魚類養殖による有機物負荷が海底堆積物の化学的特性及びマクロベントス群集に及ぼす影響範囲を検討した。AVS, TOC, TN 及びマクロベントスでは,養殖筏からの距離による差が明瞭でなかったものの,TP は養殖筏から離れるに従って減少した。非魚類養殖漁場における既知の TOC 及び TP 濃度と本調査結果を比較したところ,魚類養殖による有機物負荷の海底堆積物への影響範囲は 100~200 m 程度と考えられた。この値は従来の値より大きく,その理由として TP の主成分が難分解性の Ca-P であることが考えられた。
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