Odontogenic keratocystは, 1956年, Philipsenによって, odontogenic cystのうちで特に上皮の角化傾向の強いものに対して命名されたものである。すなわちこれはfollicular dental cyst, residual cyst (残留嚢胞), radicular cystの裏装上皮が顕著な角質変性を起し, 嚢胞内に角化変性物が充満しているものである。本邦においてこのodontogenic cystの報告はいまだないが, 今回われわれは埋伏歯の周囲にあらわれた本症の1例を経験したので報告する。
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