Stars and Galaxies
Online ISSN : 2434-270X
1 巻
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • Yuki Moritani, Takuma Suda, Toshikazu Shigeyama, Takayuki Saitoh
    2018 年 1 巻 p. 1-7
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/25
    ジャーナル オープンアクセス
    We report on the current status of the radial velocity monitoring of nearby OB stars to look for binaries with small mass ratios. The combined data of radial velocities using the domestic 1-2 m-class telescopes seems to confirm the variations of radial velocities in a few weeks for four out of ten target single-lined spectroscopic binaries. More data are needed to estimate the exact periods and mass distributions.
  • 矢口 聖, 伊藤 洋一
    2018 年 1 巻 p. 8-16
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/25
    ジャーナル オープンアクセス
    口径2m の「 なゆた望遠鏡」 と狭帯域撮像分光装置 LISSを用いて、ホッ トジュ ピタ ーであるHAT-P-16bとHAT-P-39bのトランジット現象を可視光で分光観測した。HAT-P-16bのトランジット継続時間は184分で、トランジットを含む299分間で観測を実施した。HAT-P-39bのトランジッ ト継続時間は251分で、トランジッ トを含む390分間で観測した。超低分散グリズムと10"幅ロングスリットを使用し、得られたスペク トルの波長分解能は約12 である。150秒角または196秒角離れた天体を 参照星として同時に分光した。その結果、620nm - 885nm において両惑星のトラ ンジッ トを検出することができた。 HAT-P-16bのトランジッ トの深さは0.0120±0.0006、惑星と恒星の半径比は0.1097±0.0029と求まった。 HAT-P-39bのトランジットの深さは0.0093±0.0007、惑星と恒星の半径比は0.0966+0.0034- 0.0036と求まった。 どちらの惑星も 620nm - 885nm においてトランジットの深さが異なるという明確な証拠得られなかった。
  • 高橋 隼, 禅野 孝広, 斎藤 智樹, 伊藤 洋一
    2018 年 1 巻 p. 17-27
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/25
    ジャーナル オープンアクセス
    我々は、西はりま天文台3波長同時観測近赤外カメラ(NIC)の偏光観測モードを再開発した。方解石の偏光分離素子を採用し、方解石の熱膨張率異方性に配慮した素子ホルダーを製作した。2018年2月に新しい偏光分離素子を取り付け、試験観測を開始した。無偏光標準星の観測により、望遠鏡を含む観測システムに起因する器械偏光度は 0.01±0.37% (J), 0.02±0.82% (H), 0.04±0.39%(Ks) と求められた。また、結像位置、装置ローテータ回転角、望遠鏡指向高度のいずれに対しても、器械偏光の依存性は見られなかった。少なくともJおよびKsバンドについては、NIC は1%の偏光度を検出する潜在能力を持つことが分かった。
  • 高山 正輝, 伊藤 洋一, 森鼻 久美子, 高木 悠平
    2018 年 1 巻 p. 28-38
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/25
    ジャーナル オープンアクセス
    西はりま天文台では教育普及活動の一つとして、高校生・大学生を対象にした天文実習を行ってきた。この実習内容について 2015 年 7 月より、利用者からの満足度の調査と質の向上を目指してアンケート調査を実施してきた。本稿では 2015 年 7 月から 2018 年 10 月までのアンケートを集計し、どの程度利用者が満足しているか調査した。アンケートは延べ 140 の学校、団体に対して実施し、89 件の回答を得た。回収率は 64% であった。その結果、大多数の利用者が実習内容に満足と回答していることが明らかになった。また「昼間の星と太陽の観察会」「天文講義」「夜間の観測実習」と実習全体に対する満足度が近年増加傾向にあることがわかった。一方「なゆた観測見学」は満足度が下降傾向にあり、改善の余地があることがわかった。また各実習メニューの難易度についての調査も行った。その結果「適切」を選択している回答は総回答数の 86% に上ることがわかった。満足度の傾向と難易度についての回答から、西はりま天文台での天文実習は概ね利用者の期待通りであると言える結論が得られた。
  • 加藤 則行, 伊藤 洋一, 佐藤 文衛
    2018 年 1 巻 p. 39-50
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/25
    ジャーナル オープンアクセス
    前主系列星では主系列星よりも連星をなす恒星が多い、といくつかの観測から示唆されている。一方、主系列星では公転周期が数日と極端に短いホットジュピターと呼ばれるガス惑星がいくつも発見されている(e.g., Mayor & Queloz 1995)。現在の主系列星の多くはかつて連星をなしていたこと、前主系列星と主系列星の連星頻度の差とホットジュピターの存在度は相関することが考えられる。我々は、連星形成と惑星形成には関連性があると考える。Toyota et al. (2009) により、連星をなす恒星 ADS 3085 A と ADS 3085 B は視線速度の標準偏差が十分大きいと分かった。この主星と伴星は、それぞれ未知の伴天体が付随するかもしれない。我々は、2007 年 12 月から2009 年 12 月まで、ADS 3085 A と B の視線速度をフォローアップした。視線速度の周期解析から、ADS 3085 A と B それぞれの視線速度は、7.7 日周期と 5.2 日周期で変動する可能性がある。ADS 3085 A と B ともに、彩層活動が活発であること、ヒッパルコスの測光データが変光を示すことから、恒星表面の Cool spot が自転とともに移動していると考えられる。ADS 3085 A では、視線速度と彩層活動が強く相関するので、視線速度変動の起源は恒星の活動にある。ADS 3085 B では、視線速度変動と彩層活動の相関を調べることはできなかったが、視線速度変動が恒星活動に起因する可能性は除去しない。
  • 岩橋 清美, 玉澤 春史
    2018 年 1 巻 p. 51-65
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/25
    ジャーナル オープンアクセス
    市民が研究に関与する「市民科学」は、科学への市民の積極的な参加の一形態である。市民が研究に積極的に参加するためには、動機づけや参加しやすい環境など様々な要因を想定し、研究を設計する段階でこれらの点を考慮に入れなければならない。近年のオープンデータに関する動きは自然科学だけでなく人文社会科学にも亘っており、専門家以外のデータ利活用促進を目指している。その意味では分野横断的なテーマのワークショップは、市民に研究参加の場を提供すると同時にオープンデータの利用を促進する有効な方策である。国文学研究資料館では、一般市民に歴史史料の中に記述された天変地異に関する用語を探してもらうワークショップを 2016 年から 3回にわたって行った。事後のアンケート調査から、地域の史料への関心や歴史と天文学という組み合わせの意外性などが参加動機に繋がっていることが窺え、異分野連携研究が自然科学にそれほど興味のない層を取り込むために一定の効果があることが明らかになった。その一方で、今後、市民参加による研究データの基盤整備を進めるためには、データの精度と確度の高い情報を抽出することができるよう指導していくことが必要で、参加者の年齢層や能力を勘案してシステム設計をする必要がある。
  • 戸塚 都
    2018 年 1 巻 p. 66-72
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/25
    ジャーナル オープンアクセス
    西はりま天文台 2m なゆた望遠鏡搭載の可視光中低分散分光器 ( Medium And Low-dispersion Long-slit Spectrograph; MALLS ) および、3 波長同時観測近赤外カメラ ( Nishi-harima Infrared Camera; NIC ) について、Exposure Time Calculator(ETC) を作成した。現段階の ETC では、V 等級と積分時間から想定される S/N 値、V 等級と S/N 値から要求される積分時間が計算される。MALLS では積分時間に加え、フラットやコンパリソン、天体同定の観測に必要な全行程を含む観測時間も算出できるようにした。NIC では読み出しモードの違いによる S/N 値、積分時間が算出できるようにした。
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