-
二宮 啓, 境 悠治, チェン リーチュイン, 平岡 賢三
セッションID: 2Fp07
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
二次イオン質量分析法やX線光電子分光法などの表面分析法においては、試料のイオン化やスパッタリングにイオンビームが利用される。それらの分析法をさらに高性能化するための手段の一つとして、新しいイオンビームの開発がある。我々は真空中で水溶液をエレクトロスプレーすることによって得られる帯電液滴をイオンビームとして利用するための研究開発を行っており、その現状について報告する。
抄録全体を表示
-
渡邉 騎通, 間宮 広明, 阿部 冨士雄, 大久保 雅隆, 北澤 英明
セッションID: 2Fp09
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
我々は、TOF-SIMSを用いて、高効率火力発電プラント用の耐熱鋼や航空機用構造材料など、様々な材料を測定・評価している。今回、火力発電プラント用の耐熱鋼において、クリープ強度を改善させる微量元素であるホウ素の分布をTOF-SIMSにより観察し、結晶粒界とホウ素分布の相関を調べた。ホウ素添加による特性改善のメカニズムを解明するためにも、耐熱鋼における微量元素の分布を調べることは重要である。
抄録全体を表示
-
永井 秀和
セッションID: 2Fp10
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
真空中でのパルスレーザー照射による固体表面の蒸発過程を、レーザー共鳴イオン化質量スペクトルにより観測した。ステンレス表面、ストロンチウム単体、ストロンチウム化合物などレーザー蒸発により気化した基底状態の原子(Fe、Sr)を波長可変レーザーによる共鳴イオン化により選択的にイオン化を行い質量分析スペクトルを観測した。レーザー照射の光のタイミングやビームの位置によるスペクトル強度の変化から、発生する原子の速度分布および空間分布を測定した。照射するレーザー光の波長や強度による効果を観測し、真空中での固体表面からのレーザー蒸発過程について考察を行った。
抄録全体を表示
-
小玉 開, 田中 正人, 大野 真也, 垣内 拓大, 間瀬 一彦, 奥平 幸司, 田中 正俊, 田中 慎一郎
セッションID: 2Fp11
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
s軌道を除く内殻準位はスピン軌道相互作用によってエネルギー分裂を示すが、通常のオージェ電子スペクトルでは、分裂した内殻準位それぞれに由来するオージェ電子スペクトルに分解することは難しい。我々は、オージェ電子-光電子コインシデンス分光法を用いて、大きなスピン軌道相互作用を持つ典型例である金表面のAuオージェ電子-Au光電子コインシデンス分光測定を行い、分解したオージェ電子スペクトルを分析する。
抄録全体を表示
-
加藤 史明, 原田 国明, 杉本 敏樹, 渡邉 一也, 松本 吉泰
セッションID: 2Gp01
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
超高真空下での水分子同位体表面科学実験には、水蒸気の同位体組成制御が欠かせない。しかし、チャンバー壁面吸着水との同位体交換を理由に四重極型質量分析器での水分子同位体の感度係数・パターン係数は評価が難しく、この制御は容易ではない。我々は、超高真空下のPt表面吸着水に対する赤外吸収分光と昇温脱離法を用いて同位体種の感度係数・パターン係数を決定する水分子流同位体組成分析法を構築し、その制御を可能とした。
抄録全体を表示
-
嶋崎 陽一, 山川 紘一郎, 荒川 一郎
セッションID: 2Gp02
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
水クラスターは、星間や大気圏で起こる化学反応において重要な役割を果たし、その幾何学的構造や振動状態に興味が持たれている。本研究では、希ガス固体中に単離されたD
2Oクラスターの赤外吸収を測定した。赤外吸収ピークは、気相中の値に対してレッドシフトを示し、希ガスの原子番号が大きくなるにつれてシフト量が増加した。振動数シフトの希ガス種依存性から、クラスターの幾何学的構造や捕縛サイトを考察する。
抄録全体を表示
-
杉本 建, 山川 紘一郎, 荒川 一郎
セッションID: 2Gp03
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
CH
4分子の基準振動ν
3, ν
4は、強い赤外活性を示す。気相におけるCH
4分子の赤外吸収強度に関する研究は多いが、吸着層における詳細な研究はない。我々は、真空容器内でAu薄膜上に形成したCH
4凝縮層を、反射赤外分光法により観測した。凝縮層のアニール後、ν
3, ν
4吸収バンドはCH
4分子の回転に起因する分裂を示した。分裂して現れるピークの吸収強度の膜厚・アニール温度依存性を議論する。
抄録全体を表示
-
島田 透, 中嶋 洋, 熊谷 遊太, 石郷 侑汰, 津島 将導, 碇 亜紀彦, 鈴木 裕史
セッションID: 2Gp04Y
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
表面増強赤外吸収(SEIRA)は光と分子の強結合により生じるが、その増強機構は未だ十分には理解されていない。本研究は、電子線描画により作製した金ナノ粒子周期構造を増強基板として用いることで、定量的なモデル化と議論を可能にし、増強機構の解明をすることを目的として行った。解析の結果、これまで考えられてきたプラズモン共鳴などを考慮せずとも、非共鳴的な古典電磁気学で実験結果を再現できることを明らかにした。
抄録全体を表示
-
渡邉 芙美枝, 阿部 理佐, 二又 政之
セッションID: 2Gp05
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
これまで十分明らかになっていないカチオンの金電極への吸着挙動をATR-SEIRASで解析した。pHやカチオンの種類や濃度を変えて、硫酸系水溶液中で測定したところ、pzcより負電位側で、プロトンと金属イオンの競争吸着及び、静電パラメータに依存した水和カチオンの吸着が観測された。水分子のO-H伸縮振動ピークが電位上昇とともに高波数シフトするStark効果を観測できたことなどから、カチオンの水和状態について詳しい解析を行った。
抄録全体を表示
-
赤井 啓太郎, 飯田 千晶, 二又 政之
セッションID: 2Gp06
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
銀ナノ粒子/吸着種/銀薄膜/プリズム系の全反射配置でのギャップ増強ラマン分光について検討し、ラマン増強度の銀ナノ粒子の被覆率依存性や励起波長依存性について、周期境界条件を用いたFDTD計算と、吸着種としてチオフェノール等の単分子膜を用いた測定を行った。粒子数が少ないほど伝搬性プラズモンンの効率的励起が行えるため、ナノギャップでのラマン増強度は増大し、10^9-10^10バイトなった。また、ギャップモードと伝搬性プラズモンのカップリング条件が、波長依存性に影響していることを示唆する結果を得た。
抄録全体を表示
-
柳沢 雅広, ソン エイエイ, 國本 雅宏, 本間 敬之
セッションID: 2Gp07
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
プラモンセンサによる表面増強ラマン散乱分光法を用いて、サブナノメートル厚のダイアモンドライクカーボン膜のレーザー加熱時の温度と化学構造の動的変化を同時測定することに成功した。
抄録全体を表示
-
渡部 誠也, 中野 美紀, 三宅 晃司, 田所 千治, 佐々木 信也
セッションID: 2Gp08S
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
表面における吸着分子膜が摩擦低減に大きく寄与していることは、トライボロジー分野において古くから知られている。これまで吸着分子膜による摩擦低減メカニズムについて種々のモデルが提案されているが、それらを実際の摺動下において直接観察した報告例はほとんどない。今回我々は、界面敏感な手法であるSFG(和周波発生)分光分析を用いて表面吸着分子膜の摩擦界面におけるその場観察を試みた。本報では油性剤を測定対象とし、その場観察結果から摩擦低減メカニズムについて検討を行う。
抄録全体を表示
-
桜井 健次
セッションID: 2Gp09
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
薄膜・多層膜の各層・各界面の不均一さ、場所的な違いを可視化することを目的とするX線・中性子イメージング技術の開発について報告する。
抄録全体を表示
-
副島 啓義, 柿原 利之, 阿井 稔晴, 森 邦芳, 渡辺 宏之
セッションID: 2Gp10
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
微小部から発生する特性X線を平板分光結晶に直接入射させて分光し、高識別能を有する2次元検出器で分離検出することにより、(メカニカルな駆動をしない)非走査高分解能波長分散分光法を開発した。波長間隔0.0004nmのCuKα
1とKα
2が明瞭に分離できている。試料-分光結晶-検出器が30cm程度の空間に非常にシンプルに配置されている。
抄録全体を表示
-
中山 泰生, 水野 裕太, 鶴田 諒平, 山本 真之, 石井 久夫, 上野 信雄, Hinderhofer Alexander, Frank ...
セッションID: 2Gp11Y
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
多くの有機デバイスにおいて,ドナー材料とアクセプタ材料との界面は「pn接合」に相当し,電子機能性の枢要部である。本研究では,有機分子間pn接合の形成機構を解明することを目的とし,高秩序で均一なペンタセン単結晶(PnSC)表面上にC
60を積層した界面の構造と成長様式を斜入射X線回折法により調べた。その結果,PnSCに対しエピタキシャルかつ結晶子サイズ100 nmに迫るC
60結晶薄膜の形成を実証した。
抄録全体を表示
-
高木 紀明
セッションID: 2Hp01
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
固体表面に吸着した磁性分子の磁気異方性、近藤効果、近藤格子について発表する。
抄録全体を表示
-
吉村 誠人, 中澤 武夫, 小澤 健一, 小板谷 貴典, 吉本 真也, 向井 孝三, 吉信 淳, 間瀬 一彦, 荒船 竜一, 高木 紀明
セッションID: 2Hp03
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
Ag(111)表面に吸着した鉄フタロシアニン分子のスピン状態を、軟X線光電子分光を用いて明らかにした。単層ではスピン状態はS=0であるが、2層以上では基板に直接吸着した分子もS=1になることを示唆する結果が得られた。これにより、分子間の相互作用により分子と基板との相互作用が弱めらたと推測できる。
抄録全体を表示
-
鈴木 雅彦, 安江 常夫, 越川 孝範, Bauer Ernst
セッションID: 2Hp04
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
Co/W(110)はCo蒸着量が数原子層のとき、磁化が表面垂直方向に大きく傾く傾向がある。この磁化の傾き角は蒸着量に対して単調に変化しないことが示されているが、Co薄膜が完全な層状成長をせず、膜厚に分布があることがわっかっていた。本研究では、この非単調な変化の詳細を明らかにするため、超高輝度・高スピン偏極低エネルギー電子顕微鏡による磁区観察を行ない、磁化の傾き角と局所的な膜厚との関係を調べた。
抄録全体を表示
-
土師 将裕, 吉田 靖雄, 長谷川 幸雄
セッションID: 2Hp05S
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
W(110)上の1層Mn薄膜は、ジャロシンスキ守谷相互作用(DMI)によりカイラル自由度の破れたらせん磁気構造を示す。一方、W(110)上の2層Mn薄膜も、らせん磁気構造を示すが、その発現機構など未解明な部分が多い。そこで、らせん磁気構造の発現に重要な相互作用であるDMIが2層薄膜でも実効的に働いており、カイラル自由度が破られているかをスピン偏極STMを用いて評価したので、その結果について報告する。
抄録全体を表示
-
山本 駿玄, 吉田 靖雄, 今田 裕, 金 有洙, 長谷川 幸雄
セッションID: 2Hp06S
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
我々は、極低温走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて、単一分子でスピンを持つ酸素分子の物理吸着層を研究している。STM では、吸着分子の位置を自由に移動させることが可能なため、この系は、スピン間相互作用を制御可能な低次元スピン系の実験的シミュレータとなり得る。本研究では、物理吸着層の構造や電子状態の観測に成功したので、その詳細を報告する。
抄録全体を表示
-
江藤 理杏, 大塚 洋一, 山口 晴正, 松本 卓也
セッションID: 3Cp04
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
柔軟な分子であるDNAの固体状態の電気物性計測には、電極界面や基板上での分子構造や、カウンターイオンが電気伝導性へ及ぼす影響を考慮する必要がある。我々はこれまでに、トップコンタクト型ナノギャップ電極を用いて、マグネシウムイオン添加DNA(Mg
2+-DNA)の電気伝導性の発現を見出してきたが、その詳細な温度特性は明らかではない。本検討ではMg
2+-DNAの温度特性評価を行ったので報告する。
抄録全体を表示
-
稲見 栄一, 濱田 幾太郎, 上田 啓市, 阿部 真之, 森田 清三, 杉本 宜昭
セッションID: 2Hp08
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
単一の原子や分子をナノスイッチとして動作させる方法が数多く提案されている。しかし、そのほとんどが極低温環境を必要としていた。本研究では、鉛原子から成るナノクラスターを個々の原子から組み立て、ナノクラスターを構成する原子数を単原子レベルで制御することで構造の安定性を精密に制御し、これにより室温で動作するナノスイッチを実現した。
抄録全体を表示
-
山田 豊和, 太田 奈緒香, 中島 脩平, 牧野 孝宏, Vazquez de Parga Amadeo, 中村 浩次
セッションID: 2Hp09
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
超高真空・極低温において基板上で1個の原子を1個の有機分子に吸着させ、新たな原子分子融合体を作成、その電子状態を測定した。原子レベルで平坦・清浄化したCu(111)基板にフタロシアニン単一有機分子を吸着した。同じ基板上に3d磁性金属の単一原子を吸着した。STM(走査トンネル顕微鏡)で観察しながら、STM探針を用いて原子を動かし分子に吸着した。1個の原子が1個の分子の電子状態にどのような変化を及ぼすか探った。
抄録全体を表示
-
高橋 文雄, 宮町 俊生, 家永 紘一郎, 河村 紀一, Ernst Arthur, 小森 文夫
セッションID: 2Hp10S
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
Cu(001)基板上に作製した原子層Fe
2Nナノドットの表面電子状態を、走査トンネル顕微鏡法を用いて探針-試料間距離を変えながら系統的に調べた。形状像・走査トンネル分光スペクトルおよび第一原理計算の結果を合わせることで、探針-試料間距離に依存した表面状態との軌道選択的トンネル現象が実証された。
抄録全体を表示
-
中村 友謙, 芳野 諒, 保原 麗, 長谷川 修司, 平原 徹
セッションID: 2Hp11S
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
これまで表面上のステップでの抵抗はマイクロメートルスケールに存在する数百個の平均値しか測定されていなかった。今回走査トンネルポテンショメトリを用いてSi(111)-√3×√3Ag表面でのポテンシャル分布を測定し、ステップでのポテンシャル変化から個々のステップの抵抗を求めた。当日は走査トンネル顕微鏡によるステップ近傍の原子像観察とともに、測定・解析の詳細を報告する。
抄録全体を表示
-
野口 秀典, Shuo Yang, 魚崎 浩平
セッションID: 2Ip01
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
界面選択性の高い和周波発生(SFG)分光法は、反射赤外吸収分光(IRAS)、表面増強ラマン分光(SERS)等の振動分光法と同様に電気化学の分野でも適用され、界面分子構造の情報を与えてくれる。一方、界面電子構造に関する情報は、電極触媒の性能を決める上でもその重要性が多くの理論計算から指摘されているにも関わらず、乏しいのが現状である。本研究では、電気化学SFG分光法を用い、入射する可視光のエネルギーを変えることで、界面分子構造だけでなく溶液中の界面電子構造もプローブ可能なシステムを構築し、Pt(111)電極上に吸着したCO分子へ適用した結果について報告する。
抄録全体を表示
-
冨田 健太郎, 野口 秀典, 魚崎 浩平
セッションID: 2Ip02R
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
ジメチルスルホキシドベースの電解液を用いたリチウム-空気二次電池中の、正極表面における反応素過程を、表面増強ラマン散乱分光法により調べた。酸素の一電子還元により生成するスーパーオキサイドに帰属される信号が得られた。スーパーオキサイドの信号のラマンシフトは、支持電解質のカチオンの違いに依存しており、信号の強度は支持電解質のカチオンとアニオンの解離定数に依存することが明らかとなった。
抄録全体を表示
-
春山 潤, 袖山 慶太郎, 韓 礼元, 館山 佳尚
セッションID: 2Ip03
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
2009年に色素増感太陽電池を改良したペロブスカイト太陽電池が登場し目覚ましい発展を遂げている。光の変換効率は2009年の3%から2014年にはNRELの公式発表で17.9%に達している。我々はこのペロブスカイト太陽電池の光増感材として用いられているヨウ化鉛メチルアンモニウムの表面安定構造と変換効率に重要な電子物性を第一原理計算によって調べた結果を報告する。
抄録全体を表示
-
木村 太郎, 原 正則, 犬飼 潤治, 島田 愛生, 小野 英明, 望月 崇史, 島田 盛史, 内田 誠, 宮武 健治, 渡辺 政廣
セッションID: 2Ip04S
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
温度・湿度を制御した空気中において電流検出型原子間力顕微鏡を用い、合成したイオン導電性高分子電解質の表面形状および電流分布の同時観察を行った。異なる電解質での湿度変化による表面形状及び電流像の違い、およびそれらの燃料電池性能に与える影響を報告する。
抄録全体を表示
-
李 少淵, 大島 義文, 細野 英司, 周 豪慎, 菅野 了次, 高柳 邦夫
セッションID: 2Ip05
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
リチウムイオン電池の研究においてリチウム移動を明らかにすることは重要である。我々は、LiMn2O4ナノワイヤ電池の充放電におけるリチウム移動を反映した歪場変化を、STEMモワレ法によって調べた。観察にはLiMn2O4の(111)面を走査線に対し4°ぐらい傾けて得られた走査線と(111)面のモワレ縞を利用し、モアレ縞の間隔や傾きから局所的な歪場を求めた。従来の報告では説明できないリチウム移動機構を見出すことに成功した。
抄録全体を表示
-
下迫 直樹, 坂間 弘
セッションID: 2Ip06S
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
宇宙機から放出された分子状コンタミネーションが光学機器(太陽光パネル、ミラー等)に付着するとコンタミネーションの光吸収、散乱により性能低下を引き起こす。付着した分子状コンタミネーションの除去法として現在用いられている方法はベーキングのみであり、効果が不十分なため、新たな除去法を構築する必要がある。我々は光触媒に着目し、作製した二酸化チタンによる宇宙機コンタミネーションモデル物質の分解実験を行った。
抄録全体を表示
-
星 永宏, 中村 将志
セッションID: 2Ip07
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
燃料電池の酸素還元活性は表面構造によって大きく変化する。この講演では,白金単結晶電極を用いて酸素還元を活性化する表面構造を明らかにしたのち,白金の構造規整ナノ微粒子に類似の構造を構築し,単結晶電極との相関関係を論じる。あわせて,白金ナノ微粒子の耐久性に関しても言及する。
抄録全体を表示
-
桑原 泰隆, 住田 裕樹, 山下 弘巳
セッションID: 2Ip09R
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
油-水エマルジョンを利用した簡便な合成法により、酸化チタン粒子を内包した中空シリカ粒子を調製した。SEM/TEM分析の結果、シェルは厚さ10-20 nmの多孔質シリカで構成され、酸化チタンは構造を維持したまま内部に内包されていることがわかった。このような中空構造を有する光触媒は原料の酸化チタンに比べて有機物を効率的に吸着・濃縮し、二酸化炭素への完全酸化を促進する働きがあることが明らかになった。
抄録全体を表示
-
日比 裕子, 三宅 晃司, 中野 美紀
セッションID: 2Ip10
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
オレイン酸は基油中に添加される油性向上剤の一つであり、極性を有するカルボキシル基で材料表面に吸着して潤滑性の膜を形成する。今回、ヘキサン中およびエタノール中における鉄系金属およびケイ素系セラミックスの潤滑特性に対するオレイン酸の作用を調べた。その結果、材料の物性や基油の極性によって吸着および化学反応等のオレイン酸と材料との相互作用が異なり、潤滑性に影響を与えることが示されたので報告する。
抄録全体を表示
-
藤原 知也, 安 龍杰, 大西 洋
セッションID: 2P01
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
世界最高効率で水を分解する光触媒材料であるペロブスカイト型タンタル酸塩を単結晶膜として得るために、SrTiO3(100)およびLaAlO3(100)結晶をテンプレートとして水熱合成した。得られた単結晶膜を放射光ホログラフィーと走査プローブ顕微鏡をもちいて構造解析することが目標である。
抄録全体を表示
-
朝見 翔, 米田 忠弘, 道祖尾 恭之
セッションID: 2P02
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
自己組織化単分子層(SAM)は、従来Au/アルカンチオール系を中心に研究が行われてきたが、適切な結合基を導入することでSAMの調整に使用できる基板の選択肢は広がりを見せている。特に、強磁性体上に形成されるSAM膜に関する知見を得ることは、磁気デバイスなどの応用に対して有意義なものと言える。本講演ではFe(110)基板上に形成したアルカンチオールのSAM膜の構造について報告する。
抄録全体を表示
-
石田 拓也, 竹本 昌平, 神保 裕喜, 太田 圭介, 服部 賢, 大門 寛
セッションID: 2P03S
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
Si(001)表面上にFeを蒸着し加熱すると様々な構造のFeシリサイド島が共存して成長する.RHEEDパターンを調べたところ,p(2x2)二次元島のストリーク以外にドーム島に起因するパターンが得られたが,この構造は解明されていない.このドーム島の結晶相,方位を詳細に調べるために,ΦスキャンRHEED測定を行い,三次元逆格子マップを作成し新規に開発した探索アルゴリズムによる解析結果について報告する.
抄録全体を表示
-
神保 裕喜, 生田 円佳, 広田 望, 中家 佑吾, 竹本 昌平, 石田 拓也, 服部 賢, 大門 寛
セッションID: 2P04S
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
本研究室では、試料方位の異なるRHEEDによる複数枚の透過パターンから3次元逆格子マップを作成する手法である、方位角スキャンRHEED法を開発してきた。我々は、3次元逆格子マップ内のスポットから、結晶タイプと配向の探索を行う自動解析ソフトウェアを開発している。現在、Si(001)面上に形成される3次元鉄シリサイド(α-FeSi
2 )島構造を用いて、自動解析の評価を行っているので詳細を報告する。
抄録全体を表示
-
齊藤 弘樹, 酒井 明, 黒川 修
セッションID: 2P05S
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
Mg-希土類-遷移金属の3元系合金であるMg-LPSO合金は高い強度と加工性を併せ持つことから、次世代構造材料への応用が期待されている。LPSO合金は添加元素が濃化した層が周期的に積層するという特異な構造を有している。本研究ではこの特異な構造の成り立ちの解明を目的として、LPSO合金中の添加元素濃化層に対し走査トンネル顕微鏡を用いることで、その形状や電子状態を直接観察し局所的な構造の調査を行う。
抄録全体を表示
-
竹本 昌平, 石田 拓也, 神保 裕喜, 楊 昊宇, 染田 政明, 服部 賢, 大門 寛, 服部 梓, 田中 秀和
セッションID: 2P06S
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
β-FeSi
2は近赤外光のバンドギャップをもつ半導体であり、光学素子等への応用が期待されている。我々はこれまでにβ-FeSi
2が基板ステップを緩和する際に、格子不整合に起因する歪み二次元ナノカーペット構造を持つことを報告してきた。
今回我々は特徴的な広がりをもつLEEDスポットを解析することでナノカーペットのモデルを提案し、逆格子点シミュレーションと実験結果との比較によってモデルの妥当性を議論する。
抄録全体を表示
-
清水 皇, 宮川 敏彦, 浅井 英雄, 梶川 俊二, 伊東 真一
セッションID: 2P07R
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
大気中では、ステンレス鋼 (SUS) 表面に数nmのクロムオキシ水酸化物(-OH-Cr-O)層が形成される。この層は、不動態被膜中の1成分であり、SUS材の耐食性と密接に関係している。しかしながら、その詳細な構造は未だ明らかになっていない。そこで今回、放射光を用いた高分解能X線光電子分光(XPS)によってこれを明らかにした。取り扱ったサンプルはSUS304およびSUS440C鋼板である。SUS304や440Cは典型的な鋼板材料であり、これらの不動態皮膜に関する知見を得る事で、耐食材料開発が促進されると考えられる。
抄録全体を表示
-
篠原 正典, 中野 大和, 伊東 和樹, 丸野 尚紀, 藤山 寛
セッションID: 2P08
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
プラズマの生体・医療応用が注目されているが,生体分子とプラズマの詳細な反応を解析した研究例は少ない。そこで,生体分子としてウシ血清タンパク(BSA)を取り上げ,生成される化学種の制御が容易な低真空中で生成されるプラズマとの反応を多重内部反射赤外吸収分光法を用いて,実時間計測を行った。その結果,OHラジカルが曝露された場合BSA中のN-HやC-Hが減少することから,BSAとの反応性が強くBSAの構造が壊れることが分かった。
抄録全体を表示
-
田村 純也, 長谷川 雅章, 後藤 宏介, 持地 広造, 盛谷 浩右, 乾 徳夫
セッションID: 2P09
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
粒子の形状は電子顕微鏡で詳細に測定することができます。しかし、粒子の質量を求めるのは非常に困難です。そこで液滴表面に単一粒子を捕獲することで質量を推定するという簡単な手法を提案します。液滴表面に捕獲された粒子は液体分子の熱揺らぎによりブラウン運動を行います。液滴は半球状の形をしており 、重力の影響により界面にある粒子が移動する範囲は制限されます。その移動距離を測定することで粒子の質量を推測します。
抄録全体を表示
-
白水 達也, 今澤 貴史, 河原 弘幸, 上辻 哲也
セッションID: 2P10
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
Ⅲ-Ⅴ化合物半導体素子は厚さ数 nmと非常に薄い膜を僅かに組成を変えて何層も積層する構造がしばしば用いられる。その多層薄膜構造の中の各層に対する詳細組成分析技術の確立を目的に、二次イオン質量分析(SIMS)を中心に最適手法検討を行ってきた。今回、原子レベルの空間分解能の組成分析手法である三次元アトムプローブを試行した結果、定量精度はSIMSに劣るものの界面急峻性に関しては高精度なデータが得られた。
抄録全体を表示
-
宍戸 理恵, 藤井 麻樹子, 瀬木 利夫, 青木 学聡, 松尾 二郎, 鈴木 茂
セッションID: 2P11
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
一次イオンにクラスターを用いたStaticタイプのSIMSが市販化されるようになると、分析の対象が無機材料から生体材料、ポリマー材料などのソフトマテリアルへと広がった。更に、LMIGを用いた電界放射でのイオン化により、高輝度なイオンビーム照射が実現し、高空間分解能でのイメージング分析が可能になってきた。本発表では、一次イオンにBiクラスターを採用したTOF-SIMSを用いて、一次イオン種がイメージ分解能に与える影響について議論する。
抄録全体を表示
-
城 昌利
セッションID: 2P12
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
XPS スペクトルでは、損失関数を最適化して非弾性バックグラウンドが求められることをこれまで報告してきた。この手順を、物性に依存しない信号(光電子/オージェピーク)の持つ一般的な性質のみを用いて可能にするための拡張を行っている。このためには、解の探索時に、いくつかの(物性に依存しない)工夫が必要になる。本講演ではその詳細を示す。
抄録全体を表示
-
石倉 真保, 二又 政之
セッションID: 2P13
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
金属ナノ粒子と金属基板間のギャップ増強ラマン分光(gap-enhnaced Raman scattering, GERS)を、遷移金属ナノ粒子や高屈折率非金属ナノ粒子及び基板に適用した。増強メカニズムが示唆するように、FDTD計算とラマンスペクトル測定により、種々の基板表面の吸着分子について、10^5倍以上の大きなラマン増強度を得ることができた。種々の基板表面やナノ粒子系での高感度ラマン分光の応用が期待できる。
抄録全体を表示
-
吉川 英, 二又 政之
セッションID: 2P14
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
ギャップ増強ラマン散乱を利用した近接場分光で、チップや基板の銀薄膜中のカーボン汚染が問題である。ここでは、チオール置換及びハロゲン化物置換により、このカーボン汚染物の除去と、置換物の安定性に関して検討した。その結果、カーボンは、銀ナノ粒子状薄膜の形状を大きく変えることなく、チオール及び塩化物イオンにより置換された。さらに、銀薄膜上の塩化物は、チオール置換でき、そのチオールは電気化学的な還元除去が可能であることを見出した。
抄録全体を表示
-
塩足 亮隼, 熊谷 崇, Wolf Martin
セッションID: 2P15S
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
探針増強ラマン分光法(TERS)は、走査トンネル顕微鏡(STM)による実空間観測と、ラマン分光法による振動分光測定によって相補的にナノスケールの物性情報を得ることができる装置である。我々は、室温・超高真空下で稼動するTERS 装置を用いて、Au(111)上に作成したグラフェンナノリボン(GNR)の評価を行った。STM像およびラマンスペクトルにより、幅の均一なGNRが生成していることを確認した。
抄録全体を表示
-
近藤 篤義, Siriwardena E.K.D.H.D, 遠藤 頼夢, 下村 勝
セッションID: 2P16S
発行日: 2015年
公開日: 2015/12/01
会議録・要旨集
フリー
酸化チタンのイオン銃による清浄化では,優先スパッタによって金属チタンが観察される.よって,実際とは異なる表面組成に変化しまい,ナノ構造が持つ表面の情報を得ることが困難である.我々はダメージの少ないArガスクラスターイオン銃(Ar-GCIG)を用い,Ar-GCIGによるルチル型単結晶と酸化チタンナノ構造の深さ方向分析の比較を行い,ナノ構造分析時に問題となる酸素の優先スパッタの影響について調査した.
抄録全体を表示