視診上, 扁桃周囲膿瘍, 周囲炎が疑われた13例にMRIを施行した.その結果, MRIでは, T2強調画像 (T2WI) における軸位, 冠状断2方向のみの撮影にて膿瘍か否か, 膿瘍の位置, 大きさ, また周囲組織の状態を正確に診断できることが解った.膿瘍は, T2WIにおいて類円形ないし鎌型の扁桃に沿う均一な高信号域として認められた.一方, 周囲炎ではT2WIにおいて扁桃に沿う不規則な形の不均一な高信号域が認められた.
膿瘍か否かを100%診断できること, 被爆のないこと, 造影の必要のないことからMRIは, 扁桃周囲膿瘍と周囲炎の鑑別, 切開排膿のための効果的アプローチ決定のための優れた画像診断法であると考えられた.
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