口腔・咽頭科
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29 巻 , 2 号
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第27回日本口腔・咽頭科学会 イブニングセミナー OSASに対するコブレーター手術:最新のテクニックと新たな展開
総 説
臨床ミニセミナー 診断と治療のコツ:耳下腺腫瘍手術:顔面神経の同定と保護
総 説
  • 東野 正明, 寺田 哲也, 河田 了
    2016 年 29 巻 2 号 p. 153-155
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     耳下腺良性腫瘍に対する手術では, 腫瘍の切除とともに顔面神経を温存することが最も重要である. 顔面神経の同定方法は, 本幹で同定する方法と末梢で同定する方法がある. 術前の局在診断が重要であり, 当科では浅葉腫瘍, 深葉腫瘍に加えて, 下極腫瘍の3つに分類している. 術前局在診断には通常の MRI に加えて, 頸部超音波エコーによる診断が非常に有用である. 顔面神経本幹の同定までのポイントとしては, ①適切な層で十分な視野展開をすること, ②ポインター軟骨, 乳様突起, 顎二腹筋後腹の露出をしっかり行い, 顔面神経本幹の位置をしっかり予測すること, ③茎乳突孔動脈をしっかり結紮切断することが重要と考えている.

教育パネル 専門医が知っておくべき扁桃病巣疾患の新展開
総 説
  • 土井 彰, 赤木 博文, 田村 耕三, 土山 芳徳, 西﨑 和則
    2016 年 29 巻 2 号 p. 157-162
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     移植腎に再発した IgA 腎症に対する扁摘・ステロイドパルス療法の有効性が, 近年注目され報告されてきており, 概ね良好な治療成績を示している. 移植腎に発症した IgA 腎症例のうち, 高知医療センター耳鼻咽喉科で扁摘・ステロイドパルス療法を施行し長期観察した6例を経験したが, 全例 IgA 腎症は抑制できていた. 移植腎に IgA 腎症が再発することは, 腎臓以外にも IgA 腎症の原因が存在することが示唆され. 扁摘・ステロイドパルス療法が IgA 腎症に対し有効な治療法であることを考えると, IgA 腎症発症の重要な要因として口蓋扁桃があると考える. 移植腎に再発した IgA 腎症に対し, なるべく早期に扁摘・ステロイドパルス療法を考慮すべきである.

原 著
  • 横山 侑輔, 新堀 香織, 馬場 洋徳, 橋本 茂久, 渡辺 順
    2016 年 29 巻 2 号 p. 163-167
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     右口蓋扁桃の著明な肥大により, 呼吸障害と哺乳障害を呈した乳幼児症例を経験した. 症例は生後4ヵ月の女児で, 生後1.5ヵ月頃から吸気性喘鳴, 陥没呼吸が出現し, 3ヵ月健診で体重増加不良, 右口蓋扁桃肥大を指摘された. 精査にて慢性的な呼吸障害と哺乳障害を認めた. さらに呼吸状態の悪化と体重減少を呈したため, 生後5ヵ月で気管切開術を, 13ヵ月で右口蓋扁桃摘出術を施行した. 外科的な治療にて呼吸障害と哺乳障害は改善し得た. 乳児期に片側の口蓋扁桃肥大により慢性的な呼吸障害と哺乳障害を生じることは稀である. 本症例の治療経過について検討し, 文献的考察を加えて報告する.

  • 坂下 智博, 対馬 那由多, 本間 明宏, 水町 貴諭, 福田 諭
    2016 年 29 巻 2 号 p. 169-174
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     当科では, 下咽頭癌に対して喉頭機能温存を期待してシスプラチン 40mg/m2 週一回投与の放射線化学療法 (CRT) を行っており, 遠隔転移ハイリスク症例には3剤併用 (タキソテール 75mg/m2 × day1, シスプラチン 75mg/m2 × day1, 5-FU 750mg/m2 × day1-5) の導入化学療法を先行している. CRT を行った下咽頭癌40例について検討したが, うち10例は導入化学療法を先行した. 全体の87.5%, 導入化学療法を行った10例のうち90%においてシスプラチン5コース以上の CRT を行うことができた. 全体および導入化学療法を行った10例の喉頭温存生存率は66% (5年), 58.3% (3年) であった. 本レジメンは下咽頭癌の喉頭温存治療として有用であり, 高い完遂率から導入化学療法と組み合わせて行う治療として妥当と考えられた.

  • 矢吹 健一郎, 磯野 泰大, 折舘 伸彦
    2016 年 29 巻 2 号 p. 175-178
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     扁桃摘出後の術後出血に対して血管クリップが有用であった一例を経験したので報告する. 症例は40代男性, 口蓋扁桃摘出術後8日目に術後出血を認めたため全身麻酔下の止血術を施行した. 右扁桃床の下極付近からの出血と思われたが結紮での止血処置が困難であったため周囲の咽頭粘膜を縫縮することで圧迫止血とした. その5日後に再度出血を認めた. 全身麻酔下で拡張式喉頭鏡および硬性内視鏡下で観察したところ前回と同部位からの動脈性出血を認め, 舌動脈分枝からの出血と診断した. 結紮による止血は困難であり血管クリップ留置による止血処置を行った. その後は出血なく経過し術後16日目 (初回手術から29日目) に退院となった.

  • 阪上 剛, 福田 多介彦, 岡本 英之, 北原 糺
    2016 年 29 巻 2 号 p. 179-182
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     口蓋扁桃摘出術の合併症の中で治療に難渋するものの一つとして術後出血が挙げられる. 今回我々は電気メスを用いて行った55例と超音波メスを用いて行った59例とについて, 術後出血を早期出血と晩期出血に分けその頻度を統計学的に比較した. 早期出血は超音波メスが有意に頻度が少なく, 晩期出血は頻度に有意差がなかった.

  • 三橋 泰仁, 末田 尚之, 竹下 盛重, 中川 尚志
    2016 年 29 巻 2 号 p. 183-188
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     唾液腺導管癌 (SDC) は, 高悪性度の唾液腺悪性腫瘍である. SDC における穿刺吸引細胞診 (FNA), 病理および免疫組織化学所見と予後との関係について検討した. 2006年10月から2015年8月までに当科で1次治療を行った SDC 7例を対象とした. FNA の結果は6例が class V (悪性正診率: 86%) であり, 組織型を SDC と診断できたのは1例のみであった. AR, HER-2, EGFR の陽性率はそれぞれ, 86%, 57%, 71%で, MIB-1 labeling index の平均値は32%であった. 再発転移を認めた症例に全てに共通していたことは脈管浸潤もしくは神経浸潤であった. また死亡した3例は全例再発・転移を認めた. SDC における FNA は悪性を判断するうえでは有用であり, 脈管もしくは神経浸潤が再発転移や予後予測の重要な因子である可能性がある.

  • 永井 世里, 竹本 直樹, 江崎 伸一, 濱島 有喜, 村上 信五
    2016 年 29 巻 2 号 p. 189-193
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     IgA 腎症では腎移植後の原病再発が平均6-8年までに約40%と高率に生じ移植腎の生着率を下げることが問題となっている. 腎移植後に再発した IgA 腎症に対しても扁摘ステロイドパルス療法の有効性が示唆されており, 当院では IgA 腎症で腎移植をうけた後の扁摘未施行患者に対しては予防扁摘を施行している. これまでに39例, 最長経過観察期間5年を経過したが, 全例で, 臨床的・病理学的に再発を認めていない. 術後出血・術後感染の頻度についても, 通常の扁摘と比較して有意差は認められなかった.

  • 山本 小百合, 大脇 成広, 清水 猛史
    2016 年 29 巻 2 号 p. 195-199
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     扁桃の転移性腫瘍は稀である. 今回我々は扁桃転移によって発見された肺小細胞癌例を経験したので報告する.
     症例は67歳男性, 咽頭違和感, 呼吸困難感を主訴に近医内科を受診, 右扁桃肥大を指摘され, 当科へ紹介された. 生検では小細胞癌を疑う所見を認めた. 頸胸部 CT で, 右頸部リンパ節腫脹と左肺の腫瘤があり, 経気管支生検により, 肺小細胞癌 cT2N0M1b cStage IV (右口蓋扁桃,右頸部リンパ節転移) と診断された. 呼吸器科で化学療法を施行したが, 扁桃・頸部, 胸部ともに腫瘍は残存した. 手術治療による局所制御が有用と考え, 右扁桃腫瘍切除術と右頸部郭清術を行った. 術後頭頸部領域は再発なく経過し, 現在肺病変に対し化学療法が施行され, 担癌生存中である.

  • 中島 正己, 原 睦子, 沼倉 茜, 加瀬 康弘
    2016 年 29 巻 2 号 p. 201-206
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     アメリカ睡眠学会により2014年に睡眠障害国際分類第3版が公表され, 閉塞性睡眠時無呼吸症 (Obstructive sleep apnea, OSA) の診断基準が変更された. 大きな変更点としては, 簡易モニターによる無呼吸低呼吸指数 (Apnea hypopnea index, AHI) でもポリソムノグラフィー (Polysomnograpy, PSG) と同等の基準で診断できること, AHI が5回/時以上かつ無症状であっても, 高血圧や, 糖尿病などの合併症が存在すれば OSA と診断されることの2点である. そこで, 以前に行われた PSG と簡易モニターの検査結果を retrospective に検討し, 診断結果の影響について考察した. 本邦では診断機器の選択について, 医療従事者の判断に委ねられている現状にあるため, 本邦の現状に即した診断機器選択のガイドラインを早急に作成する必要性がある.

  • 中村 雄, 後藤 隆史, 東野 哲也
    2016 年 29 巻 2 号 p. 207-212
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     ベーチェット病は口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍, 皮膚症状, 眼症状, 外陰部潰瘍を主症状とする原因不明の炎症性疾患である. 特殊病変として腸管ベーチェット, 血管ベーチェット, 神経ベーチェットがあり, 生命予後を決定する因子であるとされる.
     今回我々は, 咽喉頭潰瘍で発症した腸管ベーチェット病が疑われた2例を経験したので報告する. 2例とも咽喉頭に多発性アフタと潰瘍性病変を認め, 抗菌薬, 抗ウイルス薬に反応なく, 発熱, 咽頭痛持続した. 下部消化管内視鏡検査にて潰瘍病変認められ, ベーチェット病が疑われた. 難治性の咽喉頭潰瘍に対しては腹部症状がなくても上下部内視鏡検査を考慮すべきであると考えられた.

  • 坪松 ちえ子, 新谷 朋子, 氷見 徹夫
    2016 年 29 巻 2 号 p. 213-218
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     小児閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (Obstructive Sleep Apnea Syndrome 以下 OSAS) 診断のゴールデンスタンダードは PSG (Polysomnography) であるが, 小児に施行するのは容易ではない. 脳波記録睡眠簡易検査装置 Sleep Profiler を用いた統合型睡眠検査装置 Integrated PSG system は短時間で装着可能であり, ケーブルも少ないため小児に対する PSG として利点が大きいが, 装着不良の問題点が生じ得た. しかし従来の PSG を行うことが困難な施設における小児 OSAS 診断の検査手段として有用と思われた.

  • 高橋 秀行, 御任 一光, 近松 一朗
    2016 年 29 巻 2 号 p. 219-224
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     咽後膿瘍と川崎病はともに乳幼児に好発する急性熱性疾患であり, 両者の鑑別に苦慮した症例が報告されている. 今回我々は類似する症状・所見で発症した咽後膿瘍症例と川崎病症例を経験した. 咽後膿瘍症例は3歳男児. 造影 CT で一部 ring enhance される低吸収域を咽後部に認め, 抗生物質の投与と切開排膿術を行い軽快した. 川崎病症例は5歳男児. 造影 CT で咽後部に ring enhance されない低吸収域と腫脹を認めたが, その後の経過で不全型川崎病と診断され, γ グロブリンとアスピリンで治療を行い軽快した. 病初期における両者の鑑別には造影 CT が有用であると考えられた.

  • 御任 一光, 高橋 秀行, 近松 一朗, 二宮 洋
    2016 年 29 巻 2 号 p. 225-230
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     加齢性 Epstein-Barr ウイルス (EBV) 陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) は2003年に本邦より報告され, 2008年の悪性リンパ腫 WHO 分類で新たに分類された疾患である. 今回我々は咽頭潰瘍で発症し急速に進行した症例を経験した. 症例は57歳男性. 咽頭痛・膿性鼻汁を主訴に当科を受診し, 上咽頭粘膜の腫脹と潰瘍形成を認めた. 同部位の生検にて, CD20 陽性の大型の異型リンパ球の増殖を認め, in situ hybridization にて EBER 陽性であったことから加齢性 EBV 陽性 DLBCL の診断に至った. 化学療法を行ったが, 急速に咽頭壊死が進行し死亡した. 咽頭潰瘍で発症した EBV 陽性 DLBCL の報告は少ないが, 今後高齢化に伴い増加する可能性があるため, 耳鼻科医の間でも啓蒙の必要があると思われる.

  • 鈴木 貴博, 角田 梨紗子, 生島 寛享, 小倉 正樹
    2016 年 29 巻 2 号 p. 231-236
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     壊死性軟部組織感染症は, 皮膚・皮下組織・筋膜や筋肉などに壊死性病変が急速に拡大する重篤な感染症で, 救命には切開排膿ドレナージと抗菌薬の投与を必要とする. 今回提示する症例は57歳女性, 未治療の糖尿病を合併した頸部壊死性軟部組織感染症症例で, 壊死組織のデブリードマンを施行した結果, 右頸部に広範な皮膚欠損が生じたため, 第48病日に局所陰圧閉鎖療法を導入し, 第70病日に皮膚移植術を施行して創を閉鎖した. 局所陰圧閉鎖療法は, 患部環境を密閉し負圧をかけることによって創傷治癒を促進させる医療技術で, 本療法の導入により著明な創縮小作用が認められた. 本症例の概要と経過につき報告する.

  • 前田 英美, 任 智美, 福永 明子, 梅本 匡則, 阪上 雅史
    2016 年 29 巻 2 号 p. 237-243
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     心因性味覚障害は抑うつ状態の一症状とされ, 現状では明確な診断基準はない. 今回我々は, 心因性味覚障害298例の患者背景, 随伴症状, 味覚機能, 唾液量, 心理テスト, 改善率について検討した. 比較対象は特発性又は亜鉛欠乏性味覚障害416例とした. 心因性では有意に女性に多く, 罹病期間が長い結果であった. 電気味覚検査で有意に閾値正常例が多く, 安静時唾液量は少ないが刺激時には保たれる傾向があった. SDS (Self-rating Depression Scale) は有意に正常例が少なく抑うつ状態が多かった. 改善率は心因性63.5%であり, 特発性または亜鉛欠乏性80.1%よりも不良であった. 今回の検討において, 心因性味覚障害の補助的診断に問診や味覚検査, 唾液量, SDS が有用であることが示唆された.

  • 高橋 佳奈子, 新井 啓仁, 森 大地, 松井 雅裕, 中野 宏, 久 育男
    2016 年 29 巻 2 号 p. 245-250
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     放線菌症は主に Actinomyces israelii の感染によって起こる炎症性疾患である. 我々は耳前部に瘻孔形成を伴う膿瘍として発症した1例と, 頬部粘膜下腫瘤として発症した1例を経験した. いずれも腎移植後で免疫抑制剤を内服, また歯科領域に疾患を有していた. 培養検査では菌の同定は難しく, 病理組織診が有効であった. 治療には AMPC 内服が有効であったが, その効果には差を認めた. 治療期間は未だ確立されていないが, 我々は3ヵ月の AMPC 内服を基本とした. 前者は投薬終了後, 再燃を繰り返したため計9ヵ月の投薬を要した. 一方, 後者は3ヵ月の内服により, 以後再燃を認めず経過している. 本症の診断, 治療法について, 若干の文献的考察を含め報告する.

  • 奥 雄介, 松延 毅, 冨岡 拓矢, 荒木 倫利
    2016 年 29 巻 2 号 p. 251-255
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     睡眠時無呼吸症候群 (Sleep Apnea Syndrome: SAS) を疑う場合, 問診, 簡易スクリーニング検査を施行し, 必要に応じて終夜睡眠ポリグラフ検査 (Polysomnograph: PSG) をおこなうことが一般的である.
     現在本邦において CPAP の保険導入適応は, 簡易モニターで無呼吸低呼吸指数 (Apnea Hypopnea Index: AHI)≧40または PSG で AHI≧20となっている. しかし, 簡易モニターでは SAS 以外の睡眠障害を把握できないため, 診断には脳波, 筋電図, 眼電図なども含まれる PSG が望ましい.
     PSG 施行中にてんかん波形がみられた症例を経験したので報告する. PSG で SAS に加えて脳波異常が認められ, その後の脳波検査で特発性全般てんかんと診断された. 本症例のように SAS に他の睡眠障害が合併する可能性も留意しておく必要がある.

  • 中村 由紀, 江崎 伸一, 濱島 有喜, 村上 信五
    2016 年 29 巻 2 号 p. 257-261
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     紫斑病性腎炎の治療として扁摘を行い, 後出血を繰り返した症例を経験したので報告する. 患者は29歳, 男性. 扁摘後, 一次性後出血および二次性後出血を計7回繰り返し, 全身麻酔下での止血を2回施行. 残りの5回は3時間以内に自然止血した. いずれも静脈性であったが, 通常の後出血とは異なる病態であった. 腎生検で半月体形成があったことを考えると, 出血の原因は,紫斑病による活動性の高い血管炎であると強く考えられた. ステロイドパルス療法を開始し, 後出血は生じなくなった.

  • 津田 香南子, 小川 真, 猪原 秀典
    2016 年 29 巻 2 号 p. 263-270
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は, アデノイドの中鼻道侵入および重度後鼻孔被覆に関連する因子を同定することである. 小児睡眠時呼吸障害症例169例 (男児: 118例, 女児: 51例) を対象に, 手術時にアデノイドの鼻腔内侵入の有無と後鼻孔被覆の程度を記録し, これらの特徴と種々の因子: 性別, 年齢, 鼻副鼻腔疾患, 術前の無呼吸低呼吸指数, 併施された術式との関連性について検討を行った. その結果, 重度被覆症例では鼻腔内侵入の頻度が有意に低く, アレルギー性鼻炎症例群では鼻腔内侵入の頻度が有意に高く, 細菌性鼻副鼻腔炎症例群では重度被覆の頻度が有意に高かった. これらの結果より, アデノイドの増殖に指向性が存在する可能性が示唆された.

  • 山田 悠祐, 中村 雄, 後藤 隆史, 東野 哲也
    2016 年 29 巻 2 号 p. 271-275
    発行日: 2016/06/10
    公開日: 2016/09/27
    ジャーナル フリー

     喉頭領域に発生する腫瘍は, 多彩な形状や組織像を呈することがある. 今回われわれは, 披裂部から発生して食道内陥入をきたした有茎性腫瘍の1例を経験した. 症例は66歳の男性で, 上部消化管内視鏡検査で偶発的に右披裂部から食道内へ陥入する振り子状の腫瘍を指摘された. 自覚症状はなかったが, 喉頭内迷入による呼吸困難の可能性と診断確定のために手術を行った. 全身麻酔で直達喉頭鏡下に手術を行い, 全長 5×38mm の腫瘍を摘出し, 乳頭腫の病理診断であった. 腫瘍頸部は正常粘膜が度重なる嚥下による食道内陥入により, 徐々に牽引されて延長したものと考えられた. 術後2年が経過し, 再発は認めていない.

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