日本海水学会誌
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29 巻, 5 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 伊ヶ崎 文和, 外山 茂樹, 佐藤 真士, 菅田 孟
    1976 年 29 巻 5 号 p. 187-198
    発行日: 1976年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    伝熱管内に付着したスケール・スラッジ等の洗浄方法の一つであるスポンジボール洗浄について, 最適操作条件を決定する変数として洗浄周期, ボール総数を取り, 一般的な評価関数式を提案した. その関数は蒸気損失費, ボール損失費から成っており次式で与えられる.
    ただし
    このモデルを多段フラッシュ蒸発装置のボール洗浄な想定した最適計算に適用した. 計算プログラムはまず任意時間の各モジュールの総括伝熱係数を計算し, 各段ごとの繰り返し計算を含む詳細なシミュレーション用のものである. またボール洗浄期間の装置の状態も計算される. 最適操作に及ぼすボール損失率, スラッジ除去率, 汚れ係数, 蒸気コスト, ボールコストの影響を検討した. 得られた知見は次のとおりである.
    (1) スポンジボール洗浄操作において, ボールコストは洗浄周期が短い場合に, 蒸気コストは長い場合に支配的因子となり, 両者の評価関数に占める割合が同程度になったときが最適洗浄周期を与える.
    (2) 使用するボール総数Mは多くして, ボール循環回数を少なくした方がよい.
    (3) 最適洗浄周期, 評価関数の汚れに対する感度はあまり大きくないが, 汚れ係数が変化する可能性のある範囲において, 最適洗浄周期は約2倍変化する.
    (4) ボールコストを低下することによる効果は期待できる.
    また, スポンジボール洗浄はスケール等の軟質化対策によって, さらに汎用性が得られる.
  • 製塩における缶内液に関する研究 (第27報)
    増沢 力, 米井 祥男, 松本 多恵子
    1976 年 29 巻 5 号 p. 199-208
    発行日: 1976年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    韓国天日塩の品質およびかん水, 結晶池母液組成について検討し, 次の結果を得た.
    1. 韓国天日塩は, 塩化ナトリウム純度88~91%, 水分6~7%, 不溶解分0.3~0.5%, マグネシウム0.3~0.4%, カルシウム0.09~0.17%程度であり, メキシコ, ナーストラリア産の天日塩の品質に比較してかなり劣っている.
    2. 韓国天日塩は, 1~2mmの空隙の多い結晶で, 結晶内に多量の母液を含み, 同時に一辺5~20μm程度の液泡を多数含んでいる.
    3. 成績が悪いといわれる蘇莱塩田のかん水, 結晶池母液および塩について検討した結果, かん水はほぼ海水濃縮線上にあるが, 結晶池母液は30~32°Beと一般の他の塩田より濃縮がかなり進んでおり, 海水濃縮線からMgSO4の組成点の方向へずれていた.
    4. 韓国天日塩の品質が劣る原因は, 結晶を30~32°Beと濃縮の進んだ結晶池母液から晶出させるため, 結晶内部に液泡が多いこと, 結晶池は10mm程度の浅い水深とするため, 結晶は {111} の方向に急速に成長し, 空隙が多く, その間に母液が多く含まれることおよび1~2日の短期採塩を行なうため, 結晶粒子が1~2mmと小さいことであると推定された.
    5. 韓国天日塩の見かけ密度は粗0.7~0.8g/cm3, 密1.0~1.1g/cm3と他の天日塩の値より小さかった.
  • 田中 良修
    1976 年 29 巻 5 号 p. 209-217
    発行日: 1976年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    (1) 塩化ナトリウム水溶液中におかれたイオン交換膜の膜電位の測定から拡散層におけるイオンの濃度変化, および拡散層の厚さを推定した. 陽イオン交換膜では陰イオン交換膜におけるよりも濃度分極が起こりやすいことがみとめられた.
    (2) 塩化ナトリウム水溶液または海水を電気透析し, 電流-電圧曲線と電流-pH曲線から濃度分極に対する限界電流密度と水分解に対する限界電流密度を測定した. 陰イオン交換膜の場合には, 双方の限界電流密度はほぼ一致するが, 陽イオン交換膜の場合には水分解に対する限界電流密度の方が濃度分極に対する限界電流密度にくらべて大となることをみとめた.
    (3) 限界電流密度に対する脱塩室溶液濃度および流速の影響を測定した.
    (4) 多成分からなる塩類溶液を透析したときに適用される濃度分極に対する限界電流密度式を導き, この式を用いて海水を透析したときの限界電流密度を推定した.
  • 海水の脱気・脱炭酸 (第3報)
    小畑 健三郎, 杉野 邦雄, 田原 浩一, 矢ヶ崎 隆義
    1976 年 29 巻 5 号 p. 218-227
    発行日: 1976年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    In general, vacuum deaeration is in practical use for the prevention of the sea-water desalination plant from corrosion. In this paper, an experiment of deaeration from fresh water was conducted to examine the application of spray towers combined with liquid jet for vacuum deaeration.
    Those towers used for this experiment were 2-2.6 meters high and 40-130 mm in diameter. The spray nozzles were single nozzles with 2-3 mm diameter and a multi-nozzle with 20 perforations of 2 mm diameter. The liquid flow-rate at the nozzle was varied from 0.7 m/sec to 12 m/sec, and the distance of liquid fall-down was varied from 0.1 m to 1.9 m.
    The results were that the tower pressure, the length of the nozzle and the flow-rate of stripping steam caused no influence to the H. T. U. of the tower. Very small influence of the liquid flowrate at the nozzle on the H. T. U. was observed. On the other hand, the H. T. U. showed a remarkable increase when there was an increase in the distance of the liquid fall-down.
    The relation between the H. T. U. and the operating conditions of the tower and the chracteristics of the liquid observed in this study, nearly agreed with J. Mada's dimensionless equation obtained by the absorption experiment of carbon dioxide. However, when the gas bubble entrainment caused by liquid fall-down was restrained, this relation was found to deviate from the equation. This meant that the disturbance by gas bubbles promoted deaeration. When a portion of the feed flashed, the influence on the H. T. U. was not so remarkable as in the vacuum deaeration in the packed tower.
    From these results, it was considered possible to apply the vacuum deaeration by the spray tower combined with liquid jet to the sea-water desalination plant if in the plant some pressure drop was allowed, the distance of liquid fall-down made shorter, and the multi-stage splayed to the spray tower.
  • 宮武 修, 田中 俊昭, 藤井 哲
    1976 年 29 巻 5 号 p. 228-231
    発行日: 1976年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    フラッシュ蒸発促進のために, フラッシュ室内の流動液にその液の電解による発生気体を気泡核として供給する実験を行なった. その結果, 邪魔板のような蒸発促進器が設置されていない場合には, フラッシュ室底部に熱い液が残るので, 気泡核供給による蒸気泡成長の助長は効果的で, フラッシュ蒸発浸透深さを増し非平衡温度差を低下させる. しかし, 邪魔板のような蒸発促進器が設置され, 熱い液が直接液表面近傍に達する場合には, 気泡核供給の効果はそれほど顕著ではない.
  • 佐藤 真士
    1976 年 29 巻 5 号 p. 232-239
    発行日: 1976年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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