我々は、西はりま天文台3波長同時観測近赤外カメラ(NIC)の偏光観測モードを再開発した。方解石の偏光分離素子を採用し、方解石の熱膨張率異方性に配慮した素子ホルダーを製作した。2018年2月に新しい偏光分離素子を取り付け、試験観測を開始した。無偏光標準星の観測により、望遠鏡を含む観測システムに起因する器械偏光度は 0.01±0.37% (J), 0.02±0.82% (H), 0.04±0.39%(Ks) と求められた。また、結像位置、装置ローテータ回転角、望遠鏡指向高度のいずれに対しても、器械偏光の依存性は見られなかった。少なくともJおよびKsバンドについては、NIC は1%の偏光度を検出する潜在能力を持つことが分かった。
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