食塩中に混入している鉄粉を除去する方法として現在乾式の磁選法が用いられているが, 乾式法では「並塩] のように水分が2%程度の場合にはほとんど除鉄効果が無い.
したがつて, 本試験はスラリー工程における湿式法による除鉄効果を確めるためフイルター型, プレート型およびドラム型の各湿式磁気選別機を用い「並塩」中の除鉄性能比較試験を行なつた. 結果は次の通りである.
1) 除鉄性能はフイルター型が最も優れており, 原料塩中の磁性鉄粉混入量が塩1kg当たり平均約3mgの場合磁選後の残留鉄粉量は流量1.8ton/hr, 13ton/hrで0.01mgに低減した. この場合の除去率はそれぞれ99.8%および96%であつた.
2) プレート型およびドラム型では, 5 ton/hr以下の低流量の場合で除去率がそれぞれ60~70%であつた.
3) 市販塩中の鉄粉量と対比するとフイルター型による除鉄効果は精製塩中の鉄粉量 (塩1kg当たり約0.04mg) とほぼ匹敵する.
4) 以上の結果から, スラリー工程において湿式磁気選別機による除鉄効果は十分実用性があることが判明した.
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