日本海水学会誌
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20 巻, 4 号
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  • 橋爪 正男
    1967 年 20 巻 4 号 p. 189-204
    発行日: 1967年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 食塩の固結機構について (第7報)
    増沢 力, 米井 祥男
    1967 年 20 巻 4 号 p. 205-218
    発行日: 1967年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    並塩の推定表面附着液の組成と缶内液組成との関係を検討するため錦海, 内海の両工場を対象に一週間にわたつて調査して次の結果を得た.
    1. 錦海工場の缶内液組成は他の大部分の製塩工場と同じくほぼ海水濃縮線上にあり, 各dt15とナトリウム, カリウムおよびマグネシウムの各イオンなどの組成とはdt15が1.20~1.30の範囲で直線関係にある.
    2. 内海工場の缶内液は海水濃縮線からはずれている. dt15と各組成は直線関係にない.
    3. 錦海の表面附着液には少量の, 内海の表面附着液にはかなり多量の硫酸イオンを含む塩類が存在し, 附着液組成は硫酸イオンに富む.このため内海の並塩の方が, 錦海の並塩よりも大きい固結傾向を持つと考えられ, 固結調査の結果と一致した.
    4. 缶内液, 母液スケールなどから得られた液底体には塩化ナトリウム以外に硫酸マグネシウム7水塩および6水塩 (MgSO4・7H2O, MgSO4・6H2O), カイナイト (kainite) およびグラベライト (glauberite) が認められた.
  • 海水の冷凍脱塩に関する研究 (第3報)
    川崎 成武, 小水 秀男
    1967 年 20 巻 4 号 p. 219-224
    発行日: 1967年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    AAs one of the basic reseaches on saline water conversion by freezing, a study on the drainage of the packed bed of ice crystal particles by centrifugal filter was made using two kinds of ice crystal particles of 0.14 and 0.47 mm in mean surface diameter, sand of 48/65 mesh, and crushed quartz sand of 24/28 mesh.
    The saturations of the residual liquid in the packed bed of these particles were measured at a few minutes intervals during the drainage. From the results, it was found that the drainage of ice crystal particles by centrifugal force were as follows:
    (1) With higher centrifugal effect (Z>300), the saturation of the residual brine in ice crystals bed differed from that of the residual liquid in sand beds, and the former was lower than the latter. This phenomenon seemed to be due to the partial melting of ice crystals caused by presssure owing to the centrifugal force and due to the self-washing.
    (2) with lower centrifugal effect (Z<160), the melting of ice crystals was hardly observed and the saturation of the residual brine in the ice crystals bed could be treated in the similar manner to that in sand beds. And, assuming that the drainage was dominated mainly by film flow, the relation between the saturation (S) and drainage time (t) or centrifugal effect (Z) was as follows:
    (S-S∞)=m (ρmKZt/μεL)n
    m=2.0 (±1.0), n=-0.5
    where S∞is residual equilibrium saturation, ρm is density of liquid, μ is viscosity, K, ε and L is permeability, porosity and thickness of the packed bed of particles respectively.
  • 松尾 哲男, 能村 恵美子
    1967 年 20 巻 4 号 p. 225-230
    発行日: 1967年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    m-およびp-PDTUはm-およびp-PDA-2HClとチオシアン酸アンモニウムより簡単に製造され, レゾルシンと容易に縮合して単位構造中に2このチオ尿素基を含む樹脂m-およびp-PRが得られる.
    この二つの樹脂の水銀, 銀に対する吸着能をpH滴定曲線法によつて判定し, キレートの生成を認めた.
    次に水銀, 銀について吸着量を測定した結果, 二つの樹脂の間にはとくに銀についてあまり差は認められなかつた.
    また, この二つの樹脂の吸着能を北条によつて合成された3HPTU-フェノール樹脂 (単位構造中にチオ尿素基を一こ含む) の吸着能と比較した. 樹脂m-PRおよびp-PRを通しての最大の吸着量はp-PRの水銀に対する吸着量1.6mmol/gで, その理論上の最大吸着量が5.52mmol/gであるのに対して, 3HPTU-フェノーノレ樹脂の理論上の最大吸着量は3.45mmol/gで, 最大実測値は水銀の2.2mmol/gであつた. すなわち, でm-PRおよびp-PRは交換基の数が2倍であるにもかかわらず吸着量が少ない, という結果を生じた. これはチオ尿素基が大きな交換基であり, その位置が樹脂化によつて固定されたためにキレート環をつくる空間が第2のチオ尿素基で狭められたためであると考えられ, m-PRとp-PRの間に差がみられなかつたのも上記と同じ原因のためと考えられる.
  • 天野 一雄, 岡 俊平
    1967 年 20 巻 4 号 p. 230-236
    発行日: 1967年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    以上, 種々の条件で電解し, 得られた水マグについてX線回折を行ないその半価幅から結晶子の大きさを求めたところ,
    1) 結晶子の大きさは溶液の種類によつて異なり, 塩化マグネシウム溶液では, 高さは約75Å, 長さは約300Å, 体積はほぼ45×10-19cm3である. 硫酸マグネシウム溶液では, 高さ約45Å, 長さ約200Å, 体積11×10-19cm3で, 前者よりも反射面に垂直な方向に於ける結晶子の厚みで約2/3, 体積では1/4の大きさである. このように, 小さな結晶子にもかかわらず, ロ過洗滌に優れているのは凝集しているためである. さらに硫酸マグネシウム溶液より生成された水マグの方がロ過洗滌および乾燥に特に優れているのは凝集性が一層優れているからである.
    2) 結晶子の大きさは溶液の濃度, 電流密度, 通電時間, 食塩添加には関係ないが, 撹拌数が少なく結晶子が陰極板に付着すると結晶成長が認められた.
    硫酸マグネシウム溶液では食塩を添加すると, 添加量の増加に従つて結晶成長が認められた.
    3) 塩化マグネシウム溶液では経時変化はあまりないが硫酸マグネシウム溶液では, 21日目迄は大きく成長するが, それ以後は成長する速度がにぶくなる.
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