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伊藤 公一, 大田 晃生, 黒澤 昌志, 洗平 昌晃, 池田 弥央, 牧原 克典, 宮崎 誠一
セッションID: 2PB19
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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n型Si(111)表面を水素終端した後、真空蒸着により厚さ~30および~90nmのAg膜を堆積した。HAXPES分析より、Ag膜厚に関わらず、平均厚さ0.4nm程度に相当する微量なSiの表面析出が観測された。また、厚さ30nmのAg膜のAFM表面形状像では、蒸着後~130時間経過すると平均二乗荒さ(RMS)が3倍程度の増大するものの、厚さ90nmの場合では同様のラフネス変化は認められず、安定な表面が形成できた。
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磯村 典武, 村井 崇章, 陰地 宏, 崔 芸涛, 木本 康司
セッションID: 2PB20
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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XPSスペクトルなどにおいて、バックグラウンドの起源となる電子の発生深さを実験的に測定することは難しい。一般には、多層構造モデルからシミュレーションによりバックグラウンドを求め、フィッティング解析による層構造の決定にとどまる。我々は、電子分光器を備えたX線吸収分光装置を用いて、電子の発生深さについて直接測定を試みた。その結果、層成分の割合として発生深さを得ることに成功した。
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金 垈賢, 伊勢川 和久, 吉田 真明, 近藤 寛
セッションID: 2PB21
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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X線を用いた液体個体間界面の解析は光の透過率が悪いため、極めて薄い固体層を用いて背面照射による解析法が開発されている。しかし、薄い固体層を作るのは難しく、すべての実験系において有効な方法であるとは言えない。そのため、本研究では表面張力を用いて硫酸水溶液の極めて薄い「溶液層」をPt基板に展開させ、正面照射によるXAFS解析を行った。硫酸溶液とは異なるPt基板に吸着した吸着種を観測することができた。
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山口 幸大, 黒川 修, 酒井 明
セッションID: 2PB22
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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3次元アトムプローブ(3DAP)の測定データの再構成には針状試料先端の表面形状を考慮することが必須である。本研究では走査トンネル顕微鏡(STM)にて詳細な形状を観察することで、3DAPデータの再構成を高精度化する手法の開発を試みた。本実験の結果、針状の3DAP試料のSTMによる観察が可能であることが示唆された。よって、この手法を用いることで3DAPデータの高精度再構成が可能であることが考えられる。
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飯塚 真令, 内山 芽育, 大山 茂輝, 松原 功達, 大野 正司
セッションID: 2PB23
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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AFM-IRはAFMの空間分解能でIRスペクトルを取得できる測定手法である。今回、基板上に製膜した二層分離膜や海島構造の高分子薄膜について、AFM-IRを用いてナノスケールでの相分離性を評価したのでその成果について報告する。
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黒澤 貴子, 森田 弘洋, Andreas Pelster, Heinrich F. Arlinghaus
セッションID: 2PB24
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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レーザースパッタ中性粒子質量分析(Laser-SNMS)による有機物ポリマーの評価を行った。中性種のイオン化およびフラグメント化エネルギーを計算し、光イオン化メカニズムの考察を行った。計算で推定したフラグメントイオンはLaser-SNMSで比較的高い強度で検出しているイオンとよく一致し、Laser-SNMSと量子化学計算を用いたスペクトル解析の組み合わせは有機物ポリマーの高感度分析に有用である。
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小野田 穣, Ayhan Yurtsever, 阿部 真之, Pang Chi Lun, 杉本 宜昭
セッションID: 2PB25
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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近年、TiO
2(011)-(2×1)表面の研究に注目が集まっている。過去行われた走査トンネル顕微鏡(STM)と第一原理計算による研究から、探針-試料間距離が近い場合はbeanlike状、遠い場合はzigzag状の輝点が現れることが分かった。zigzag状の輝点の位置は特定の原子位置とは対応せず表面の電子状態を反映しているため、我々は原子間力顕微鏡(AFM)によって表面の幾何学的情報の取得を試みた。しかし、予想に反して、AFM像はSTM像と似たzigzag状の輝点を表すことが分かった。
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二又 政之, 飯田 千晶, 赤井 啓太郎, 秋葉 ナツミ
セッションID: 2PB26
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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高感度ギャップモードラマン分光では、銀ナノ粒子(AgNP)を吸着種/銀薄膜/プリズム表面に効率的に固定することが必須である。我々は、AgNP分散液を上記吸着種表面に滴下し、レーザ光照射することで、AgNPが自動的に固定され、レーザ光を切ったのちもAgtNPは保持されることを見出した。これは、DLVO理論とFDTD計算に基づき、ギャップモードの増強電場とvan der Waasl力により説明できる。
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Xue Shengkai, 笹原 亮, 大西 洋
セッションID: 2PB27
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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TiO
2やSrTiO
3等の光触媒材料として広く使われてきたが、実際に反応が起こる大気中や液中でのそれらの表面構造は明らかになっていない。本研究では、構造変化の測定が可能なFM-AFMを用いて、金属酸化物表面の液中原子スケール観察を行う。しかし、水中でTiO
2やSrTiO
3の表面を清浄に保つことは簡単ではない。高分解能の顕微鏡画像を取得するために様々な表面処理法を試行したので、その結果を報告する。
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渡邉 雄大, 星野 徹, 横山 昂, 入田 賢, 中原 仁, 安坂 幸師, 齋藤 弥八, 仁科 勇太
セッションID: 2PB28S
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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本研究では、多層および酸化グラフェンエミッタからの電界放出におけるエミッションサイトに関する知見を得ることを目的として、電界放出顕微鏡(FEM)観察を行った。観察されたFEM像は多層および酸化グラフェンエミッタともに低印加電界で明暗の縞を示した。この結果は非常に鋭いグラフェンエッジから電界放出が起きたことを示唆する。また、各グラフェンエミッタのFEM像を比較、検討を行った。
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村松 康司, 大内 貴仁
セッションID: 2PB29
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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一般に絶縁性薄膜の軟X線吸収測定において試料電流を計測する全電子収量法を適用することは困難である。しかし,我々は導電性基板に絶縁性の有機薄膜を密着させて軟X線ビームを照射することにより試料電流を容易に計測できることを見出した。軟X線が十分透過する膜厚が数μの薄膜であれば,本法を用いて簡便に全電子収量軟X線吸収測定ができること示した。
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谷口 昌宏, 西川 治
セッションID: 2PB30
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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アトムプローブでは電圧パルスあるいはレーザーパルスによって電界蒸発をトリガーし飛行時間法によってイオンの同定が行われる。発表者らは電圧パルス、レーザーパルスを交互に印加して脱離イオンを個別に記録するシステムを製作し、トリガーの違いによるマススペクトルを直接比較できるようにした。二種類のトリガーによって交互に起きる電界蒸発において、検出されるイオン間の相関を調べたので報告する。
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石谷 暁拡, 小山 智央, 稲葉 工, 本間 芳和
セッションID: 2PB31Y
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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配向成長させたカーボンナノチューブの内,ラマン分光法により直径が判明したものを対象に,原子間力顕微鏡にてタッピングフォースを変化させ直径評価を行った.タッピングフォースの増加に伴い,測定された直径の減少が得られた.これは測定した全てのカーボンナノチューブに対して同様の傾向が得られた.この関係性から探針が与えるカーボンナノチューブのたわみによる影響が示唆される.
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川畑 智雅, 稲葉 達郎, 吉村 雅満
セッションID: 2PB32
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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探針増強ラマン散乱(Tip-Enhanced Raman Scattering: TERS)分光法は金属蒸着カンチレバー先端に生じる電場増強効果を利用し、高空間分解能でラマン分光測定を行う手法である。本研究ではTERS分光法を用いて単層グラフェンエッジ部のマッピング測定を行った。
カンチレバーにはOlympus社製のSiカンチレバー(OMCL-AC160TS-R3)に100 nmの熱酸化膜を作製し、銀60 nmをスパッタ成膜したものを用いた。得られたマッピング像より空間分解能は通常の顕微ラマンに比べて高いことが分かった。
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小谷 彩乃, Huang Hsin-Hui, 橋本 雄一 , 吉村 雅滿
セッションID: 2PB33
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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Surface treatment on carbon-based materials such as, graphite, graphene, carbon nanotubes, and highly oriented pyrolytic graphite (HOPG) is an effective way to tailor their structures and hence, their electronic, mechanical, optical and magnetic properties. This is attractive to a wide range of applications including biosensing, Li-ion batteries, and oxygen reduction reaction (ORR) etc. Recently, defective HOPG has been identified as an alternative candidate to high cost Pt-based cathode catalysts in ORR. Here, we study the ORR performance of HOPG under different surface treatment.
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城 昌利
セッションID: 2PB34
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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通常広く用いられる外部からの電子ビームを励起源とするオージェスペクトルは、励起源に起因する強度成分が固体内部から発生するオージェ電子に重畳されるため、このような成分が存在しないXPSの場合に比べてバックグラウンドやピーク形状・強度の見積もりが非常に困難になる。そこでより単純なXPSの結果との比較検討を行った。
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日比 柾宏, 大澤 裕保, Allain P.E., Damiron Denis, 宮崎 雄太, 上西 康平, Pop Flavius, 西 ...
セッションID: 2PB35
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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近年ナノスケールにおける構造解析及び元素分析が必要となっている。本研究ではAFMに元素分析能力を付加することを目標とし、プローブのスキャンにおいてボトムトラック法と呼ばれる手法を開発してきた。本手法により得られた原子間のポテンシャルカーブを用いて考察と検討をおこなった。
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大田 晃生, 村上 秀樹, 池田 弥央, 牧原 克典, 池永 英司, 宮崎 誠一
セッションID: 2PB36
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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熱酸化SiO
2をp型Si(100)上に形成し、Au薄膜(10nm)を電極に用いたMOSキャパシタを作成した。SPring8 BL47XUに設置されたHAXPESを用いて、Si基板側より電圧を印加し、広角電子レンズを用いて光電子脱出角度の異なるSi1s信号を一括で測定し、その解析により界面遷移領域などの化学結合状態と電圧印加による電位変化を切り分けて評価した。
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和波 雅也, 太田 裕也, 坂本 翔太, 鈴木 悠平, Veluswamy Pandiyarasan, Salleh Faiz, Mani ...
セッションID: 2PB37
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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高効率ウェアラブル発電デバイスのためのフレキシブル熱電変換材料として,綿布上に成長させたZnOナノ構造に注目している.ZnO種結晶形成工程とZnOナノ構造成長工程からなる二段階成長法により綿布上にZnOナノ構造を作製したところ,ZnOナノピラー・ナノネット混合構造が形成された.ACカロリメトリ法を用いて熱拡散率を測定したところ,その値は1.4x10
-4m
2/sであった.
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遠藤 頼夢, 近藤 篤義, Hirulak Siriwardena, 下村 勝
セッションID: 2PB38S
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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色素増感太陽電池における酸化チタンナノチューブ光電極を、酸化亜鉛ナノロッドを用いた鋳型法により作製し、性能評価を行った。電流電圧測定と紫外光電子分光法(XPS)により、酸化チタン表面に残留する微量の亜鉛によって開放電圧(V
OC)値が大きく向上することが分かった。これは、溶出したZn
2+が酸化チタンの表面トラップ準位を埋めることで電荷の再結合を抑制し、フェルミ準位を負方向にシフトさせるためであると考えられる。
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田島 誠也, 堀尾 吉已
セッションID: 2PB39
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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酸化チタン(TiO2)は光触媒として、広く使用されている材料であり、製造する方法は気相法やゾルゲル法、液相析出法など様々ある。その中でも特に我々は簡便な液相析出法(Liquid Phase Deposition)を用い、溶液の混合割合を変えることにより、形成する粒子のサイズ異なる結晶粒子が確認された。このような異なる結晶粒子からなる薄膜に対する光触媒活性度を評価したので報告する。
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大脇 健史, 青木 和馬
セッションID: 2PB40
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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可視光応答型光触媒である銅担持窒素ドープ酸化チタンおよび銅担持酸化タングステンの粉末表面を赤外分光法により調べた。その結果、水の吸着状態に大きな差異があり、酸化チタン系では水の吸着量が多く、酸化タングステン系ではその吸着量が少ないことがわかった。これは、有機ガスの吸着性、さらには可視光下での有機ガス分解活性に大きく影響することがわかった。
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三宅 光一, 木村 隆志, 金 在虎, 米沢 晋
セッションID: 2PB41S
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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光触媒には、防汚や抗菌、大気浄化などの機能があり、中でもTiO
2の光触媒活性は高い。物理的,化学的に安定、原料が廉価などの特徴がある。、しかし、光触媒性の発揮には紫外線領域の波長が必要となる。太陽光に紫外線は含まれているが強度が弱く、蛍光灯から発せられる光には含まれていない。本研究ではチタン含有溶液を用いてSiO
2表面上にコーティングをし、焼成を行う事により可視光反応型TiO
2の形成を目指した。
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亀田 直哉, 若林 慶, 荻野 俊郎
セッションID: 2PB42
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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リチウムイオン電池は様々な用途で使われている二次電池であり、高性能化に向け、一般的な負極材料であるグラファイトに比べ高い理論容量をもつSiが注目されている。Siはサイクル特性の悪さ、高速充放電のしにくさといった短所があるが、これらはSiのナノ構造化やcarbon nanotubeとの複合化により改善できることが知らており、多様な構造の材料が研究されている。本発表ではSiナノワイヤ/CNT複合材料の新しい簡易な作製法について報告する。
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中村 和樹, 大橋 遼, 横山 大, 田島 圭一郎, 遠藤 則史, 末光 眞希, 遠田 義晴, 中澤 日出樹
セッションID: 2PB43
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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希釈ガスにH
2を用いたプラズマCVD法により作製したSiおよびNを共添加したDLC(Si-N-DLC)の膜特性を評価した。N添加DLC(N-DLC)に比べて内部応力は低く、スクラッチ試験により得られた臨界荷重および光透過率は高かった。ラマン分光、FTIR、XPSにより、Si-N-DLCには Si-N結合成分が存在し、N-DLCに比べてsp
2C=C結合成分が減少しsp
3 C-N結合成分は増加した。
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兼松 秀行
セッションID: 3Ba01
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
フリー
材料表面に形成されるぬめりは バイオフィルム である。 この細菌由来の不均一な薄膜状の物質は、 医療、食品加工、腐食、熱交換器、 海洋構造物、水回りの衛生環境 など、多くの工業的な問題を引き起こす。その対策を立て、材料開発を行うためには、適切な評価法が必要であるが、未だ検討が続けられている。本講演では、バイオフィルムの概要、その評価法確立への検討と動きを表面工学的な観点からご紹介する。
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津田 哲哉
セッションID: 3Ba02
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
フリー
著者らは液体塩であるイオン液体を用いた新奇な電子顕微鏡観察法の開発に取り組んできた。その過程において、イオン液体の中には生物試料との相性が良く、極めて簡便な前処理を行うだけで、これまでの電子顕微鏡観察では困難であったウエットな状態での像が得られることを見い出した。本講演ではバイオフィルムをイオン液体処理した場合の効果について、SEMを用いた形態観察によって調査した結果を紹介する。
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宮野 泰征
セッションID: 3Ba03
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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微生物腐食発生の機序において、金属組織の微視的特性が微生物付着,バイオフィルム形成を誘導する因子として注目されている。微生物付着挙動と金属組織の相互作用の詳細な解析が求められているが,特性が異なる両者の同時観察は極めて困難である。本報では、CLSMを利用した新規観察手法である共焦点反射顕微鏡法(COCRM)を、金属材料学的観点からの微生物腐食研究に導入した際の新たな可能性について報告する。
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堀 克敏
セッションID: 3Ba04
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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筆者らが発見した高付着性の
Acinetobacter属細菌Tol 5株の細胞と、接着を担う細胞表層のバクテリオナノファイバーについて、固体表面との相互作用や表面化学特性に焦点を当てた最新の解析結果を紹介し、微生物付着やバイオフィルム形成のメカニズムに迫る。
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重藤 真介
セッションID: 3Ba05
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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バイオフィルム(BF)を形成する微生物は表現型の異なる細胞が存在する不均一な集団であることが明らかにされつつある。われわれは集団微生物が示す不均一性とその出現機構を分子科学的に理解するため、顕微ラマン分光法を用いたBFの非破壊解析を行っている。本講演では、モデルBFや生活環境BFの研究例を紹介し、BF中の代謝産物の解析に対するラマン分光法の有用性を示すとともに、今後の展開についても述べる。
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高木 紀明
セッションID: 3Bp01
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
フリー
STM非弾性電子トンネル分光による振動・スピンスペクトルの計測について概観する。
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早澤 紀彦
セッションID: 3Bp02
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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レンズを用いる従来の光学顕微鏡による分光の常識を取り払い、金属のナノ構造体を用いることで、回折限界を超えた空間分解能によりナノ光物性分析を可能とする分光技術の紹介を行う。光沢のある金属を光散乱体として考えるのでなく、光を増幅するアンテナと捉え、ナノ光源を発生させる。ナノサイズの金属針を用い、ナノ金属構造先端による電場の増強効果を用いた分光法は、先端増強近接場分光として世界的に認識されつつある。
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伊藤 民武
セッションID: 3Bp03
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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細胞表面の多様な分子を単分子分析するには,高感度かつ分子識別能が高い手法が要求される。 ラマン散乱分光では分子構造を反映したスペクトルが得られるため高い分子識別能を有する。しかし,感 度が低いという問題がある。表面増強ラマン散乱(SERS)では,金や銀のナ ノ粒子に吸着した単分子のラマン散乱が計測できるためこの感度の問題を解決できる。本研究では,SERS機構解明と細胞 表面分析への応用を述べる。
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田中 拓男
セッションID: 3Bp04
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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赤外吸収メタマテリアルの有機分子検出技術への応用成果を報告する.試作した光吸収メタマテリアルは特定の波長の赤外光を強く吸収する.このメタマテリアルの表面に同じ波長域に吸収線を持つ有機分子が付着すると,メタマテリアルの光吸収状態が崩れ,分子の吸収スペクトルを反映した反射光が生じる.この手法では,背景光は光吸収メタマテリアルによって抑制されているのでS/Nが高く,アトモルレベルの検出感度を実現できた.
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木本 浩司, 山下 俊介, 越谷 翔悟, 石塚 和夫
セッションID: 3Bp05
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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近年透過電子顕微鏡は、球面収差補正装置などの実用化により、空間分解能の向上やプローブ電流の増大など、大幅に進歩している。観察試料に応じて加速電圧を最適化することにより、試料損傷などを抑えることもできるようになり、これまで分析感度を制限していた様々な因子が解決されてきている。本発表ではグラフェンなどを走査透過電子顕微鏡で定量的に計測し、原子層数を定量的に解析した結果などを述べる。
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奥西 栄治, 橋口 裕樹, 大西 市朗
セッションID: 3Bp06
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
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透過型電子顕微鏡に対して球面収差補正技術が確立されて以降、その性能は大きく向上した。特に走査透過電子顕微鏡(STEM)法を用いた、原子配列の直接観察や原子分解能を維持した元素分析が標準的な技術となり、原子そのものを観察しながらそれがどのような元素であるかを把握するまでに至っている。本講演では、最新の球面収差補正電子顕微鏡を用いた観察、分析例をもとに、収差補正電子顕微鏡の特徴や可能性を述べる。
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桜井 健次
セッションID: 3Ca01
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
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薄膜・多層膜の各層・各界面の不均一さ、場所的な違いを可視化することを目的とするX線・中性子イメージング技術の最近の進展について報告する。
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武藤 正雄, 津野 勝重, 米澤 健, 寺井 慶和, 西山 洋
セッションID: 3Ca02
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
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イオンと同じ荷電粒子でありながら光電子で飛行時間型測定が実現しなかったのは、光電子がイオンに比べ質量が微量なため、外乱に妨げられるためとされていた。我々は磁気ボトル方式を採用することにより光電子を効率よく収集して検出器に導くことに成功し、パルスレーザーを励起源としてオシロスコープに飛行時間を表出することにより、仕事関数測定を可能にした。
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宇治原 徹, 市橋 史朗, 董 キン宇, 井上 明人, 川口 昂彦, 桑原 真人, 伊藤 孝寛, 原田 俊太, 田川 美穂
セッションID: 3Ca03
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
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我々は負の電子親和力(NEA)状態を半導体表面に形成することで、伝導帯を伝導する電子を直接真空に取り出し分光する手法を開発した。本手法では、通常の光電子分光では評価が困難な伝導帯のバンド分散を明らかにすることができる。本講演では、この手法より高効率太陽電池の構造として期待されるナノ超格子構造によるミニバンドの評価を行った。また、これはまさに可視光照射時の半導体内の電子のオペランド評価と言える。
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神尾 浩史, 髙橋 一浩
セッションID: 3Ca04
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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チタンやチタン合金は、表面に不動態皮膜と呼ばれる酸化物を形成し、金属を保護することで高い耐食性を示す。そのため、表面に形成する酸化チタンの性質と耐食性の間には密接な関係があると考えられる。HAXPESよる酸化チタンの評価では、ルチル型TiO2とTiO2・H2Oでは、異なる結果を示す。これらの酸化チタンは、結合状態や電子状態に違いがあり、酸化物の安定性や耐食性に違いを生じると考えられる。
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大美賀 圭一, 舘野 泰範, 河内 剛志, 駒谷 務, 永村 直佳, 今野 隼, 小嗣 真人, 堀場 弘司, 尾嶋 正治, 末光 眞希, 吹 ...
セッションID: 3Ca05S
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
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GaN-HEMTの高性能化の課題の一つとして「高電圧ストレスにより電流が減少する」という電流コラプス現象が挙げられる。この現象には表面準位が深く関連していると推論されている。
本発表では、実動作下にあるデバイスの表面を高分解能かつ元素選択的に観察することができるオペランド顕微分光測定を用いて、GaN-HEMTの表面の状態を明らかにすることを目的とした研究結果を報告する。
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松下 祐福, 関口 博史, 一柳 光平, 池崎 圭吾, 後藤 佑児, 佐々木 裕次
セッションID: 3Ca06
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
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We developed a novel method to observe the solution structure of supersaturated solution in nano-scale level by monitoring dissolved gold nanocrystals dynamics also known as Diffracted X-ray Tracking (DXT). From this study, we succeeded in observing rotational dynamics of a dispersed single gold nanocrystal in sodium acetate supersaturated solution (6.4 M). At the presentation time, we would like to introduce a DXT setup in detail, and statistical processing of the rotational dynamics of dispersed gold nanocrystals.
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渡邊 美音, 丸山 伸伍, 松本 祐司
セッションID: 3Ca07S
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
会議録・要旨集
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我々は近年,独自の真空蒸着法により,ナノレベルでのイオン液体の液滴及び液膜の作製に取り組んでいる.これらは,バルクのイオン液体とは異なる構造やイオン伝導性などの特異な物性を示す一方で,真空蒸着過程における薄膜・結晶成長の溶媒としてなど,様々な真空材料プロセスへの応用が期待されている.本研究では昇温脱離質量分析計を用いることで,ナノイオン液体の熱安定性と脱離過程についての評価を試みた.
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吉井 彩, 松本 祐司, 丸山 伸伍
セッションID: 3Ca08S
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
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融点が室温以上のイオン液体を真空下で赤外レーザーを用いて固体基板上に蒸着し,蒸着膜の構造を評価した.NMR構造解析結果から,今回用いたイオン液体は真空蒸着しても分解しないことが明らかになった.また,蒸着膜のAFM観察において,粒子状の島が多く観察され,これらは固体状態で蒸着していると推測された.そして,粉末XRD解析結果からは,結晶化していることが示唆された.
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鈴木 誠也, 吉村 雅満
セッションID: 3Ca09R
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
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銀は高い表面増強ラマン散乱(SERS)強度をもつが、化学的安定性に課題がある。本研究は、大面積単結晶グラフェンを用いてグラフェン/銀構造を作製し、酸性溶液中でのSERSやSERS強度の評価を行った。
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宇佐美 雄生, 大塚 洋一, 内藤 泰久, 松本 卓也
セッションID: 3Cp01S
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
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我々は、情報処理が可能なネットワーク型分子デバイスの創製を目指している。我々はこれまでに、自己ドープ型ポリアニリンが約300 nmのコヒーレンス長を持ち、分子デバイスの配線材料として有望であることを見出した。本研究では、多数の金ナノアイランドが電極間に存在する分散型ナノギャップ電極にポリアニリンを架橋させたマルチチャネル型分子デバイスを作製し、電気特性の評価を行ったので報告する。
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川田 大輔, 山川 海航, 林田 将充, 山本 将貴, 大貝 猛
セッションID: 3Cp02S
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
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ZnTe系化合物半導体は、環境汚染物質を含まず、広いバンドギャップを有する直接遷移型半導体であり、高輝度緑色発光素子等の光電変換材料への応用が期待されている。本研究では低コストで作製可能な水溶液電析法によって微結晶ZnTe膜を作製した後、熱処理によりZnTeの結晶粒を成長させた。得られた結晶化ZnTe膜のバンドギャップを測定した結果2.26 eVとなり、単結晶ZnTeの物性値に迫る特性を実現した。
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後藤 晃宏, 竹下 翔, 林田 将充, 山本 将貴, 大貝 猛
セッションID: 3Cp03S
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
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強磁性層と非磁性層を数ナノメートル間隔で交互に積層出来れば、巨大磁気抵抗(GMR)効果が発現するが、このヘテロ結合界面での原子の相互拡散を抑制出来れば、GMR特性を向上出来る。本研究では電位制御パルス電解法により、(200)に配向させた強磁性Co層と(111) に配向させた非磁性Cu層とを交互積層させたCo/Cu多層ナノワイヤー配列素子の作製に成功し、15%を超えるGMR特性を得た。
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長尾 健太, 神田 隆広, 林田 将充, 山本 将貴, 大貝 猛
セッションID: 3Cp04S
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
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強磁性金属に電場と磁場を印加すると、電場と磁場とのなす角度に依存して電気抵抗値が変化する異方性磁気抵抗(AMR)効果が発現する。本研究では、電場方向の試料アスペクト比を大きくして、電流の直進性を向上させるため、電析法によりNiナノワイヤーを作製した。過電圧を制御した結果、結晶配向性も任意に制御出来た。ナノワイヤーの長軸方向に{220}を優先配向させると、3%に迫る大きなAMR効果が得られた。
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石塚 慧介, 村上 拓, 橋本 遼太, 大島 義文, 富取 正彦, 新井 豊子
セッションID: 3Cp05
発行日: 2016年
公開日: 2016/11/29
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金属ナノ接点は、コンダクタンスの量子化をはじめ、バルクとは異なる性質を示す。本研究では、その力学特性と構造の関係に着目した測定を行う。測定のため に水晶振動子を力センサーとした周波数変調原子間力顕微鏡を組み込んだ透過型電子顕微鏡ホルダーを開発した。ホルダー上の水晶振動子端と対向板に架橋した 金線中央部にナノ接点を形成し、その力学特性と構造について同時測定を行うことで両者の関係を調べる。
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