紀伊半島南西岸産イサキについて,生殖腺の組織学的観察に基づき,成熟年齢,産卵期,産卵頻度の検討を行った。その結果,雌は 1 歳では全く成熟せず,2 歳から全個体が成熟し,雄は 1 歳から全個体が成熟するものと考えられた。産卵期は 5~8 月で,盛期は 6 月と考えられた。また 3 歳以上の雌の場合,組織学的観察と GSI 値の比較から,4~5 月に急速に卵黄蓄積が進行し,6 月に活発に産卵が繰り返されるという産卵形態が推察された。産卵頻度は 5~8 月の各月において,それぞれ 0.17, 0.51, 0.26, 0.19 と推定された。
抄録全体を表示