全国12のアサリ漁場干潟における線虫類の分布と形態的特徴について底質環境およびマクロベントス現存量との関係を調べた。線虫類の生息密度は有機物量が多く粒径が細粒部に偏り,バクテリア生菌数が多く還元的な干潟で高いと言えた。線虫類の体長や体幅は底質の粒度組成および酸化還元電位といった物理化学的な環境と関係していることが示された。線虫類とマクロベントスの湿重量には正の相関関係があり,線虫類の現存量が高いと考えられる底質環境の干潟では,アサリを含むマクロベントス現存量も高くなる傾向が認められた。
低利用資源であるかつお節出汁殻を高付加価値利用するため,出汁殻を異なる濃度の塩酸で分解し,塩酸濃度が粗タンパク質回収率,分解液の栄養性・呈味性・機能性に及ぼす影響を分析した。粗タンパク質回収率とアミノ酸量は4.0-6.0 mol/L塩酸で最大,分子量180-500の含有量とDPPHラジカル消去活性は4.0 mol/L塩酸で最大,ペプチド量と抗変異原性は1.0-6.0 mol/L間で有意差はなかった。低分子ペプチドを最も多く含有すると思われる4.0 mol/L塩酸による分解が至適であると示された。
ヒスタミンの蓄積が認められたしめさば調味液から,一般生菌数用培地を用いた嫌気培養にて,ヒスタミン生成菌19株を分離した。各種性状から分離株はLactobacillus otakiensisと推定された。分離株の増殖特性を調べた結果,pH3.6以下,水分活性0.939以下,食塩濃度10%以上,2%酢酸添加で増殖が抑制された。調味液温度を8℃以下に保持し,酢酸濃度を制御してpHを4.0以下に保つことでヒスタミン生成菌の増殖を制御できることが示唆された。
インターネットアンケート調査により,2017年の日本の潜在釣り人数を推定した。潜在釣り人数は海面219.5万人,内水面119.0万人,釣り堀・管理釣り場58.3万人であった。釣り堀・管理釣り場を除く自然水面についてみると,潜在釣り人の割合は海面64.8%,内水面35.2%であった。内水面の上位8魚種の潜在釣り人数はアユ26.2万人,バス類24.6万人,ヤマメ・アマゴ16.6万人,フナ類13.2万人,イワナ9.9万人,ニジマス9.6万人,コイ5.9万人,ウグイ2.9万人であった。
日本水産学会誌第85号5号(September 2019)478-486頁「四万十川におけるテナガエビ,ミナミテナガエビ及びヒラテテナガエビの流程分布と体サイズ」(DOI: 10.2331/suisan.18-00056)に誤りがありましたので,訂正いたします。
483 頁 Fig. 7
左下グラフ:PDF参照
485 頁 右段 9 行目
誤:最大体サイズも小さかった(Fig. 2)。
正:最大体サイズも小さかった(Fig. 3)。