Microcystis属4種(M. aeruginosa, M. wesenbergii, M. viridis, およびM. ichithyoblabe)によるアオコの発生がみられた, 琵琶湖沿岸の水域や各地の池沼等, 21水域(延56例)について, アオコの発生水域と同水域の水質諸要因との関係について調べた。前記4種が高密度に出現する水域の水質諸要因の特徴は, いずれもDIN : DIP比が40以下の低DIN : DIP比水域に出現するグループと, 同比が40以上の高DIN : DIP比水域に出現するグループとに大別され, 前者は後者に比し, DIN, (NO
2-N+NO
3-N) : NH
4-N, DIN : DIP, やTN : TP比が低く, DIPやDOPが高いという傾向が強かった。また, 同一グループの4種の間でも出現水域の特徴に若干の差異がみられ, 特に低DIN : DIP比水域に出現するM. aeruginosaは, 両グループの内でも, WT, DON, TN, DIP, DOP, TP, TN×TP等が高く, (NO
2-N+NO
3-N) : NH
4-NやDIN : DIP比が低い水域に出現する傾向が強かった。
抄録全体を表示