シガテラの主要毒素は,底生性渦鞭毛藻
Gambierdiscus 属が生成すると考えられている。シガテラが散発する本州太平洋岸においては,有毒種
Gambierdiscus toxicus の出現が 1980 年代から確認されている。一方,日本海沿岸ではシガテラの発生報告がなく,
Gambierdiscus 属の生息も報告されていない。本研究では 2009 年 9 月に若狭湾西部の 6 定点で調査を行い,
Gambierdiscus 属が日本海沿岸においても生息していることを見出した。今後は日本海産
Gambierdiscus 属の詳細な分類や広域的な分布を含め,その毒性や高次捕食魚類の毒化状況など包括的な研究の必要性が示唆される。
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