膵臓
Online ISSN : 1881-2805
Print ISSN : 0913-0071
ISSN-L : 0913-0071
25 巻 , 5 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
ガイドライン
症例報告
  • 高松 徹, 上原 健志, 池谷 敬, 東海 浩一, 池田 正俊, 牛丸 信也, 浅野 岳春, 松本 吏弘, 岩城 孝明, 福西 昌徳, 鷺原 ...
    2010 年 25 巻 5 号 p. 578-584
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    症例は30歳女性で,心窩部痛,嘔気を主訴に近医を受診し,膵腫瘍の診断で当院へ精査目的に紹介となった.腹部超音波では膵鉤部に20mm大の低エコー腫瘤を認め,内部に明らかな嚢胞成分や石灰化は認めなかった.腹部造影CTでは暫時的に辺縁より造影される低吸収腫瘤で,周囲への浸潤や膵管拡張は認めなかった.ERPでは膵管非癒合を認めたが,膵管の圧排,狭窄像や偏位は認めなかった.FDG-PETでは高集積を示した.充実性のsolid pseudopapillary tumor(SPT)と診断し膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的にはpseudopapillary patternは目立たず類円形細胞が増殖し均一な組織像であったが,chromogranin A陰性,CD56陰性,synaptophysin陽性,EMA陰性,CD10陽性を示し膵SPTと診断した.膵管癒合不全を伴ったSPTの報告は本症例含め2例のみであり,稀な症例と考えられたため報告する.
  • 松本 育子, 貝沼 修, 山本 宏, 趙 明浩, 郡司 久, 宮崎 彰成
    2010 年 25 巻 5 号 p. 585-590
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    症例は58歳女性.心窩部痛・発熱を主訴に近医受診.当初腫瘍随伴性膵炎として治療開始されたが症状のコントロール困難で当院紹介された.好中球数の増多を伴う膵腫瘍との診断で精査加療目的入院.血清中G-CSF高値を示し,超音波内視鏡下生検の病理診断では低分化型腺癌であり,免疫組織学的にG-CSF産生膵癌と診断した.CT上根治手術困難な状態であったため,全身化学療法を開始し,同時にステロイドの投与を行った.治療開始1ヶ月後に好中球はほぼ正常化し退院したが,その後すぐに好中球は再上昇し入院.治療開始2ヶ月後に永眠した.G-CSF産生膵癌の報告は散見されるが,病態にいまだ不明な点も多いため若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 山極 哲也, 池谷 伸一, 草野 昌男, 土佐 正規, 島田 憲宏, 大楽 尚弘, 小島 敏明, 織内 竜生, 中山 晴夫, 樋渡 信夫, ...
    2010 年 25 巻 5 号 p. 591-598
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    症例は72歳男性.下痢を主訴に近医を受診し,腹部腫瘍を指摘され当院へ紹介となった.腹部CTでは膵鉤部から上腸間膜動脈を巻き込む腫瘍を認めた.CA19-9やDUPAN-2などの腫瘍マーカーの上昇は認めなかった.治療方針決定のため開腹下腫瘍生検を行い,退形成性膵管癌と診断した.S-1による化学療法を開始したが,閉塞性黄疸を併発した.経皮経肝的胆道ドレナージ術(PTBD)を施行し,黄疸の改善を認めたが,病状の進行は早く,初診より約4カ月の経過で死亡した.経過に従い白血球数の著増を認めた(93400/μl ).血中G-CSFの上昇(312pg/ml )を認めており,剖検にて腫瘍のG-CSF免疫染色陽性が確認され,G-CSF産生退形成性膵管癌(多形細胞型)と診断した.
  • 臼井 正信, 加藤 宏之, 信岡 祐, 安積 良紀, 岸和田 昌之, 濱田 賢司, 水野 修吾, 櫻井 洋至, 田端 正己, 伊佐地 秀司, ...
    2010 年 25 巻 5 号 p. 599-605
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/11/29
    ジャーナル フリー
    症例は80歳男性.近医で軽度の肝機能異常を指摘され,腹部超音波検査を受けたところ膵体部に20mm大の内部エコー均一な低エコー腫瘤を指摘され当院に精査入院.造影CTでは,膵体部に動脈相で造影効果に乏しく,門脈相で腫瘍辺縁部に軽度の造影効果を示す20mm大の腫瘍を認め,FDG-PETでは,SUV 3.3と軽度の集積を認めた.内分泌腫瘍を疑い血中膵ホルモンを測定するとグルカゴンが610pg/ml と上昇していた.確定診断のためにEUS-FNABを施行した.組織所見では内分泌腫瘍と考えられ,免疫染色でグルカゴン陽性であった.無症候性グルカゴノーマの診断で,腹腔鏡補助下に脾合併膵体尾部切除を行った.切除標本では,25mm大の白色調腫瘍を認め,免疫染色でグルカゴン陽性であり,また脾動脈周囲リンパ節転移を認め,well differentiated endocrine carcinoma(glucagonoma)と診断された.術後3年の現在再発無く元気である.
feedback
Top