陽イオン交換膜に, 2価陽イオン難透過性を与えるために給液に添加するα液の効果を, 膜セル数300対, 有効膜面積115dm
2の水槽型装置により, 種々な運転条件のもとで試験した. 結果は次のとおりであつた.
1) 給液へのα液の添加量が大きい程, 高い純塩率が得られた.
2) 給液のpHを低下させると, 純塩率は直線的に増大した.
3) 給液の脱塩率 (NaClの利用率) を増大すると, 純塩率はわずかに低下した.
4) 脱塩室内に空気を吹込み溶液を攪拌しても, 純塩率への影響はわずかであつた.
5) 膜面の付着物を除去すると, 純塩率が増大するのが認められた. また, セル電圧は減少した.
6)(Cl-Ca-Mg)(N)×100/Cl (N) で表わした純塩率が95%以下のときは, 純塩率の増大に伴ないセル電圧が減少し, 95%以上のときはセル電圧はかえつて増大した.
7) 脱塩室に0.1Nの塩酸液を循環して膜面を4~24時間程洗浄すると, α 液む効果が増大するのが認められた.
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