和歌山県沿岸の養殖漁場における春季の海底堆積物の化学的特性とマクロベントス群集を既存の夏季のデータと比較することで環境評価の更なる適正化を試みた。その結果,
Scoletoma longifolia,
Capitella sp.,
Theora lubrica の 3 種の優占的出現状況は,夏季のマクロベントス群集に基づいたクラスター解析によって示された TOC の基準値 6.2, 10.3, 16.4 mg g
-1 とほぼ一致し,これらの 3 種による養殖漁場環境の評価が可能であると考えられた。特に,海底堆積物の夏季の AVS と併せて春季の海底堆積物の TOC と
S. longifolia の生物量を組み合わせた漁場環境評価が有効であると考えられた。
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