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竹内 俊郎, 中本 吉彦, 浜崎 活幸, 関谷 幸生, 渡邉 武
1999 年 65 巻 5 号 p.
797-803
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
ガザミ幼生の必須脂肪酸(EFA)であるn-3高度不飽和酸(n-3HUFA)要求量を明らかにする目的で, 種々の濃度のn-3HUFAで強化したワムシを用いてガザミを飼育した。各齢期への平均到達日数および生残率などを指標に検討した結果, 淡水クロレラおよびコーンオイル単用区ではいずれも第1齢稚ガニ(C1)に達する個体は見られなかった。ワムシ培養槽へのn-3HUFA含有油脂(EPA28G乳化オイル)の添加量増加にともない, メガロパおよびC1に達する個体が増加し, ワムシ乾燥重量100g当たりのn-3HUFAが0.9-1.7gの時に優れた飼育成績が得られた。また, リノール酸およびリノレン酸のガザミ幼生に対するEFAとしての効果は低いと判断された。
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竹内 俊郎, 佐藤 敦一, 関谷 幸生, 清水 智仁, 渡邉 武
1999 年 65 巻 5 号 p.
804-809
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
いずれの令期からガザミ幼生に対し, n-3高度不飽和酸(n-3HUFA)を栄養強化したワムシおよびアルテミアを給餌するのが最適なのかを明らかにする目的で, 脱皮・変態率の推移や令期所要日数さらに使用した餌料中の脂肪酸含量等から検討した。その結果, 第3齢ゾエアにn-3HUFAで栄養強化したワムシまたはアルテミア, 特にアルテミアをガザミ幼生に給餌することにより, メガロパへの脱皮・変態率が大幅に改善された。餌料中のn-3HUFAの濃度は同じ強化剤を用いた場合, ワムシで1.6%, アルテミアで2.7%とアルテミアへの取り込み割合が高かった。以上のことより, n-3HUFA強化アルテミアを第3齢ゾエアから与えることが望ましいと判断された。
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朝日向 豊邦, 菅野 俊克, 小野寺 知幸, 斉藤 肇
1999 年 65 巻 5 号 p.
810-817
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
下水処理水中のアナアオサ成長促進物質について検討した。1.海水に処理水を添加した培養実験を行い海水中の処理水濃度を20%以下にすると, 処理水がアナアオサに対して成長促進作用を示す。2.処理水の有機物組成をSephadex G-15を用いて調べ, フミン質系統の物質の存在を確認した。3.このフミン質系統の物質の濃縮物を得るために処理水を減圧濃縮し, 分子画量500以上の限外濾紙による濾過を行った。海水にこの濃縮物を添加した培養実験を行い, この物質がアナアオサ成長促進物質の1つであることが確認できた。
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丸山 俊朗, 鈴木 祥広, 佐藤 大輔, 神田 猛, 道下 保
1999 年 65 巻 5 号 p.
818-825
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
閉鎖循環式の泡沫分離・硝化システムと従来の流水式システムでヒラメを飼育し, 閉鎖循環式養殖の可能性を検討した。本閉鎖循環式システムは, 飼育水槽, 空気自吸式エアーレーターを設置した気液接触・泡沫分離槽, 硝化・固液分離槽, およびpH・水温調整槽からなる。ヒラメ幼魚200尾を収容(初期収容率2.8%)し, 90日間の飼育実験(実験終了時収容率5.0%)を行った。本閉鎖循環式システムと流水式システムを比較すると, 生残率はそれぞれ93.5%と98%であり, また, 飼料効率は, それぞれ117%と110%であった。本閉鎖循環式システムによって, 飼育水をほぼ完全に排水することなしに, 高密度飼育することができた。
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竹内 照文, 吉田 陽一
1999 年 65 巻 5 号 p.
826-832
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
田辺湾におけるアレキサンドリウムAlexandrium catenellaの異常発生が比較的多くみられた1984および1987年を中心に, 同種の高密度発生と水質, 気象要因等との関係について調べた。同種は4月の中旬頃に豪雨, または非常に強い風のあった約1ヵ月後の5月中旬頃最も高密度に発生し, また, 高密度発生時の水質諸要因に関しては, DIN(溶存無機態窒素), DIP(溶存無機態リン), およびDIN×DIPが非常に低く, DIN : DIP比が高かった。これらのA. catenellaの高密度発生時における気象諸要因や水質諸要因の特徴は, 同種のシストの発芽や栄養塩の利用性等の生理学的特性と密接な関連があることが示唆された。
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岩下 亜記, 坂本 睦海, 小島 隆人, 渡辺 幸彦, 添田 秀男
1999 年 65 巻 5 号 p.
833-838
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
心拍間隔を指標にした魚類の聴覚閾値の測定は近年日本で多く行われているが, その多くは成魚を対象としている。本研究は0歳から2歳魚までの各年齢のマダイを用いて, 音と電気刺激を組み合わせた条件付けを行った後, 放音前と放音後の心拍間隔を比較して, 聴覚閾値を測定した。0,1歳魚の最高感度周波数は300Hzでその閾値音圧はそれぞれ92.4dB, 83.0dB (0dB=1μPa)であった。また2歳魚の最高感度周波数は200HzでIshioka et al (1988)の3歳魚と同様であり, その時の閾値音圧は71.3dBであった。このことからマダイは成長に伴い最高感度周波数が低周波数へ移動するとともに100Hzおよび200Hzの感知能力が向上することがわかった。
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臺田 望, 稲田 博史, 三木 智宏, 兼廣 春之
1999 年 65 巻 5 号 p.
839-846
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
クランクベイトルアーのタイドアイの位置と潜行深度との関係を把握するため, リップ形状, タイドアイの位置を可変設定できるルアーを試作し実験を行った。回流水槽では, ルアーの迎角と潜行深度を測定し, フィールド実験では20m区間を一定の巻取り速度40,60,80cm/sで潜行するルアーの深度変化を測定した。この結果, 平面図上のルアーの先端からタイドアイまでの距離(d)とルアーの全長(L
0)の比(d/L
0)が0.25付近で潜行深度が最大となり, この場合のルアーが迎角が20°∿40°となる機構が明らかになった。
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松田 篤志, 西島 敏隆, 深見 公雄
1999 年 65 巻 5 号 p.
847-855
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
A. catenellaの増殖に及ぼす窒素・リン源の影響を調べた。増殖のK
Sは, NO
3-Nで7.7μM, NH
4-Nで3.3μM, PO
4-Pで0.72μMと, 他の赤潮植物プランクトンと比較して高い値であった。μ
maxは0.47∿0.55day
-1であった。本藻は, 有機態窒素(尿素およびアミノ酸態窒素のほとんど)を窒素源として増殖に利用できなかった。一方, リン源については有機態リンをはじめ, 種々の形態のリンを利用可能であった。以上から, 本藻は有機態リン濃度の高い富栄養型沿岸域に適応しており, 低無機態窒素・リン濃度下では代表的な赤潮プランクトンよりも優位に増殖する可能性は低いと推察された。
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上水樽 豊己, 安樂 和彦
1999 年 65 巻 5 号 p.
856-859
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
ツキヒガイを短時間のうちに開殻させ軟体部の手術が可能な方法として塩化マグネシウム溶液を閉殻筋に注射する方法を採用し, その確立を目的とした。注射液は自然海水および0.2M, 0.4M, 0.6Mの塩化マグネシウム溶液, 注射量は1ml, 3ml, 5mlとした。いずれの条件下でも, 注射直後腹縁中央が開殻度にして9-12度開いた。0.4M溶液5ml, 0.6M溶液3ml, 0.6M溶液5mlを注射した時は, 接触刺激によっても閉殻筋の収縮は起こらず, 軟体部の手術が可能であった。この方法は, 感覚閉塞等の種々の実験技術に応用できる。
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福田 賢吾, 胡 夫祥, 東海 正, 松田 皎
1999 年 65 巻 5 号 p.
860-865
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
複葉型オッターボードの前後翼に用いる湾曲板の縦横比および反り比が流体特性に及ぼす影響を調べるため, 回流水槽で模型実験を行った。実験には反り比15%, 縦横比2.5,3.0,3.5,4.0の湾曲板と縦横比3.0,反り比10%, 15%, 20%の湾曲板の計7種類を用いて, 流速および迎角ごとの各流体力を計測し, 揚抗力係数を求めた。前後翼に同じ縦横比の湾曲板を用いた場合, 実験範囲内の縦横比による最大揚力係数の差は小さく, 後翼に反り比の大きな湾曲板を配する場合ではその逆に比べて最大揚力係数が大きい。前後翼に縦横比の異なる湾曲板を用いた場合では, 後翼に縦横比の大きな湾曲板を用いる組み合わせで最大揚力係数は大きい。ギャップ・コード比0.6以下では食違い角が大きいほど最大揚力係数は大きい傾向を示した。
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示野 貞夫, 松本 将哉, 細川 秀毅, 益本 俊郎, 松本 敏浩
1999 年 65 巻 5 号 p.
866-871
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
成長や消化率に及ぼす飼料形態の影響を知るために, 摂餌促進物質を添加した同一組成のMP, EPおよびSPを, ドライベースで等率になるようにブリ稚魚に給与し, 50日間水槽飼育した。SP区の摂餌はやや不活発であったが, 全区の増重量は近似しており, 飼料効率, タンパク質効率およびエネルギー効率の区間差も小さかった。腸重量や消化率に若干の区間差はみられたが, 全区の血液性状や血清成分は類似していた。以上の結果から, 飼料形態によりブリの摂餌活性や消化過程は多少異なるが, 本試験条件下では3飼料の利用性は類似すると判断された。
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山下 民治, 谷本 昌太, 関 伸夫
1999 年 65 巻 5 号 p.
872-877
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
スケトウダラ冷凍すり身にでん粉を添加した肉糊を, 10℃で0∿2日間坐りを行い, 直ちに90℃, 30分間加熱を行った。でん粉添加量が多くなるほど, 坐りの有無にかかわらずゲルの破断強度は著しく増大した。でん粉添加は, 坐り中の魚肉タンパク質のミオシン重鎖の多量体形成を抑制しなかったが, 坐り加熱ゲルの破断強度の増大する割合を抑制し, 見かけ上坐りの効果を低下させた。また, この低下は, 坐りと多量のでん粉添加によるゲルの破断強度の増強効果が強いほど顕著におきた。
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伊藤 光史, 赤羽 義章
1999 年 65 巻 5 号 p.
878-885
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
マサバとへしこの成分比較から, へしこ製造過程での食塩及び糠の炭水化物の侵入により, マサバは大きく脱水し, その際に脂質は一部が流出するものの多くはへしこ中に濃縮されるが, タンパク質は流出などによる損失が大きいことが推察された。しかし, いずれのへしこでも, タンパク質の低分子化による著量の遊離アミノ酸とペプチドの蓄積が見られた。へしこにはヌクレオチドは存在しなかったが, 乳酸, 酢酸, コハク酸, リンゴ酸は多かった。へしこの強い呈味には, 多量の遊離アミノ酸のほかペプチドや有機酸などの関与も大きいと考えられた。
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竹下 瑞恵, 大泉 徹, 赤羽 義章, 竹縄 誠之
1999 年 65 巻 5 号 p.
886-891
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
コイ筋原繊維(Mf)の熱変性と溶解に及ぼすグルコン酸ナトリウム(Na-G)の影響をソルビトール(S)および食塩のそれらと比較検討した。その結果, Na-GはSよりも強力にMfの熱変性を抑制するとともに食塩と同様にMfを溶解することが示された。但し, Mfの可溶化に必要なNa-Gの濃度は食塩のそれよりもやや高かった。両化合物の溶液中におけるNa
+濃度を測定した結果から, これらのMf溶解作用の差異は, 主に両化合物の電離度の違いによることが示唆された。
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示野 貞夫, 杉田 毅, 岩永 俊介
1999 年 65 巻 5 号 p.
892-895
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
コイ筋肉における多くの代謝中間体濃度は10
-3∿10
-4Mであった。生理的条件の基質濃度やpH域では, 筋PFKはアロステリック酵素として機能しており, in vitroの本酵素活性はATPにより阻害されていた。ATPによる阻害は生理的濃度域のADPやAMPの共存により軽減され, クエン酸の共存により強化された。以上の結果から, 筋肉のin vivo解糖速度は, 酵素誘導がなくても, PFK活性の変化を介して生理的濃度域における解糖中間体やアデニンヌクレオチドの濃度変化により速やかに調節されている可能性が高いと推察された。
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杉田 毅, 示野 貞夫, 細川 秀毅, 益本 俊郎
1999 年 65 巻 5 号 p.
896-900
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
インスリンを投与したコイでは, 血清グルコースや遊離アミノ酸の含量は速やかかつ顕著に低下した。また, phosphofructokinase (PFK)とG6PDHの活性は増大し, FBPaseとG6Paseの活性は減少した。さらに, F6P, AMP, ADPおよびクエン酸の濃度はPFK活性を賦活させる方向に変化した。グルコース投与数時間後の血糖低下時にも, 各成分に同様な変化が認められたことから, インスリン負荷時にはPFKタンパク質の立体構造および代謝中間体濃度の変化を通じて速やかに解糖が促進したと推察された。
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古瀬 正浩, 五味 正揮, 沼田 智幸, 袋谷 賢吉
1999 年 65 巻 5 号 p.
901-902
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
ヒラメの明順応網膜の水平細胞からS電位を記録し, 1相性と2相性の2種類のスペクトル応答型が得られた。1相性は波長520nm付近に最大感度を持ち, さらに種々の有色背景光のもとでも, この最大感度波長は変化しなかった。2相性S電位は, それぞれ波長470nmと570nm付近に過分極相と脱分極相の最大感度を示した。紫背景光のもとでこの脱分極相のピーク波長は550nm付近に移行し, 実際にはさらに短波長側にあることが示唆された。
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古瀬 正浩, 三日市 政司, 袋谷 賢吉
1999 年 65 巻 5 号 p.
903-904
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
アユの明順応網膜におけるS電位のスペクトル応答特性を調べ, 4つの型のスペクトル応答が存在することを明らかにした。また, 各スペクトル応答型の過分極相が, それぞれ赤錐体, 緑錐体, 青錐体, 紫外錐体のスペクトル応答特性を反映しているものと考察した。
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小久江 栄一
1999 年 65 巻 5 号 p.
906-907
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
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上野 隆二
1999 年 65 巻 5 号 p.
908-909
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
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大嶋 雄治, 竹田 達右
1999 年 65 巻 5 号 p.
910-911
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
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瀬川 勲
1999 年 65 巻 5 号 p.
912-913
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
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宮川 宗記
1999 年 65 巻 5 号 p.
914-915
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
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今井 健彦
1999 年 65 巻 5 号 p.
917-918
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
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山本 勝太郎
1999 年 65 巻 5 号 p.
919-920
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
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松田 皎
1999 年 65 巻 5 号 p.
921-922
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
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胡 夫祥
1999 年 65 巻 5 号 p.
923-924
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
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高木 力
1999 年 65 巻 5 号 p.
925-926
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー
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森 友彦
1999 年 65 巻 5 号 p.
927-929
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
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神山 かおる
1999 年 65 巻 5 号 p.
929-930
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
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細谷 和海
1999 年 65 巻 5 号 p.
935
発行日: 1999/09/15
公開日: 2008/02/01
ジャーナル
フリー