キタムラサキウニの集団構造を明らかにするため,マイクロサテライト DNA マーカーおよび mtDNA シーケンス分析による集団遺伝学的解析を行った。その結果,本種の地域全体における遺伝的分化の程度は極めて低く(Grobal
FST; msDNA=0.0018, mtDNA=0.029),明確な地理的分化を示さなかった。また mtDNA の Tajima's
D は有意な負の値を示し,本種は数千年から 1 万年程度というごく近い過去にボトルネックによる集団の縮小とその後の急激な拡大を経験していることが示唆された。
抄録全体を表示