口腔・咽頭科
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12 巻 , 3 号
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  • 吉田 義一, 矢武 克之, 福永 博之, 今村 ルイ, 平野 実, 中島 格
    2000 年 12 巻 3 号 p. 269-279
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    咽頭期嚥下に主役をなす咽喉頭筋支配運動ニューロンとその支配筋筋線維タイプに関しネコを用い形態学的観察を行なった.支配運動ニューロンの疑核内局在は咽頭筋, 頸部食道筋, 前筋のものが吻側半にその他の内喉頭筋のものは尾側半にあり, 体位局在と分節的支配がみられた.内喉頭筋のものは大型細胞が含まれたが, その他は大体小中型の細胞であった.各ニューロンの樹状突起の展開は上位中枢の指令を受けるべく関連介在ニューロンに向っていた.支配筋にはその機能に応じた筋線維タイプ分布があり, 輪状咽頭筋, 頸部食道筋, 前筋, 声帯筋はタイプIが多く, 咽頭収縮筋, その他の内喉頭筋はタイプIIが優位であった.
  • 池田 勝久
    2000 年 12 巻 3 号 p. 281-284
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    KTP/532レーザーはレーザー光をファイバーで導入することが可能なため操作性に優れている.またヘモグロビンに吸収される特性をもつため軟口蓋を初めとする咽頭, 口腔のような血液に富む組織に照射した際には優れた止血効果が期待される.また近年, 使用普及が期待されている半導体レーザーの耳鼻咽喉科領域でも優れた威力が期待されている.軟口蓋形成術におけるKTP/532と半導体レーザーの有用性について紹介する.
  • 西川 邦男
    2000 年 12 巻 3 号 p. 285-303
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    口腔咽頭癌による下顎を含めた広範囲切除後の再建は形態と機能の面からも重要である.すなわち, 下顎再建は硬性支持組織として咀嚼に耐えうる強度と残存機能を障害しない再建が必要である.肩甲骨皮弁は, 肩甲回旋動静脈の一対の血管柄で皮弁と骨弁を同時に挙上でき, 立体的自由度が高い皮弁である.それ故, 複雑な形態と機能が要求される下顎部硬性再建に適している.また, 肩甲下動静脈茎複合皮弁として3皮弁 (肩甲皮弁, 傍肩甲皮弁, 上行肩甲皮弁), 2骨弁 (外側縁骨, 下角骨), 2筋皮弁 (広背筋皮弁, 前鋸筋皮弁) が挙上でき, 多種多様の欠損修復に対応できる.
  • 竹市 夢二, 亀井 壮太郎, 小山 新一郎, 花井 信広, 多田 宏行, 村上 信五, 鈴木 賢二
    2000 年 12 巻 3 号 p. 305-312
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    下顎再建には硬性組織と軟部組織を必要することが多い.また放射線照射や抗癌剤動注, 二期再建などで移植床血管が得られないこともある.
    我々はこのような例に有茎肋骨付広背筋皮弁を用いている.肋骨は長く採取でき, 適度な湾曲もある.可塑性に富み骨切りが容易で下顎の形態を再現しやすい.筋体が広くとれるので骨弁を筋弁で被覆でき, 頸部の大血管の保護も同時に可能である.血管吻合不要で手術時間短縮となる.我々は最近2年間に10例行い, 9例が放射線照射例であった.合併症として3例に肺炎をみたが, これらは術後の除痛が不充分で体位変換や胸郭運動が充分になされていない傾向にあった.硬膜外チューブ等を利用し積極的に除痛する必要が認められた.
  • 竹市 夢二, 亀井 壮太郎, 小山 新一郎, 花井 信広, 多田 宏行, 村上 信五, 鈴木 賢二
    2000 年 12 巻 3 号 p. 313-319
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    舌再建には腹直筋皮弁が望ましいが骨弁を有さない.Taylorの腸骨皮弁は茎が短く皮弁への血流が安定しない.我々は深腸骨回旋動脈と血管吻合する腸腰動脈腸骨枝領域で腸骨皮弁を挙上し血管茎を長くした.今回我々は深腸骨回旋動脈上行枝が, 内腹斜筋の内側に分布, 臍周辺から放射状に分布する下腹壁動脈の枝との吻合を利用, 内腹斜筋茎腸骨―腹直筋連合皮弁を開発した.
    本皮弁は皮島を臍と腸骨の間に置けば腸骨採取するだけで簡便に挙上でき, 内腹斜筋は薄く皮島と骨弁の位置の自由度も大きい.腹直筋皮弁は薄くも厚くも挙上でき, 腸骨は厚く適度に弯曲し充分な長さが採取できる.皮弁挙上には体位変換不要で原発部位と2チーム手術可能である.我々はさらに側頭筋移行を行い再建舌を引き上げ動的補助再建を行っている.
  • 藤井 博文
    2000 年 12 巻 3 号 p. 321-328
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    頭頸部癌における治療法として外科療法と放射線療法は, 治癒を目指した手段として有効な方法として重要な役割を演じているが, その治療成績の向上には限界が見えてきている.機能温存・形態温存が重要視される頭頸部癌の治療においては化学療法も加えた集学的治療の開発が行われ, 治療成績の向上が目指されてきている.最近の新規薬剤においては, プラチナ誘導体, フッ化ピリミジン, 微少管に作用するタキサン類, 更には遺伝子治療, 抗体療法といったものが登場し, その有効性が報告されてきている.我が国においても頭頸部癌の治療成績向上のためには, 頭頸部腫瘍内科学の発展を含めたさらなる集学的治療の確立が今後必要であろう.
  • 坪田 大, 浜本 誠, 石川 忠孝, 小澤 貴行, 百島 尚樹, 形浦 昭克, 氷見 徹夫
    2000 年 12 巻 3 号 p. 329-335
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    掌蹠膿庖症は扁桃病巣感染症の代表的2次疾患として知られている.しかし今までの多くの論文で, 経過観察は扁摘後数年以内に限られていた.今回我々は, 当教室において扁摘後3ヵ月以上の経過観察を行った318例について, 扁摘のPPPに対する臨床効果を評価するとともに, 扁摘後10年以上を経過した33例を取り上げ, 長期経過例として検討を行った.318例中の46%で病変が “消失”, 29%で “著明改善” と評価された.一方, 長期経過例では, “消失” の率は60%にまで上昇し, 症状の再発を訴えたものは3例のみであった.このことは, 扁摘がPPPに対する, 非常に有効で信頼性の高い治療法であることを示しているといえよう.
  • 吉野 邦俊, 佐藤 武男, 藤井 隆
    2000 年 12 巻 3 号 p. 337-347
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    口腔, 中下咽頭の一次癌1136例 (1979-97) 中, 多重癌は253例 (22.3%) であり, indexcancer別には中咽頭36%, 下咽頭26%, 口腔20%であった.第2癌の80%は頭頸部 (喉頭, 口腔, 中咽頭, 下咽頭), 食道, 胃, 肺にみられ, 0/E比も高値であった.頭頸部の多重癌は同時性が多く, 90%は自覚症状出現前に早期に発見されていたが, 頭頸部以外は45%に過ぎなかった.5年粗生存率は全体で40.2%で, 第2癌が予後を規定する傾向がみられた.
    以上より, 初回診断時の上部消化管, 気道検索の重要性と, 異時癌 (とくに頭頸部以外) の早期発見のためにフォローアップシステムの確立の必要性が示唆された.
  • 斉川 雅久, 海老原 敏
    2000 年 12 巻 3 号 p. 349-360
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    口腔癌984例, 中咽頭癌214例, および下咽頭・頸部食道癌408例を対象とし, 重複癌に関する調査を行った.その結果,(1) 第1癌診断後5年間に5.2%, 10年間に10.5%の頭頸部重複癌発生を認めた.(2) 頭頸部, 食道, 胃, および肺に発生する重複癌が全重複癌の約80%を占め, 重複癌の好発部位と考えられた.(3) 頭頸部重複癌発生に関与する因子として, 第1癌の原発部位, 飲酒量, 白斑の有無, 初回治療年度, Stage分類があげられた.重複癌の好発部位や発生に関与する因子を考慮しつつ重複癌の早期発見に努めること, 可及的にすべての癌病変の根治をめざすこと, 禁酒・禁煙が, 現時点で可能な重複癌対策であると考えられた.
  • 山本 典生, 北村 薄之, 高北 晋一, 岩橋 由佳, 河田 恭孝, 宮崎 眞和, 古家野 智子
    2000 年 12 巻 3 号 p. 361-367
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    当科において初期治療を行った耳下腺癌症例29例について検討した.男性18例, 女性11例, 年齢は15歳から74歳 (平均48.2歳) であった.1997年UICC臨床病期分類に基づく病期はI期, II期, III期, IV期がそれぞれ17例, 3例, 2例, 7例, 1991年WHO分類に基づく組織型は粘表皮癌12例 (高悪性度4例, 低悪性度8例), 腺房細胞癌8例, 腺様嚢胞癌4例, 多形腺腫内癌4例, 唾液腺導管癌, 扁平上皮癌が各1例であった.耳下腺全摘出術と高悪性度癌への術後照射を行い, 5年生存率は78.5%であった.穿刺吸引細胞診と凍結標本の併用の重要性, 術前顔面神経麻痺の予後への影響が示唆された.
  • 生井 明浩, 池田 稔, 土肥 二三生, 吉川 琢磨, 木田 亮紀
    2000 年 12 巻 3 号 p. 369-372
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    味覚障害の原因には, 従来より亜鉛が重要と考えられているが, 亜鉛の内服では味覚障害の改善の認められない症例がある.亜鉛と同様生体内の必須微量元素であるビタミンB群に着目し, 味覚障害患者の血中ビタミンB1とB2の測定を行った.対象は, 味覚障害患者のうちの血清亜鉛値正常者43例 (30歳―77歳, 平均59.7歳.男性17名, 女性26名) であった.43例全例血中ビタミンB1値は正常であった.43例中17例 (39.5%) に血中総ビタミンB2値の低下を認めた.低下症例の平均は44.4±3.8ng/ml, 全症例の平均53.8±12.4ng/mlであった (正常値50―84ng/ml).
    総ビタミンB2値の低下を認めた17例中10例に活性型ビタミンB2 (FAD) の経口投与を行った.10例中6例 (60%) に味覚の改善を認めた.味覚障害にビタミンB2欠乏も関与している可能性が推察された.
  • 河合 敏, 佃 守, 持松 いづみ, 榎本 浩幸, 陰里 ゆうみ, 廣瀬 肇
    2000 年 12 巻 3 号 p. 373-379
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    X線透視検査と嚥下圧検査によりALSにおける嚥下障害の検討を行った.X線透視検査で口腔期の定量的評価を試みた.
    対象は当院神経内科でALSと診断された10例である.HillelらのALS重症度スケールにおける嚥下スコアは10点から5点で, 全症例経口摂取が可能であった.
    ALSにおける初期の嚥下障害の主体は, これまでの報告の通り口腔期にあると思われた.口腔期の障害は舌前方の食塊の送り込み機能の低下から始まる症例と, 舌後方の食塊の保持機能の低下から始まる症例があると推測された.そして特に食塊の保持能がALSの初期の嚥下障害の重症度に大きく関与しているものと思われた.
  • 早川 宗規, 西村 忠郎, 森島 夏樹, 柴田 修宏, 秋田 泰孝, 川勝 健司, 服部 親矢, 八木沢 幹夫
    2000 年 12 巻 3 号 p. 381-387
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    睡眠呼吸障害 (SDB) にて手術加療を施行し, その前後に脳波を記録し得た19例と, ESSscoreにて日中傾眠の評価を行った10例について, 術前の各睡眠段階とESS scoreおよびAHIの相関関係, また, 術前後のAHIと術前後の睡眠段階の変化を比較検討した.
    さらに, 術前後ESS scoreについて, 術後ESS scoreの改善群と非改善群の睡眠段階について比較検討を行った.
    術前のAHIの重症度およびESS scoreと睡眠段階は比例する傾向は認めなかった.
    術前後のAHIの改善率と睡眠段階の変化は必ずしも一致しなかった.
    ESS scoreの改善率が高いものほど睡眠の質が改善する傾向が認められた.
  • 伊藤 昭彦, 高橋 廣臣, 八尾 和雄, 中山 明仁, 馬越 智浩, 永井 浩巳, 岡本 牧人
    2000 年 12 巻 3 号 p. 389-393
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    26歳男性の舌癌 (T3N0M0) 症例を経験した.進行した舌癌に対し拡大切除が必要であるが, 舌切除後の機能は切除範囲が大きいほど術後の嚥下, 構音機能に障害を残しやすい.喉頭保存のためには喉頭挙上, 輪状咽頭筋切断術が必須とされる.当大学では舌根を含めた舌全摘例に対して術後の誤嚥の予防のため, 原則として喉頭摘出術を行っていた.しかし, 本症例は, 26歳と若く, 術後の嚥下, 構音機能のリハビリも期待できるため喉頭の温存を試みた.再建時には喉頭挙上術を行い, 皮弁もできるだけボリュームを持たせるように作成した.術後, 嚥下・構語機能は比較的良好であった.
  • 稲木 勝英, 高橋 廣臣
    2000 年 12 巻 3 号 p. 395-401
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    日常臨床で遭遇する口腔および咽頭の潰瘍性病変のうち原因不明で治療抵抗性の疾患をいわゆる難治性潰瘍として扱っているが, この疾患の定義もなく, さらに疾患概念も定まっていない.そこで, 難治性口腔・咽頭潰瘍症例を, 口腔・咽頭に生じた不定形の潰瘍性病変で, 他に皮膚症状・眼症状等の所見を合併することはなく, 種々の検査をしても明らかな原因が見出せず, さらに適切な治療をしなければ一ヶ月以上治癒しない症例とした.難治性口腔・咽頭潰瘍症例20例の上皮におけるサイトケラチン発現様式について, 抗ヒトサイトケラチン抗体7, 10, 17, 19を用いて免疫組織学的に検討した.潰瘍部上皮での基底細胞のサイトケラチン19の消失, 上皮全層にわたるサイトケラチン17の発現ならびに上皮表層でのサイトケラチン7の発現を認めた.サイトケラチンの発現は遺伝子レベルで制御されていること, さらには難治性潰瘍の臨床像より難治性潰瘍の病態に遺伝的要因が強く関与している可能性を示唆した.
  • 横山 真紀, 橋口 一弘, 新関 寛徳, 山崎 嘉司
    2000 年 12 巻 3 号 p. 403-409
    発行日: 2000/06/01
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    掌蹠膿疱症 (PPP) は組織学的には好中球浸潤を主体とする無菌性膿疱を呈する疾患である.TNF-αが好中球遊走因子の一つであり, TNF産生量にはTNF遺伝子多型が影響を及ぼすことが報告されていることから, PPPの発症にTNF遺伝子多型の関与が推測される.そこで今回我々はPCR-RFLP法により, PPPとTNFA遺伝子多型, TNFB遺伝子多型および相関が報告されているHLA-DR9との関連を検討した.
    TNFA遺伝子のプロモーター領域における-308位多型についてはPPP群とコントロール群との間で有意差はみられなかった.TNFB遺伝子のNcoI多型の検討ではPPP群でTNFB allele2が有意に高く (P=0.044), かつDR9陽性患者では, 陰性患者よりTNFB2/2genotypeの頻度が有意に高かった (P=0.0030).以上の結果より, PPP発症とTNFB遺伝子多型との関連が示唆された.
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