クエン酸Na, 酒石酸Naおよびグルコン酸Naが, イカ肉の加熱ゲル形成能に及ぼす影響を検討した。これらの添加により, ミオシンの分解が抑制され, 高い破断強度が得られた。また, 3種の中ではクエン酸Naが最も高い効果を示した。金属プロテアーゼが作用していると考えられる5℃において, 3種の有機酸Na塩は, EDTAと同等の抑制作用を示した。クエン酸Naは, 35℃に保持した場合においても, EDTAとPMSFを加えセリンプロテアーゼも抑制した場合と, 同程度の抑制作用が認められた。それゆえ, 各種プロテアーゼを含むイカ肉加熱ゲルの物性を向上するには, クエン酸Naが非常に効果的な添加物であると判断した。
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