本稿でほ発電と造水の組合せの必要性から火力・原子力発電あるいはガスターピンと造水プラントの組合せ方式, 組合せ造水容量などを概括するとともに造水コストの試算例について紹介し, その展望を試みた.
(1), 既設火力発電所への抽気組合せは300MWe級スチームターピンに対して造水容量20,000TPD程度が容易に考えられ, 将来都市, 工場地帯周辺に分散する火力発電所から50,000~100,000TPDの地域給水が可能であり, 発電所の利用率の向上, 老朽化対策になると考えられる.
(2), 安価でしかも大量の熱源供給という点で大容量造水・発電の二重目的プラントは原子力発電との組合せが必然的である. 現状での単一原子炉熱出力に対する発電と造水の最大組合せ容量は625MWeと900,000TPD程度までである.
(3), 電力と水の限定地域あるいは工場への同時供給を目的としてガスタービンとの組合せが考えられ, 13.5MWeと9,000TPDが供給できる.
(4), 造水コストとして装置建設費の低減努力により, 大容量プラントで40yen/ton程度に展望されるが, 現状の試算例では造水容量数千TPDまでの抽気組合せで, 70円/ton以上, 200,000TPD級の二重目的プラントで60円/ton近辺になっている.
(5), 組合せ対象とする抽気あるいは背気の単価試算法についてまとめ, それは組合せ圧力により変るが100-200円It-Steamに評価できる.
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