単独でもウラン吸着性が高い塩基性炭酸亜鉛に, 活性炭を組み合わせた複合吸着剤の調製を試みた. その調製条件と得られた複合吸着剤の組成, 結晶相, 溶解度, ウラン吸着率などの諸性質との関係を検討した. その結果, 大部分の複合吸着剤は塩基性炭酸亜鉛単独と同様な結晶相をもつものが生成したがある条件のもとでは, これまで発表されていない新しい結晶相をもち, しかも熱分解温度が高いものが生成することを見いだした. この新しい結晶相について検討を行ない, 含水率の高い変種であろうと推察した. これらの複合吸着剤について, 蒸留水, 海水に対する溶解度およびウラン吸着量を測定したが, 結晶相の差異による顕著な差異は見いだせなかった.
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