日本海水学会誌
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38 巻, 2 号
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  • 杉田 静雄
    1984 年 38 巻 2 号 p. 76-83
    発行日: 1984年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 坂本 佳六
    1984 年 38 巻 2 号 p. 84-110
    発行日: 1984年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    イオン製塩苦汁の処理に当たって, イオン苦汁が塩化カリに富んだものであること, またイオン製塩工場で多量の粗製の塩化カリが回収されていることの好条件に恵まれて, 硫酸カリ製造の好機が訪れてきた. 旧塩田時代に開発したところの硫酸カリ製造操作の復活である. イオン苦汁より, 硫酸カリを製造することにより, 二次的に脱カル苦汁の増収をはかった. この脱カル苦汁を真空蒸発缶にて濃縮して, 塩化カリ塩の収, 塩化マグネシウム製造の母体である濃厚苦汁を増産する方式を確立した.硫酸カリ製造装置と蒸発缶装置との組合せ, 緊密なる連繋操作系統について述べた. 本論の最重要点は硫酸カリ製造方法の実際操作と, その根基となる相律的解析である, 使用原料の品位の高い塩化カリの場合は, 従来採用されなかった直接法硫酸カリの製造が, 配合割合の改良によって, 容易にできうることについて述べた. また品位の劣るKCl 60%以下の塩化カリから硫酸カリを製造する方法について, 特殊高度kalimagnesiaを製して, 二段反応法により, 高度の品位の硫酸カリを製造する方法について詳述した. 石膏の製造, 臭素の製造, 塩化マグネシウム等の製法については, 旧塩田時代との比較を行った.
    脱カル苦汁の濃縮カリ塩類の採取, 濃厚苦汁の採取工程については, その濃縮機構の相律的解析を行った. 真空蒸発缶装置を駆使する方法が燃料経済上最も有利であるとともに, 各製品製造の原単位成績の向上に役立つものである.
    本運転方式によると, 副原料として, 水酸化マグネシウム, 硫酸, 粗製塩化カリを, 自家苦汁処理に外部より供給を受けるのであるが, 原料苦汁1kl当り, 臭素8kg, 石膏100kg, カリ塩類248kg, 硫酸カリ45kg, 塩化マグネシウム製品450kgを製造することができる.
    首題の苦汁処理工場の運転方式については, 各社, 各工場それぞれの特質があり, 立地条件, 製品製造技術の伝統, 製品の販売営業ルート, 製造装置の規模, 種類等において差異があるため, 画一的な製造運転方式などはありえない.
    本論においては, 著者の工場の運転方式のみについて述べたにすぎない. この運転方式の特徴は, 硫酸カリ製造の工程を総合苦汁処理工程中に統合した点である. これがカリ塩塩化マグネシウム製造の化学的操作サイクルを完全なものとしたのである.
    本論の硫酸カリ製造およびその解析にあたって, 本学会名誉会員岡俊平先生のご業績の資料から多数転載引用させていただきました. ここに深甚の謝意を捧げます. また同研究関係の門田稔教授, 真島久之助教授, 本山正夫教授各位の関連ご業績に対し, 心からなる敬意を表させていただきます. 20年間にわたる長期間に研究の自由と経済的支援を与えられた仁尾興産株式会社に厚くお礼を申し上げる次第でございます.
  • 尾方 昇
    1984 年 38 巻 2 号 p. 111-115
    発行日: 1984年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    The ionic state of uranium in the extraction process of uranium from seawater was estimated from the equilibrium relations. Uranium existed mainly in the cationic state such as UO22+ or UO2Cl2+ in hydrochloric acid solution and in the anionic state such as UO2 (SO4) 34- in sulfuric acid solution. In carbonate solution or sodium chloride solution containing carbonate, uranium existed in the anionic state such as UO2 (CO3) 34-. In the carbonate-free solution of sodium chloride, however, UO2OH3- was predominant. The ionic state in the mixture of hydrochloric acid and sulfuric acid was complex. In this case, such cationic ions as UO22+ or UO2SO40 was predominant in 0.1 N solution, and such ion as UO2 (SO4) 34- was predominant in 1.0 N solution.
  • 山崎 恒博
    1984 年 38 巻 2 号 p. 116-122
    発行日: 1984年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    (1) チタン酸・コージライト複合吸着剤を尿素法により含浸調製する方法およびその海水ウラン吸着量および物性値との関係などを検討した.吸着能にすぐれた吸着剤を調製するには, コージライト担体内にチタン酸を析出固着させるときの母液のpHを8付近にし, チタン酸当りの比表面積を400m2/g以上, 好ましくは700m2/g以上になるように担持させることが重要である.そのためには, あらかじめpHと尿素添加量との関係を求めておくことおよび含浸液中のチタン濃度を1~2g/lにすることが必要である.
    (2) 粒子状吸着剤の簡易方式によるウラン吸着量は, コージライト担体として比表面積2m2/g, 粒径0.35~0.42mmのものを用いた場合, 40~50μg/g・2日と測定されたが, 比表面積8m2/gのものを用いた場合には, その飽和吸着量が約600μg/gになる可能性のあることを示した.
    (3) この粒子状吸着剤は, 流動方式の吸着装置を利用するものに適しており, その適用例として海流搬送方式の吸着装置を示した.
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