッションID: 3C39
発行日: 2004年
公開日: 2004/11/08
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NaCl結晶の低指数面の純エタノール及び添加物を含むエタノール溶液中での溶解によるファセット形成過程を原子間力顕微鏡(AFM)で観察した。純エタノールは{113}面、ホルムアミドは{111}面、HgCl2は{110}面、CdCl2は{112}面、そしてフェロシアンイオンは{120}面をそれぞれ安定化させ、局所的に原子平坦面が得られた。溶媒や溶質分子の吸着による安定化のメカニズムについて議論する。
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