高速曳網が可能な稚魚採集トロール網用の湾曲V型デプレッサーを設計し, 模型実験によりデプレッサーの潜行力, 抗力特性を調べた。実験には翼面積397.7(cm)
2,縦横比6.0,反り比15%および上反角20°の模型を用い, 流速および迎角ごとに各流体力を計測した。また, ヒール角度を30°まで5°間隔に変化させて, 横揺れが生じたときの潜行力特性への影響も調べた, さらに, 同じ上反角を持つ平板型デプレッサーについても同様な実験を行い, 両者の潜行力特性を比較した。湾曲V型デプレッサーは最大潜行力係数が1.57(迎角20°)で, 平板型の値に比べて倍ほど大きいことが分かった。しかし, 最大潜行力係数を得た後に失速が早いことも確認された。また, 湾曲V型デプレッサーでは, 横揺れが生じたときにヒール角度20°までは潜行力特性に及ぼす影響が小さく, 特にヒール角度による圧力中心位置のずれが少なく, 横揺れに対する復元性がよい。
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