聖マリアンナ医科大学雑誌
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原著
  • 升森 泰, 佐藤 未祐奈, 奥田 紘隆, 野村 浩清, 舘田 武志, 井上 莊一郎
    2021 年 49 巻 2 号 p. 33-40
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/23
    ジャーナル フリー

    分離肺換気 (OLV) におけるデスフルランの安全性を示す目的で低酸素血症の有無と気道内圧上昇の有無を観察した。加えて術後嘔気嘔吐 (PONV) の発生数と術後呼吸器合併症の発生数を前向きに検討した。
    【対象】ASA I,IIの胸腔鏡下肺腫瘍手術25例(男 15女 10)を対象とした。
    【方法】二腔気管チューブを挿管し,体位変換後,純酸素投与下で1回換気量(片肺換気時6 ml/kg)を設定した。OLV開始後 0,15,30,60,90分後のPaO2と最高気道内圧を計測した。
    【結果】PaO2が60 mmHg以下,気道内圧が25 cmH2Oより高いものも認めなかった。PONVの発生は男2例,女性4例,女性で有意(P<0.05)に高かった。術後呼吸器合併症は1例であった。

  • 服部 伸洋, 渡邊 綱正, 松永 光太郎, 鈴木 達也, 得平 卓也, 池田 裕喜, 高橋 秀明, 松本 伸行, 安田 宏, 伊東 文生
    2021 年 49 巻 2 号 p. 41-47
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/23
    ジャーナル フリー

    目的:肝疾患診療に不可欠なChild-Pugh分類の規定因子のひとつであるプロトロンビン時間(PT)活性値は,未だ標準化されておらず,肝予備能評価に混乱を招いている。本邦で使用されているPT測定試薬を用いて,Child-Pugh分類の結果を検証した。
    方法:2014年から2016年までに同意を得た肝疾患患者147例を対象に,7種の測定試薬でPT活性値 (%) を測定し,各測定試薬結果に基づく肝予備能の比較を行った。
    結果:検証した7種類のPT測定試薬で,本邦の検査施設の72.9%を網羅した。7種類の測定試薬による同一検体のPT活性値の平均では,76.6 ± 19.2(%) から89.2 ± 20.2(%) まで,最大で12.6%の乖離を認め,二元配置の分散分析を用いた統計学的解析で各測定試薬間の結果に有意差を認めた(p<0.001)。また,147例のChild-Pugh分類において,PT活性値を測定した試薬によってChild-Pugh class Aが88例から96例まで,最大8例の乖離を認めた。
    結論:本邦の多くの施設が使用しているPT測定試薬であっても,同一検体の測定結果に差を生じ,Child-Pugh分類の結果が異なる可能性があることを認識する必要がある。

症例報告
  • 玉城 ゆり子, 中山 知沙香, 奥田 紘隆, 大井 智, 高木 摩衣, 野村 浩清, 杉山 泰朗, 杉 毬那, 山浦 綾子, 佐藤 未祐奈, ...
    2021 年 49 巻 2 号 p. 49-54
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/23
    ジャーナル フリー

    症例は妊娠39週0日,36歳の女性。子宮筋腫合併のため,帝王切開術が予定された。既往歴はなく,術前検査に異常はなかった。麻酔は脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔で行い,異常なく手術は終了した。術後3日目,立位時に増強する頭痛が出現したため,硬膜穿刺後頭痛と診断し,鎮痛薬を処方し,1日2 L程度の飲水を促した。しかし,改善しないため,硬膜外自家血注入を提案したが,本人が拒否したため実施しなかった。頭痛は継続していたが改善傾向で,歩行可能であったため,術後8日目に退院した。術後10日目,患者は自宅で嘔吐,失禁し,瞳孔不同のため,当院に救急搬送された。来院時,意識レベルの低下があり,頭部造影CT検査で右から左への正中偏位を伴う硬膜下血腫が認められ,同日に緊急開頭血腫除去術が施行された。血腫除去術後,意識レベルは改善したものの,頭痛は残存し,血腫増大の懸念があったため,血腫除去2日後に硬膜外自家血注入を実施した。以後,頭痛は改善し,血腫量も減少したため,患者は血腫除去13日後に後遺症なく退院した。脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔施行後の頭蓋内硬膜下血腫の発症は稀ではあるが,報告されている。早期診断が予後を左右する合併症であるため,脊髄くも膜下麻酔後の頭痛では,その性状に注意し,変化が生じた場合には,頭蓋内硬膜下血腫の可能性を考慮し,早急に精査を行う必要がある。

  • 野田 顕義, 古畑 智久, 西村 正成, 小野 龍宜, 佐々木 貴浩, 小泉 宏隆, 大坪 毅人
    2021 年 49 巻 2 号 p. 55-59
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/23
    ジャーナル フリー

    症例は60歳代の男性。元来アルコール多飲歴がある直腸癌術後の患者。外来経過観察中に黒色嘔吐,腹痛を主訴に救急外来を受診した。上部消化管内視鏡検査を施行したところ黒色食道を認め急性壊死性食道炎と診断した。治療は中心静脈栄養のもと絶食管理とし抗菌薬の投与およびProton Pomp Inhibitor (PPI) の投与を行った。第14病日から食事を開始し第18病日に軽快退院となった。しかしながら,6か月後に再度急性壊死性食道炎にて入院。初回治療と同様,中心静脈栄養,絶食管理,抗菌薬投与,PPI投与にて改善した。2回目退院後からは禁酒を徹底しており再発なく経過している。

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