口腔・咽頭科
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8 巻 , 2 号
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  • 渡辺 哲生, 茂木 五郎
    1996 年 8 巻 2 号 p. 147-152
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    アデノイドは滲出性中耳炎の重要な因子と考えられてきたが, 議論のあるところである.本研究の目的はアデノイドが滲出性中耳炎の病因となっているか検討することである.
    対象は当科にてアデノイド切除を施行した147例で, 滲出性中耳炎を合併している群としていない群に分け, 両群を比較検討した.比較した項目は肉眼的肥大度, レ腺学的肥大度, 副鼻腔炎と鼻アレルギーの合併, 上皮の網状化, IgA産生細胞数, 線毛上皮の割合, アデノイド組織の細菌検査である.
    結果は, アデノイドの肥大度は両群で差はみられなかった.滲出性中耳炎合併群には, 上皮の網状化の進展, IgA産生細胞数増加, 線毛上皮の割合の低下, が観察された.細菌学的には滲出性中耳炎合併群にH. infuenzaeが有意に高率に検出された.
    以上の結果から, アデノイドの肥大よりも炎症が滲出性中耳炎の発症に関与し, 起炎菌であるH. influenzaeの感染巣として重要な役割を果していると考察した.
  • 高橋 晴雄, 三浦 誠, 藤田 明彦, 本庄 巖, 長谷部 誠司
    1996 年 8 巻 2 号 p. 153-158
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    アデノイド肥大にしばしば伴う鼻咽腔の炎症が耳管機能に及ぼす影響を明らかにするために, 下記の臨床的観察を行い, 次のような結果を得た:
    1.浮腫や膿性鼻汁による耳管咽頭口の遮蔽などの鼻咽腔の炎症所見はアデノイド切除術後時間とともに消退し, 6ヵ月後には正常例もかなりみられた.
    2.耳管抵抗検査と鼻咽腔内視鏡との組合せにより, このような鼻咽腔の炎症が嚥下時の耳管の絞拒の原因となり, これがアデノイド術前と同様に術後早期の耳管機能不全の一つの原因となっていることがわかった.
    3.耳管抵抗検査を用いてチューブで治療中の滲出性中耳炎で耳管の虚脱性を調べたところ, 上気道炎罹患時にはおおくの例で耳管の虚脱性が異常高値を示したが, 治癒するとほとんどの例で正常値に回復した.このことから, 鼻咽腔, 耳管の炎症が耳管機能に影響を与えるいま一つの機序として, 耳管粘膜の炎症が耳管の虚脱性を亢進させることにより耳管機能障害を引き起こす可能性が考えられた.
  • 間島 雄一, 坂倉 康夫
    1996 年 8 巻 2 号 p. 159-165
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    31名の小児 (4~11歳, 平均年齢6.4±1.9) に対し全身麻酔下にアデノイド切除を施行した.鼻症状, 鼻鏡所見, X線所見を術前と術後3ヵ月目に検討した.鼻閉と鼻漏は最も頻度の高い症状でこれらはアデノイド切除により有意に改善した.自覚症状と他覚所見による総合効果判定ではアデノイド切除の有効率は18.8%であった.19名, 38側の小児に上顎洞炎をX線上みとめた.アデノイド切除後26%の上顎洞において著名な上顎洞炎の改善をみた.
    アデノイド増殖の程度と上顎洞陰影の程度との関係を52名 (2~11歳, 7.5±3.6) 103側の上顎洞で検討した.その結果両者間に有意の関係はみとめられなかった.
    これらの結果よりアデノイド切除は鼻・副鼻腔炎に効果的であり, この効果はアデノイド切除による鼻・副鼻腔の気流動態の変化によるものでないことが示唆された.
  • 宮崎 総一郎, 板坂 芳明, 石川 和夫, 戸川 清
    1996 年 8 巻 2 号 p. 167-172
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    小児アデノイド・口蓋扁桃肥大症37例 (男児26, 女児11, 平均年齢4.7歳) について日中にトリクロフォスシロップ (0.8ml/kg) を投与して眠らせ, 約3時間にわたりビデオ記録下に呼吸状況を観察し, 同時に酸素飽和度 (SaO2) を連続記録した.睡眠時呼吸障害の程度 (SaO2の低下) とレントゲン上の気道狭窄度の相関の有無について検討した.37例でアデノイドの厚さと睡眠時最低酸素飽和度 (L.SAT) の相関, 鼻咽腔気道径とL.SATの相関について検討したが両者共に相関関係は認めなかった.狭窄程度と部位により, アデノイド・口蓋扁桃肥大群 (11例), アデノイド群 (8例), 口蓋扁桃肥大群 (10例), 気道狭窄群 (8例) に分類して, 群間でのSaO2低下の程度について検討した.L.SATはアデノイド・口蓋扁桃肥大群で91.8%, アデノイド群で87.3%, 口蓋扁桃肥大群で88.5%, 気道狭窄群での86.4%であったが群間で統計学的な有意差は認められなかった.これはレントゲン写真の上気道狭窄程度だけでは睡眠時呼吸障害を推定出来ないことを意味する.簡易検査では呼吸障害を見逃すことなく診断するにはSaO2記録に加えて, ビデオで実際に呼吸状況を観察する必要がある.
  • 古川 政樹, 古川 まどか, 松田 秀樹, 稲葉 鋭, 佃 守, 栗原 宏明, 岩澤 多恵
    1996 年 8 巻 2 号 p. 173-186
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    非定型的耳下腺多形腺腫の診断上の諸問題に関して検討した.部位診断を目的として, MRIによる耳下腺内顔面神経の描出を試みた.従来の方法と異なり, それぞれの症例によって撮像面を工夫することで, 正常例, 腫瘍例とも, 顔面神経の描出に成功した.さらに腫瘍例では手術により腫瘍と顔面神経の位置関係を確認することができた.質的診断では, 超音波ガイド下FNACの有用性について述べ, 新しい手法である超音波ガイド下FNABについても触れた.
  • 黒野 祐一, 松下 太, 茂木 五郎
    1996 年 8 巻 2 号 p. 187-191
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    当科で手術を行った深葉型耳下腺多形腺腫症例18例 (男性5例, 女性13例) の手術所見ならびに術後成績をまとめ, その問題点について検討した.腫瘍は顔面神経本幹に接して発生するものが多く, その径も大きい傾向にあった.手術は, 顔面神経が腫瘍被膜と癒着しているものでもこれを切断することなく保存し, 全て部分摘出術もしくは深葉摘出術を行った.再発は2例に認められたが, うち1例は他科で初回手術が施行された再発症例であった.術後8例に顔面神経麻痺を生じたが, 再々発症例の1例を除き他は全て一過性の麻痺であった.以上の結果から, 深葉型多形腺腫で癒着がある症例でも, 可能な限り顔面神経を保存すべきと考えられた.
  • 吉原 俊雄, 佐藤 美知子, 三田 奈保子, 山村 幸江, 小田 明子, 田中 雅代, Akio Shino, 石井 哲夫
    1996 年 8 巻 2 号 p. 193-201
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    耳下腺多形腺腫のうち非定型的なダンベル型, 副咽頭間隙型腫瘍の切除法について述べた.切除法には1) 経頸部切開法, 2) 経耳下腺切開法, 3) 口内法, 4) 両者併用法, 5) 下顎骨離断法が挙げられるが, 経耳下腺切開法が第一選択と考えられる.必要に応じ顎二腹筋, 茎状突起, 茎突下顎靱帯, 顎下腺の切除を加え, 助手が口内より指で腫瘍う押すことで摘出が容易となる.下顎骨離断法は広い視野が得られるが美容上や咬合不全の問題もあり最終的に選択される方法と考えられる.
  • 安田 範夫, 村上 泰
    1996 年 8 巻 2 号 p. 203-210
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    多形腺腫の多発性再発症例を呈示し, その診断と治療に対する問題点・留意点についてまとめた.多形腺腫が局所再発をきたしやすいのは被膜の脆弱性に原因があるといわれ, その核出は禁忌で浅葉切除が原則である.しかし顔面神経の近傍や深葉腫瘍などは核出に近い操作を避けられず, これがもう一つの原因である.また多発性再発の手術にはMRIとエコーを用いて再発腫瘍の占拠部位をしっかり確認し, 前回手術の切除範囲を把握し再発腫瘍周囲の健常組織を含めたen bioc切除を心がける必要がある.そして顔面神経の温存に固執するあまり新たな細胞播種を起こさないことや悪性変化の危険性を忘れないことも重要である.
  • 岡本 美孝, 松崎 全成, 横溝 道範, 花沢 秀, 石川 和夫, 戸川 清
    1996 年 8 巻 2 号 p. 211-216
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    再発耳下腺多形腺腫の治療における顔面神経の処理について, これまでの自験例の検討を中心に考察を行った.その結果, 再発による悪性化の頻度は高くはないこと, 神経と腫瘍・瘢痕組織との癒着が強い場合には安全な剥離は容易ではないが, 一方で神経移植による回復は満足すべきものではないこと, さらに, 文献的にも播種された腫瘍細胞は, たとえ神経切断も含む拡大手術にても取りきることは必ずしも容易ではないことが, 明らかになった.
    顔面神経の処理にあたっては, 可及的に神経保存をはかる必要があるが, 一方, 神経切断がやむを得ない時には良好な移植床の準備も含め最善の条件下で神経移植を行い, 成績の向上をはかる必要がある.
  • 沼田 勉, 根本 俊光, 遊座 潤, 日野 剛, 野本 実, 今野 昭義
    1996 年 8 巻 2 号 p. 217-224
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    過去10年間に千葉大学耳鼻咽喉科において, 経過観察した口腔内白板症症例19例中2例に扁平上皮癌が発生した.第1症例は, 68歳男性であった.数年間舌可動部右側縁に白色病変があり, 組織診でも悪性所見なく白板症であった.この白板症病変全体をレーザーにて蒸散したところ, レーザー照射野内に短期間のうちに扁平上皮癌が発生した.第2症例は51歳女性で, 約8年間外来で経過観察していたが, 舌癌を発生した.統計的には, 口腔内白板症の約10%程度に癌化がみられ, 舌, 口腔底では癌化が多いといわれている.白板症の治療としては, 病変の外科的除去あるいはレーザーを用いた切除が良く, 長期間の経過観察を要する.
  • 渡辺 周一
    1996 年 8 巻 2 号 p. 225-230
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    口腔扁平苔癬 (OLP) 35症例の臨床病理学的検討を行った.発生頻度は女性が男性の2.5倍であり, 年齢は50歳代にピークがあった.OLPの診断は28例は臨床的に, 7例は病理学的に診断された.肝炎13例, 高血圧11例が合併症としてみられた.7例に対して歯科金属の皮膚バッチテストが行われ, Co, Ni, Cr, Pd, Hgに陽性を示した.経過中悪性化した症例はなかった.治療に関しては, 副腎皮質ホルモン軟膏の局所塗布療法が一番効果的であり副作用もみとめなかった.セファランチン ® は長期に使用する際, 特に有用であった.
  • 沖中 芳彦, 平田 哲康, 守谷 啓司, 木戸 利成, 今手 祐二, 大上 研二, 下郡 博明
    1996 年 8 巻 2 号 p. 231-238
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    口腔咽頭潰瘍症例143例について, 病因と予後 (治癒までの期間) を検討し, 以下の結果を得た.
    1.71例 (49.7%) は病因が不明であった.
    2.口腔咽頭の感染症や外傷に伴う潰瘍の予後は良好であった.
    3.4週間以上潰瘍が持続するものでは, 悪性疾患や自己免疫疾患の頻度が高くなった.特に悪性リンパ腫や天疱瘡などとの鑑別が重要である.
    口腔咽頭潰瘍性病変の診療にあたっては, 各種原因疾患の存在を認識し, 口腔咽頭潰瘍が部分症状となっている悪性疾患や全身的疾患を見逃すことのないよう, 十分な観察と検索が必要である.
  • 沖中 芳彦, 木戸 利成, 今手 祐二, 大上 研二, 守谷 啓司
    1996 年 8 巻 2 号 p. 239-248
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    いわゆる難治性口腔咽頭潰瘍症例の経過と転帰の検討を行った.対象は, 原因不明の口腔咽頭潰瘍が4週間以上持続した12例である.12例中, 主病変が咽頭にあるものが8例, 口腔にあるものが4例であった.症例の追跡期間は2ヵ月から5年であった.個々の潰瘍性病変は2週間から2ヵ月程度で消失するものが多かったが, 再発傾向が強かった.長期経過例で病変の軽快するものが多かったが, 治癒に至ったものは1例のみであった.
    治療法も決定的なものは現在のところなく, 診断法, 治療法を確立する上で, 今後症例の蓄積と5~10年単位の長期の観察が必要と思われる.
  • 花田 武浩, 古田 茂, 竪山 俊郎, 大山 勝, 内薗 明裕
    1996 年 8 巻 2 号 p. 249-254
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    106人の単純いびき症例及び閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者を対象に, 接触型Nd: YAGレーザーを使用した手術 (LASER-assisted Uvulopalatoplasty: LAUP) を施行した.患者の配偶者に患者のいびきの大きさ, 睡眠状態を, また患者自身に起床時の倦怠感, 熟睡感をアンケート形式で解答してもらった.いびきの大きさは術前の約5割に減少し, 睡眠中の呼吸状態も改善傾向にあった.熟睡感, 目覚めたときの疲労感も有意に改善したが, LAUP2型を受けた患者で, 1型を受けた患者より術後の疼痛が強かったと解答した例が多かった.重篤な合併症もなく, アンケート結果からLAUPは, いびきや睡眠時無呼吸患者に有用な手術方法であると考えられた.
  • 一宮 一成, 末永 智, 茂木 五郎, 平松 美佐子
    1996 年 8 巻 2 号 p. 255-260
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    IgM腎症の2症例に対して口蓋扁桃摘出術を行った.症例1は8歳男児, 症例2は11歳女児で, 肉眼的血尿と蛋白尿をそれぞれ7年間, 8ヵ月間認め, 腎生検でIgM腎症と診断された.両症例とも扁桃炎の既往があり, 口蓋扁桃摘出術を施行, 術後に尿所見は改善した.
    扁桃の病理検査では著明な線維化と胚中心の発達不良を認めた.免疫組織学的には陰窩の上皮下にS-100陽性樹状細胞数の減少を認めた.IgM腎症は扁桃における, ある種の免疫制御機構の障害に関連した疾患である可能性が示唆された.
  • 鈴木 賢二, 田中 悦夫, 田中 伊佐武, 馬場 駿吉
    1996 年 8 巻 2 号 p. 261-266
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    生直後より84歳までの耳鼻咽喉科領域に疾患を持たない症例の口蓋扁桃・咽頭後壁・喉頭・鼻腔より無菌的に菌検索を行い, 常在細菌叢の獲得と変遷につき検討した.新生児の口蓋扁桃・咽頭後壁にはα-Streptococcus, Lactococcus, Micrococcus等の常在菌が生後3~6時間で出現し始め, 5日目までは嫌気性菌は認めなかった.S.mitisの検出率は生後24時間で90%であった.口蓋扁桃・咽頭後壁においてはグラム陽性菌・グラム陰性菌の検出率は加齢により減少し, 嫌気性菌のそれは老年期に増加していた.鼻腔以外からの検出菌はStreptococcus sp.を中心として類似しており, 鼻腔のそれはStaphylococcus sp.を中心としていた.
  • 岸本 麻子, 加藤 真子, 稲村 達哉, 山脇 利朗, 松本 あゆみ, 井野 千代徳, 山下 敏夫
    1996 年 8 巻 2 号 p. 267-272
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    舌下腺機能検査に関しては, 今日に至るまで報告されていない.今回, 筆者らが考案した唾液腺機能試験紙を用いて舌下腺機能を測定した.舌下腺に関して, 加齢による機能低下は認められず, 口内乾燥感を自覚する群では明らかな機能低下を認めた.また, 他の唾液腺機能検査法との比較を行い考察した.臨床応用として, 顔面神経麻痺症例における舌下腺機能低下を証明した.
  • 山下 弘之, 倉富 勇一郎, 山本 智矢, 小宮山 荘太郎
    1996 年 8 巻 2 号 p. 273-278
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    咽喉頭異常感症症例252名に対しX線ビデオ透視を行った.すべての症例は正面, 側面および斜位で150%W/Vのバリウムをそれぞれ15ml嚥下した.
    造影剤の咽頭貯留は男性では96名中74名 (77.1%) に, 女性では156名中04名 (41.0%) に見られた.誤嚥は男性では19名 (19.8%) に, 女性では13名 (8.3%) に見られた.咽頭貯留と誤嚥には統計学的に相関が見られた.咽頭貯留の閾値年齢は男性では40歳であり, 女性では60歳であった.誤嚥の閾値年齢は男性では70歳であったが, 女性では決定できなかった.咽頭クリアランスは嚥下機能を評価し潜在的な嚥下障害を明らかにするために有用であった.
  • 村上 匡孝, 丁 剛, 四ノ宮 隆, 丸山 晋
    1996 年 8 巻 2 号 p. 279-283
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    神経線維腫は一般的に皮膚に好発し多発する傾向があり, Von Recklinghausen病の部分症状が多いといわれ, 孤立性神経線維腫は稀である.今回我々は口腔底粘膜下に単発した比較的大きい神経線維腫を経験したので報告する.症例は70歳の男性で3年来の舌裏面から口腔底にかけての異常感と腫瘤を主訴に受診した.口腔底から腫瘤を容易に摘出したが, 所見から舌神経の枝の一部由来と考えられた.術後は舌の中1/3の舌背部に感覚低下が出現したが, 2ヵ月後には回復した.以後の経過は良好で再発は認めない.CT, MRI, 病理所見を中心に述べる.
  • 白幡 雄一, 小林 直樹, 関 博之
    1996 年 8 巻 2 号 p. 285-290
    発行日: 1996/02/29
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    本論文では触診ならびに超音波診断により口腔底に限局した嚢胞を認め, 手術により組織診断が得られた口腔底嚢胞の9例 (表) (男性4例, 女性5例 (9~60歳)) を対象とし, 口腔底嚢胞の位置診断, 鑑別診断, その最適な手術ルート決定のためのMRI診断の有用性について検討を加えた.
    MRIは病変を3次元的に把握することが容易で, 特に顎舌骨筋との位置関係を知るのに情報量が多く, とくに冠状断層撮影は手術の指南をつけるのに有用であった.
    口腔底嚢胞のほとんどの病変の信号強度は非特異的 (T1強調像で低~中等度の信号強度であり, T2強調像では中等度~高信号強度) であるが, 嚢胞の内部の性状, 局在部位の違いから類皮様嚢胞, ガマ腫と皮様嚢胞の鑑別診断が可能であった.MRIは口腔底腫瘤の進展範囲, 性状, および周囲組織との関連の把握に有用である.
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