日本海水学会誌
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29 巻, 6 号
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  • 海水中の汚染物質の気液平衡関係 (第3報)
    白田 利勝, 根岸 章, 後藤 藤太郎
    1976 年 29 巻 6 号 p. 247-254
    発行日: 1976年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    蒸発法海水淡水化装置での揮発性汚染物質の挙動を推測するために, 亜硝酸, シアン, アセトン, メチルアルコール, エチルアルコール,n-プロピルアルコール,i-プロピルアルコール,n-ブチルアルコール,i-ブチルアルコール, i-アミルアルコール, アルキルベンゼンスルホン酸塩に対して種々の条件下で気液平衡関係を測定し, さらに亜硝酸, シアンに対しては単蒸留実験を行なった.
    実験結果より, 亜硝酸は蒸発法海水淡水化プラントの運転時のpHがほぼpH7~7.5付近なので生成淡水中にはほとんど移行しないであろう. シアンに関しては, 原料海水中のシアン濃度が環境基準の0.1ppmをかなり超えている場合には, その気液平衡比が大きいため生成淡水中への移行を考慮する必要が生ずるかもしれないが, 環境基準の0.1ppm以下であるなら, 海水中の金属イオンのマスキング作用によりCN-は固定され, 生成淡水中にほとんど濃縮されないであろう.
    アセトン, アルコール類のような低級な有機物質については, その気液平衡比がかなり大きく, さらに塩析効果を受けるため, 生成淡水中に濃縮される可能性が大きく, 生成淡水に活性炭吸着等の処理が必要となるかもしれない.
    中性洗剤の主成分であるアルキルベンゼンスルホン酸塩に関しては, 蒸発法海水化において生成淡水への移行を考慮する必要はないであろう.
  • 白田 利勝, 根岸 章, 大久保 悌二, 後藤 藤太郎
    1976 年 29 巻 6 号 p. 255-260
    発行日: 1976年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    5段フラッシュ蒸発装置を用いフェノール類の添加実験を行ない, 各段で原料水と生成淡水中のフェノール類の濃度を測定し, その挙動, 分布を求めた. これらの挙動は気液平衡関係データから推測されるものとほぼ一致し, 原料水中の塩分濃度が増加する気液平衡比は大きく増加し, また運転温度が高くなると気液平衡比もごくわずかに増加する傾向が得られた. 生成淡水へのフェノール類の移行のしやすさも,o-クレゾール>m-クレゾール>フェノールの順でこれも気液平衡関係の測定結果と一致した.
    以上のことから, 多段フラッシュ蒸発装置におけるフェノール類の挙動が, 気液平衡関係からシミュレイトされるものとして数値モデルを作り計算を行なった. この計算結果を5段および39段のフラッシュ蒸発装置におけるフェノール類の添加実験結果と比較したところ良好な一致が得られた.
    この数値モデルによるシミュレイション法は十分実用に供せられるものであり, 多段フラッシュ蒸発装置内の各段における揮発性汚染物質の分布が計算されるので, 汚染物質によっては, その処理対策の一助となるであろう. また他の揮発性汚染物質に対しても, 精度の高い気液平衡関係のデータが得られれば, 装置内での挙動, 分布が十分に推測されるものと思われる.
  • 早野 市郎, 後藤 藤太郎
    1976 年 29 巻 6 号 p. 261-270
    発行日: 1976年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    以上の実験の結果, カリウムおよび塩化物が共存している, カセイアルカリの水溶液を原料としてカセイカリの濃厚溶液の製造やカセイソーダの精製を行なうことができる. この工程に必要な平衡値および状態図を作成する目的でNaOH-KOH-NaCl-KCl-H2O系における3.5水塩の消失温度 (析出温度) と溶液の組成を測定した.
    測定したTDSの濃度は36.9±0, 9, 39.4±0.6, 40.8±0.8および43.0±0.6wt%の4点である. 3.5水塩が融解すると, カセイソーダの38.81wt%の水溶液が得られる. この濃度における三重飽和点の温度とナトリウム, 水酸イオンのモル比を上記4濃度の測定値より求めた. それらの数値については, 温度は11.94℃, モル比はそれぞれ0.930, 0.952である. したがって, 溶液中のナトリウムのモル比が0.930より大きければ3.5水塩と塩化ナトリウムが析出し, 小さければ3.5水塩と塩化カリウムが析出することが明らかになった.
    この研究にあたり, 東京理科大学理学部応用化学科学生である, 後藤衛, 佐々木義一両氏の協力を得た.
    [本報告とだいたい同一内容のものを, 目本海水学会第25年会 (愛媛大学, 昭和49年6月) において発表した。]
  • にがり (苦汁) から硫酸カリウムの製造について
    門田 稔
    1976 年 29 巻 6 号 p. 271-289
    発行日: 1976年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 後藤 藤太郎
    1976 年 29 巻 6 号 p. 290-296
    発行日: 1976年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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