膵臓
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23 巻, 6 号
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特集:膵内分泌腫瘍の最近の知見
  • 田中 雅夫
    2008 年 23 巻 6 号 p. 651-653
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    PNETs are classified into two entities, i.e., hormone-secreting and nonfunctioning tumors. Localization of small hormone-secreting symptomatic PNETs is sometimes difficult, while nonfunctioning PNETs are easy to identify. Arterial stimulation and venous sampling is quite useful to localize such tumors. Large nonfunctioning PNETs are often malignant and those larger than 10mm should be resected. The author has experienced an 8-mm nonfunctioning PNET accompanied by lymph node metastasis. Surgical resection provides the only chance for cure, including enucleation, segmental or left pancreatectomy, and pancreatic head resection. These procedures can be performed even under laparoscopy, although laparoscopic pancreatic head resection and pancreatoduodenectomy are still in the investigational phase and should not be applied to gastrinoma. Cytoreduction or debulking surgery may be performed in metastatic cases. Somatostatin analogues, especially the long-acting one, are useful to control symptoms. The mTOR inhibitor RAD001 seems to be an effective antitumor agent, preferably in conjunction with somatostatin.
  • 伊藤 鉄英, 田中 雅夫, 笹野 公伸, 今村 正之, NET Work Japan
    2008 年 23 巻 6 号 p. 654-659
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    日本における神経内分泌腫瘍(NET)の疫学,病態,臨床像,治療の現況などを把握するためNET Work Japanが2004年に設立された.まず2002年から2004年までの3年間の症例を対象に,専門施設において全国実態調査を実施した.次に,膵内分泌腫瘍の罹患数,発症率などを把握するために2005年の1年間に受療した患者を対象として,層化無作為抽出法を用い全国疫学調査を実施した.日本における2005年の膵内分泌腫瘍の年間受療者数は約2,850人,人口10万人あたりの有病患者数は約2.2人,新規発症率は約1.0人と推定された.人口あたりの発症率は米国に比べ高かった.平均年令は57.6才で男女比は1対1.6であった.検診で偶然発見された症例が24%に認められた.膵内分泌腫瘍発症と喫煙·飲酒との相関は認めなかった.MEN-1の合併率は膵内分泌腫瘍全体で10.0%であった.非機能性膵内分泌腫瘍では欧米に比較し低率で6.1%であった.本稿は日本の膵内分泌腫瘍に関する最新の疫学的データである.
  • 笹野 公伸
    2008 年 23 巻 6 号 p. 660-664
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    膵内分泌腫瘍は最近WHOで新たな病理組織学的分類基準が報告された.Well-differentiated endocrine tumor,well-differentiated endocrine carcinoma,poorly-differentiated endocrine carcinoma/小細胞癌,mixed exocrine-endocrine carcinomaの4つの病理組織型に分類し,前2者では更に腫瘍細胞が過剰合成,分泌する膵島ホルモンの種類により細分した.この分類の特徴としては今までその概念が曖昧であった後2者を独立した疾患概念として樹立した事と,well-differentiated tumorを摘出後すなわち術後の臨床経過と関連させて,benign behavior型とuncertain behavior型の2つに分類させた事である.この両者の鑑別は腫瘍径,細胞分裂数,MIB1/Ki67の腫瘍細胞での標識率,脈管,神経への浸潤の有無などの病理組織学的所見に基づいてなされる.これらの指標はいずれも摘出標本を的確に処理しないと正確には得られない所見である事から,膵内分泌腫瘍の患者の診断,治療に従事する者は手術標本の迅速で適切な標本処理が必須である.
  • 泉山 肇, 平田 結喜緒
    2008 年 23 巻 6 号 p. 665-670
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    膵内分泌腫瘍は,機能性·非機能性に分類され,本邦での新規発症数は1.0人/年/10万人と極めて稀である.機能性腫瘍は微小であっても血中ホルモン濃度の上昇により特異的症状が出現することが多く腫瘍の局在診断に難渋することが多い.インスリノーマを除いて悪性度が極めて高く,早期発見·早期治療が重要となる.膵内分泌腫瘍では高率にソマトスタチンレセプターの発現を認めることから,欧米ではオクトレオチドシンチによる転移巣も含めた腫瘍の局在診断の有用性が認められている.しかし,本邦では未承認薬であり一般に検査ができない.局在診断に苦慮し,オクトレオチド投与により腫瘍からのホルモン分泌が抑制される場合は,オクトレオチドシンチによる転移巣を含めた全身検索も念頭に入れ精査する必要がある.
  • 西原 一善, 松永 浩明, 田邊 麗子, 阿部 祐治, 豊島 里志, 小野 稔, 中野 徹, 光山 昌珠
    2008 年 23 巻 6 号 p. 671-675
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    非機能性膵内分泌腫瘍13例(男7:女6)の膵管像につき検討した.8例(62%)に膵管像の異常が見られた.リンパ管浸潤,静脈浸潤,脾静脈浸潤の見られた4例を組織学的悪性例とすると,これら4例とも膵管像に異常が見られた.反対に膵管像に所見が見られなかった5例は組織学的に良性であり,膵管像の変化と組織学的悪性度の関連が示唆された.また膵内分泌腫瘍による膵管の変化は組織学的に,(1)腫瘍による膵管の圧排,(2)腫瘍の膵管内進展,(3)線維性間質を伴った腫瘍による膵管の締め付けに分類できた.(3)は免疫染色でセロトニンにびまん性に陽性で,従来膵カルチノイドといわれていた腫瘍に相当する.
  • 五十嵐 久人, 河邉 顕, 伊藤 鉄英
    2008 年 23 巻 6 号 p. 676-684
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    インスリノーマは膵の機能性内分泌腫瘍のうち最も頻度が高く,年間100万人あたり1∼3人の罹患率が推定されている.約10%が多発性,10%以下の症例で悪性,5∼10%がMEN-1症例であった.インスリノーマの診断は低血糖症状や,絶食試験,絶食グルカゴン試験,グルコースクランプ法などの種々の試験にて行われる.インスリノーマと診断されたら治療方針決定のため正確な局在診断が必要で,腹部超音波検査,腹部CT/MRI,超音波内視鏡,選択的動脈内カルシウム注入法(ASVS)などの画像診断が行われる.内科的治療法は手術不能症例や手術を希望しない症例に対して考慮される.有肝転移症例に対しては,これまでmass reductionとしての手術療法,ラジオ波焼灼術,肝動脈塞栓術,全身化学療法や分子標的薬を用いた治療が行われてきている.しかし未だに治療のコンセンサスが得られていないのが現状である.
  • 河本 泉, 今村 正之
    2008 年 23 巻 6 号 p. 685-690
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    膵消化管内分泌腫瘍(GEPNET)は比較的悪性度が低いといわれているが,微細なガストリノーマでも転移をきたしていることが多い.GEPNETの根治的治療法は外科的切除のみであるが,転移の広がりによっては根治的手術が困難な場合や手術適応とならない場合がある.CTなどの画像検査だけでなく,内視鏡検査,選択的動脈内刺激薬注入法など複数の検査を併用して正確な腫瘍局在診断を行い,手術の適応を検討することが大切である.手術適応とならないガストリノーマの標準的治療法は確立していない.このようなガストリノーマに対しても全身化学療法,ソマトスタチンアナログ,肝動脈塞栓術,肝動脈化学塞栓療法などを組み合わせた集学的治療を行うことで予後の延長が期待でき,積極的に治療を行うことが重要と考える.
  • 大塚 隆生, 宮崎 耕治
    2008 年 23 巻 6 号 p. 691-696
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    膵内分泌腫瘍では非機能性腫瘍の頻度が最も高く,インスリノーマ,ガストリノーマと続く.その他のホルモン産生腫瘍は極めて稀であり,特異的なホルモン過剰症状を呈さないものも多く,術前に診断できるものは少ない.最終的には切除標本による免疫染色でホルモン産生を証明する必要があるが,検索が不十分であると非機能性腫瘍と診断されてしまうことがある.また単一のホルモンのみではなく複数のホルモンを産生するものの頻度が比較的高いことを認識しておく.稀な機能性膵内分泌腫瘍の画像上の特徴は,頻度の高い腫瘍と基本的には変わらない.またその半数以上が肝·リンパ節転移を伴う悪性腫瘍であり,転移巣を含めた切除術を第一に検討する.切除不能進行·再発例にはストレプトゾトシンを中心とした化学療法,ソマトスタチンアナログ,分子標的治療剤が使用される.産生されるホルモンにより治療選択が違うわけではないが,ソマトスタチノーマにはソマトスタチン受容体の発現がないため,ソマトスタチンアナログの効果は期待できない.
  • 土井 隆一郎, 増井 俊彦, 上本 伸二
    2008 年 23 巻 6 号 p. 697-702
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    膵内分泌腫瘍は膵腫瘍全体の約1から2%を占める比較的まれな疾患である.ホルモンの産生·分泌の有無から機能性腫瘍と非機能性腫瘍に分類される.非機能性腫瘍は非症候性内分泌腫瘍とほぼ同義としてよい.非機能性内分泌腫瘍は膵内分泌腫瘍全体の50∼60%を占め,同時性に遠隔転移をきたす割合が60%と高率である.臨床的にはすべての非機能性内分泌腫瘍は遠隔転移をきたす可能性を持った潜在的悪性腫瘍と考えてよい.症状をきたさない非機能性内分泌腫瘍は診断,治療において機能性腫瘍とやや違ったアプローチが必要となる.有用な検査法として,血中クロモグラニンA測定,ソマトスタチン受容体シンチグラムがあるが,日本では保険適応がない.外科切除が望ましいが,根治切除ができない場合には,ソマトスタチンアナログ,インターフェロンα,化学療法剤,分子標的治療剤などを組み合わせて用いる.
  • 木村 理
    2008 年 23 巻 6 号 p. 703-709
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    膵内分泌腫瘍の外科治療法について概説した.原発巣に対しては,腫瘍核出術,脾温存尾側膵切除術,脾臓摘出術を加えた膵体尾部切除術,膵頭十二指腸切除術やまれに十二指腸温存膵頭切除術などが症例に応じて選択される.悪性度の高いもの,リンパ節転移が疑われるものには予防的リンパ節郭清を考慮する.肝転移巣に対しては外科治療が第一選択となるが,化学療法やホルモン療法などの集学的治療が重要である.
    膵腫瘍核出術および脾温存膵体尾部切除術の手術手技について詳しく述べた.
  • 高野 幸路
    2008 年 23 巻 6 号 p. 710-715
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    機能性の神経内分泌腫瘍では,腫瘍としての問題(腫瘍増大·浸潤,遠隔転移)に加えてホルモン過剰分泌によるさまざまな症状が出現し,患者を苦しめる.機能性神経内分泌腫瘍には進行が緩徐で経過が長いものが多い.この間,腫瘍よりもホルモン過剰症状が患者を日々煩わし,生活の質を著しく損ね,生命予後も悪化させる.一方,非機能性腫瘍は遠隔転移後にみつかることも多く手術で根治できないことも多い.ホルモンの過剰分泌の抑制,転移性神経内分泌腫瘍の治療にソマトスタチンアナログが有効でありその導入により患者のQOLの改善,stable diseaseの維持が可能になっている.本稿では,ソマトスタチンアナログの特徴,適応,有用性について述べる.
  • 奥坂 拓志, 上野 秀樹, 森実 千種, 近藤 俊輔, 池田 公史, 仲地 耕平, 光永 修一
    2008 年 23 巻 6 号 p. 716-719
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    膵内分泌腫瘍には複数の増殖因子やその受容体が高発現していることが明らかにされており,これらの増殖活性を阻害する分子標的治療薬の臨床的な効果が期待されている.分子標的治療薬を用いた大規模な臨床試験は主に低悪性度の膵内分泌腫瘍を対象としており,近い将来,本領域における標準治療薬となる可能性が高いと考えられている.
原著
  • 天野 幸子, 桑鶴 良平, 清水 京子, 白鳥 敬子, 山本 雅一
    2008 年 23 巻 6 号 p. 720-725
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    膵頭部癌では門脈(PV),膵後方浸潤(RP),動脈(A)への癌浸潤が重要な予後因子となり,正確に診断することが生命予後の改善に繋がると考える.我々はcurved planar reformation(CPR)画像を作成し,従来のMPR画像との有用性を比較検討した.対象は膵頭部癌症例のうち術前のMDCT画像と,病理所見を比較し得た7例である.7例中,4例はMPR,CPR画像がともにPV,RP,Aの3因子が全て病理所見と合致し,2例は,MPR画像のみが3因子全て病理所見と合致した.1例は,CPR画像のみが3因子全て病理所見と合致した.RP因子の正診率はMPR画像85.7%に対しCPR画像72.1%であった.CPR画像は膵管主体の断面であり,膵内外癌浸潤の診断に有用であるが,周囲の画像には歪みが生じるため単独での進展度診断は困難である.CPR画像とMPR画像の併用が進展度診断に有用である.
症例報告
  • 高澤 磨, 藤田 直孝, 野田 裕, 小林 剛, 伊藤 啓, 洞口 淳, 尾花 貴志, 中原 一有
    2008 年 23 巻 6 号 p. 726-733
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    患者は78歳の男性.黄疸を主訴に当科へ紹介となった.腹部超音波検査では,膵頭部に辺縁不整な低エコー腫瘤が指摘された.肝外,肝内胆管拡張,および肝内に多数の低エコー腫瘤を認めた.胆道ドレナージを目的にERCPを試みたが,癌浸潤に伴う十二指腸狭窄にて不成功で,胃内から肝外胆管を標的胆管として,超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージ(ESBD:Endosonography-guided biliary drainage)を施行した.肝転移により手術適応無く,減黄後gemcitabine化学療法を導入した.その後,十二指腸狭窄が増悪し食事摂取が困難となったために,内視鏡下に十二指腸ステント留置を行った.内視鏡治療により良好なQOLが得られたが,初診から約6ヶ月後に原病死となった.化学療法の進歩した現在,全身状態の改善をめざした悪性胆道·消化管狭窄に対する内視鏡的interventionは,積極的に試みるべきと考えられた.
  • 上田 純志, 中村 慶春, 内田 英二, 相本 隆幸, 張 一光, 川本 聖郎, 田尻 孝
    2008 年 23 巻 6 号 p. 734-738
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    症例は40歳,女性.多発神経炎にて当院神経内科入院中に施行した腹部CT検査において膵尾部腫瘍を指摘され,精査加療目的で当科に紹介された.腹部CT検査にて辺縁整,内部均一な約6cm大の腫瘍性病変が膵尾部に認められ,脾門部に接していた.脾門部を中心に側副血行路が認められた.腹部MRI検査では膵尾部にT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を呈す,辺縁整の6cm大の嚢胞性病変が認められた.T1強調画像では内部に隔壁構造を認めた.血管造影検査では脾静脈が閉塞し求肝性の側副血行路が認められた.以上,画像診断より脾静脈閉塞により側副血行路の発達した膵粘液性嚢胞腺腫と診断し,腹腔鏡下尾側膵切除術を施行した.われわれの施設では膵体尾部疾患に対し現在まで20例以上に腹腔鏡下尾側膵切除術を施行し良好な結果が得られている.発達した側副血行路を合併した症例でも鏡視下手術が有効であると考えられた.
  • 片桐 寛之, 原 敦子, 三浦 啓壽, 石井 健一郎, 板橋 浩一, 高橋 禎人, 古田 一徳, 木田 光広, 大部 誠, 渡邊 昌彦
    2008 年 23 巻 6 号 p. 739-747
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    膵腺房細胞癌は非常にまれで,予後の悪い腫瘍と考えられてきた.今回,切除に至り術後補助化学療法の有効性が示唆された1例を経験したので臨床病理学的検討をくわえ報告する.症例は50代男性.体重減少と糖尿病の増悪のため精査入院となった.CTで膵頭部に3cm大の乏血性腫瘤と傍大動脈リンパ節腫大を認めた.手術適応外の膵癌と考えEUS下膵生検を施行した.その病理所見はIslet cell tumor疑いで,経過中2ヶ月間で腫瘍は7cm大まで発育しPDを施行した.永久標本の病理所見では好酸性腫瘍細胞が腺房構造性に増生し,免疫染色ではトリプシン陽性で電顕上チモーゲン顆粒を認め膵腺房細胞癌と診断された.術前生検組織を再検討した結果,膵酵素陽性であり術前診断の可能性が示唆された.術後腫瘍マーカーが正常化せずGemcitabine(GEM)を導入したところ漸次低下し術後6ヶ月経過した現在再発を認めていない.
  • 佐近 雅宏, 濱田 浄司, 関野 康, 沖田 浩一, 草間 啓, 関 仁誌, 宗像 康博, 越知 泰英, 保坂 典子
    2008 年 23 巻 6 号 p. 748-754
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
    症例は64歳の男性で,2002年6月に他院で直腸癌に対し超低位前方切除術を施行し(stage I),術後は当科にて経過観察していた.2004年6月には右肺S1転移に対して右上葉切除術を施行した.2006年7月のCTにて膵尾部に低吸収域を認め,当初は膵臓の炎症性腫瘤を最も疑い経過を見ていた.緩徐な増大の経過であったが,2007年4月のCTで膵腫瘍は明らかに増大した.ERCP施行にて膵管の途絶像を認め,擦過細胞診でclass Vとなり,膵癌の術前診断で同年6月に膵体尾部切除術を施行した.病理組織学的検討により前回の肺転移病巣と今回の膵病変の組織像は酷似しており,CK7, CK20による免疫組織学的検討により,ともにCK7陰性,CK20陽性で,直腸癌の異時性孤立性転移と判断した.術後12か月現在無再発にて経過観察中である.
Selected Expanded Abstract
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