【目的】精度の高い閉塞型睡眠時無呼吸症候群 (OSAS) 一次スクリーニングの手法作成を目的とし, OSAS疑いにて受診した患者の自覚症状や身体情報と睡眠検査の結果を比較検討した.
【方法】成人患者234名について, 自覚症状の細項目を3カテゴリー (I「習慣性いびきあり」または「睡眠中の呼吸停止あり」と判定されたもの, II「日中の眠気がある」と回答, または「ESS11点以上」であったもの, IIIその他の症状の5項目うち2項目以上陽性であったもの) に分類し, OSASのスクリーニングに適した条件ついて検討した. さらに自覚症状以外のカテゴリーとしてIV「BMI≧25または高血圧を有するもの」を条件に加えた場合の精度の変化について検討を行った.
【結果】自覚症状のみでスクリーニングを行う場合には, 「I, II, IIIの3カテゴリーのうち2つ以上満たす」という条件の精度が高かった. 自覚症状に肥満, 高血圧の項目を加えることによって, スクリーニング精度が高くなる傾向があった. スクリーニングの精度としては, 「I, II, IVのうち2つ以上満たす」条件が最も良好であった.
【結論】OSASの一次スクリーニングにおいては, 自覚症状だけでなく, 健診で得られる他の身体情報についても項目に加える必要があると考えられた.
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