海水中ウラン回収プロセスにおける新プロセスとして微粉チタン酸吸着剤とイオン浮選法とを組み合わせた. 相乗分離プロセスを提案し, 基礎研究結果として以下のことを確認した.
1. チタン酸を “微粉化” およびイオン浮選法を用いることにより, 大きい吸着速度, 平衡吸着量を得た.
2. ウランの吸着量経時変化は,
Q=
Q*{1-exp (-
k・
t/
Q*)} の関係式で求めることができる, ただし,
Q*,
kは吸着剤, 実験条件によって決定される定数である.
3. 海水中のウラン以外のイオンは, ウランのチタン酸への吸着, 吸着剤回収操作の大きな妨害因子である.
4. 相乗法は, いずれの系においても, 撹拌法より吸着速度が大きい.
5. 相乗分離法の望ましい操作条件として, 界面活性剤としてDBS, 濃度1.0mg/
l, ガス空塔速度0.25cm/secを得た.
6. 微粉チタン酸の吸着剤懸濁液からの浮選による分離は, 操作時間2時間, DBS濃度150mg/
l, 人工海水系で90%の回収率を得た.
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