日本水産学会誌
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82 巻, 1 号
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巻頭言
報文
  • 百成 渉, 柴田 真生, 加納 光樹, 碓井 星二, 金子 誠也, 佐野 光彦
    2016 年 82 巻 1 号 p. 2-11
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/03
    [早期公開] 公開日: 2015/12/22
    ジャーナル フリー
     茨城県北浦の沖帯から沿岸帯でヌマチチブ仔稚魚の分布と移動および食性を調査した。孵化後数日以内の上屈前仔魚は沖帯の表・中層に分散し,浮遊期稚魚は沖帯の底層に集群した。着底期から底生期の稚魚は沖帯から沿岸帯へと移動した。この接岸移動に伴い,稚魚の主要な餌は動物プランクトンから底生性餌料へと変化した。沿岸帯での底生期稚魚の個体数密度と各環境要因との関係を一般化線形モデルで解析したところ,ヨシ根元のえぐれの奥行と泥分が上位モデルで選択され,本種の底生期稚魚の成育場としてヨシ帯が重要であることが示された。
  • 坪井 潤一, 高木 優也
    2016 年 82 巻 1 号 p. 12-17
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/03
    [早期公開] 公開日: 2015/12/25
    ジャーナル フリー
     全国 13 水系 25 地点において潜水目視によるアユの個体数カウントおよび環境計測を行った。解析の結果,放流量に関係なく,⑴川幅が狭い川ほど,⑵河床に占める長径 25 cm 以上の石の比率が高い川ほど,⑶浮き石の比率が高い川ほど,アユの観察個体数が多いことが明らかになった。また,那珂川において行った調査では,アユの観察個体数と友釣りによる釣獲個体数に正の相関が認められたため,潜水目視で得られたアユの観察個体数は,友釣りの対象となるアユ資源量の指標として有効であることが明らかになった。
  • 大熊 一正, 福田 勝也, 戸嶋 忠良, 小野 郁夫
    2016 年 82 巻 1 号 p. 18-27
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/03
    [早期公開] 公開日: 2015/12/25
    ジャーナル フリー
     北日本の降海型サクラマスでは放流ヤマメとの交配による遺伝的攪乱やスモルト化率への影響が危惧されている。そこで遡上したメスサクラマスにスモルト化率の低い放流用オスヤマメを交配させた群(OKT 群)と千歳川の残留型オスサクラマスと交配させた群(CTS 群)との間でオス成熟率およびスモルト化率を比較したところ,OKT 群のオス成熟率は高く,逆にスモルト化率は低かった。このことから降海型サクラマス資源の保全,回復を図る上でスモルト化率の低いオスの放流ヤマメが影響を及ぼす可能性が示唆された。
  • 平塚 聖一, 羽田 好孝, 小泉 鏡子
    2016 年 82 巻 1 号 p. 28-32
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/03
    [早期公開] 公開日: 2015/12/22
    ジャーナル フリー
     船上で脱血した冷凍カツオの揮発性成分を非脱血群と比較した。脱血群は非脱血群に比べて,アルデヒド類とアルコール類が有意に少なかった。緩衝液中で血液と脂質を混合させると,アルデヒド類とアルコール類の生成が顕著であり,血液のみ,脂質のみではそれらはほとんど生成されなかった。脂質 100 mg に血液 0-100 μL を反応させると,それらの生成は血液の濃度依存的に増加した。カツオ魚肉の臭い成分であるアルデヒド類とアルコール類は,血液と脂質の相互作用により生成し,脱血処理はそれらの低減効果があるものと考えられた。
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水産教育推進委員会主催ミニシンポジウム 初等中等教育における水産を考える
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