日本海水学会誌
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27 巻, 5 号
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  • 食用および工業用岩塩中の微量無機成分元素の原子吸光分析に関する研究 (第1報)
    武者 宗一郎
    1974 年 27 巻 5 号 p. 255-262
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    When a quantitative analysis on the trace of microgram arsenic contained in salt was conducted by atomic absorption spectrophotometry, the arsenic was reduced to arsine as the result of employment of zinc and hydrochloric acid.
    This arsine was trapped in solid form in a U-tube filled with glass beads which had been frozen with liquid nitrogen around-150°, and then evaporated from the U-tube to the room temperature. The gaseous arsine was swept out with nitrogen into a premixed argon-hydrogen flame for absorption measurement. The atomic absorption for the arsenic was measured at the 193.7nm resonance radiated from an electrodeless discharge lamp.
    This atomic absorption method indicated that although most of the elements gave no interference with the production of arsine, tellurite and nitrate ions interfered with the reduction of arsenic to arsine.
    In case 2 gram salt was used as sample, the most suitable optimum sample weight for arsenic was between 0.05 and 0.4μg. In this range of arsenic, the variation coefficient of the measurement of atomic arsenic was found to be about 7%, and the sensitivity for 1% absorption for arsenic was 6×10-9g.
    When the amount of arsenic contained in salt was determined by the above method, the salt produced by old-fashioned making method was found to contain nearly the same amount of arsenic as natural sea-water, but the one produced and extremely refined by the modern making method was found to contain so little that no arsenic could be detected. This pointed out an environmental problem that the human-kind would have to eat salt containing no arsenic in the future.
  • 海水濃縮におけるスケール防止に関する研究 (第4報)
    杉田 静雄, 石川 哲三, 小野 充夫, 曽我 清己, 小橋 美佐江, 二宮 直義
    1974 年 27 巻 5 号 p. 263-271
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    前報にひき続き, 6段フラッシュ蒸発装置によるスケール防止試験について, かん水中のスケール成分の動向, 付着スケールおよび種晶の組成と結晶形などについて検討を行なった.その結果,
    1) 抑制剤添加法の場合, 総括伝熱係数が著しく低下した.この原因はスケールが軟質泥状化したためである.
    2) アルカリ併用種晶添加法においては, 脱炭酸反応とともに, 種晶の成分である炭酸カルシウムと水酸化マグネシウムとが生成した.
    3) かん水温度と付着スケール成分との関係, また抑制剤添加法, アルカリ添加法, 種晶添加法, アルカリ併用種晶添加法についてスケール防止効果の相互関孫が明らかにされた.
  • 製塩装置の腐食および防食に関する試験 (第12報)
    長岡 幸男, 相田 四郎
    1974 年 27 巻 5 号 p. 272-284
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    製塩装置にステンレス鋼加熱器を用いた場合の適正材料, 施工, 使用上の問題点についての資料を得るため, 実地2工場の結晶缶に小型モデル加熱器を付設し, 腐食試験を実施し, 次の結果を得た.
    1) 再製塩プラントにおける延7, 113時間の試験結果では, 供試伝熱管のSUS304 (2本), SUS316 (3本), SUS316L (3本) のいずれにも応力腐食割れが発生しなかった.しかし, SUS316L以外の伝熱管は液出入口端に孔食, デポジットアタックを発生していた.SUS316Lの液出口側管板にはほとんど腐食がみられなかったが, SUS304の液入口側管板には伝熱管装着のための拡管部, 溶接部近傍にご応力腐食割れがみられた.SUS316の水室は溶接ビードに若干の腐食がみられた.
    2) イオン製塩プラントにおける延5,737時間の試験結果では, 供試伝熱管のSUS304 (2本), SUS 304L (4本), SUS316L (4本), SUS329J1 (3本) 中, SUS316L (1本), SUS329J1 (3本) を除き, いずれも貫粒型の応力腐食割れを発生した.割れの発生位置は, SUS304, 304Lの各1本は液出口側管端の溶接装着部の近傍, その他は管板外の中間部である.伝熱管中間部に発生した割れの原因は, 管東組立の管端溶接で生じた塑性変形部の引張残留応力によるものと考えられる.また, いずれの管も中央部にデポジットアタック状の孔食が発生し, SUS304およびSUS304Lの電縫管の溶接ビードが激しい腐食を受けた.SUS316Lの上部管板, SUS316の上部水室にデポジットアタックおよび応力腐食割れ, SUS316Lの下部管板, SUS316の下部水室の溶接部近傍に応力腐食割れを発生した.このように, イオン製塩プラントでの腐食状態が再製塩プラントのそれにくらべ激しかったのは, 腐食媒としての塩化マグネシウム濃度が大きいためと考えられる.
    3) 上記の結果から, 製塩プラントにおけるステンレス鋼伝熱管材料としては, 耐食性の点からSUS329J1がすぐれており, とくに腐食条件の過酷なイオン製塩プラントの高温度域の結晶缶用として有望な材料と考えられる.SUS316, SUS316L級材料は, 再製塩プラントの結晶缶用, イオン製塩プラントの低温度域結晶缶あるいは濃縮缶用としては使用可能と考えられる.
    4) 伝熱管の管板への装着方法と応力腐食割れの関係については, 明確な結論が得られなかった.
  • 製塩装置の腐食および防食に関する試験
    長岡 幸男, 伊豆浦 宏, 鍵和田 賢一
    1974 年 27 巻 5 号 p. 285-294
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    製塩蒸発缶の異種金属構成加熱器にご外部電源方式による防食法の確立を目的として防食施工上の基礎的知見ならびにご防食効果について究明し次の結果を得た.
    1) 静置30℃ の母液中の防食電位は飽和甘汞電極基準で銅-500mV, ネーバル黄銅-650mV, ステンレス鋼-800mV付近にある.3者を組み合わせた場合には-700mV以下に保持することによってほぼ各金属の防食が達成される.
    2) ステンレス鋼水室, ネーバル黄銅管板, 銅伝熱管 (内径16, 6mm, 管長990mm) の異種金属構成加熱器の水室に通電陽極を取り付け, 温度112℃, 流速2m/sec, スラリー濃度15%, 試験時間120時間の条件で印加電圧2.0~3.5V陰極電位-800mV, 電流密度, 0.8A/m2で通電を行なった結果, 水室, 管板, 伝熱管管端部とも完全防食された.-600mV (電流密度0.3A/m2) では管板が完全防食されなかった.しかし, 基礎実験結果から-700mVと-800mV.での防食効果に差がないので, 防食電位は-700mV基準としてよいと考えられる.
    3) 上記条件で水室に電極を設置した場合の伝熱管内の防食電流到達距離は, 基礎試験における管内電位分布の測定および実証試験における腐食度分布の測定結果から, 管板より100mm程度と考えられる. これらは電解にごよる析出物の付着量の分布ともほぼ対応している.
    4) 不溶性電極としては, 電流発生量が多く機械的強度の高い白金被膜チタンが適当と考えられ, 基準電極としての高純度亜鉛はガラスウールを充填した保護ガラス管に取付ける方式が安定した性能を示した.
    5) 伝熱管内に電解被覆されるMg (OH) 2およびCaCO3は管端部分がミ多いが, いずれも限界付着速度 (0.03g/m2hr) 以下であった.
    6) 通電時に電解により発生するCl2の量は印加電圧2.2~3Vで0.1ppmであり, 装置の二次的腐食は問題とならないと考えられる.
    7) 以上の結果から, 製塩蒸発缶加熱器の外部電源法にごよる防食ば実用可能と考えられる.
  • 木村 尚史
    1974 年 27 巻 5 号 p. 295-299
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 永美 益夫
    1974 年 27 巻 5 号 p. 300-304
    発行日: 1974年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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