本研究は,2014~2019年の豪雨で土砂災害が発生した日本の5 地域15地質を対象とし,災害前後のLP 地形データを用いて標高値の変化量を計算し,崩壊生産土砂量
V を求めた。そして,
V=α
Aγで表される崩壊生産土砂量推定式のパラメータα 値・γ 値を計算し(A は崩壊面積,α とγは係数),これらに及ぼす崩壊深や地質の影響を検討し,国内外で汎用的に使用されている既存研究(Guzzetti et al., 2009 ; Larsen et al., 2010)の値と比較した。その結果,α 値とγ 値には負の相関があり,崩壊面積に対する崩壊深の増加割合が大きくなるとγ 値が増大することが明らかになった。地質別に見ると,火成岩類は概ねα 値が大きく,γ 値が小さい傾向があり,崩壊面積によって崩壊深があまり変化しない崩壊形状であるためと考えられた。深成岩類と堆積岩類はα 値・γ 値が広範囲に分布していた。これらは,地質ごとに崩壊形状の分布特性が多様なためと考えられた。変成岩はα 値が小さく,γ 値が大きい傾向があり,崩壊面積に対する崩壊深の増加割合が大きい崩壊形状の分布特性を示唆していると考えられた。
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