日本海水学会誌
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41 巻, 2 号
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  • 小沢 丈夫
    1987 年 41 巻 2 号 p. 60-69
    発行日: 1987年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 加藤 茂, 矢口 行雄, 杉 二郎
    1987 年 41 巻 2 号 p. 70-76
    発行日: 1987年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    塩生植物であるマングローブは, 熱帯・亜熱帯の内湾あるいは河口付近の海岸から河川沿岸汽水域にわたり分布し独特な生理機能を有する植生植物の総称である.これらマングローブ植物のうちでRhizophoraceaeは, 胎生種子を形成し次世代の形成を行っている.胎生種子5種類と最も海水の影響を受けながら生育を続けるヒルギダマシ種子およびガク筒内の無機イオン (陽イオンおよび陰イオン) および有機酸の分析を行い, それらの実態を把握しその塩性生理のメカニズムを解明するための第一段実験を試みた.
    供試マングローブ種子中のおもな無機イオンは, ナトリウム, カリウムおよび塩素であった.胎生種子上部にはナトリウムおよび塩素の濃度が高い値を示し, カリウム濃度は種子下部で高く, その結果種子下部のNa/K比は上部に比較して小さい値を示した, 胎生種子中のおもな有機酸は, シュウ酸とリンゴ酸であった.胎生種子ガク筒中のおもな無機イオンは, ナトリウム, カリウムおよび塩素であり, とくに種皮および子葉体部には担根体部の2~3倍の濃度で蓄積されていた. 根細胞を通過した各種無機イオンは, 導管を通じて植物体内を移行し種子に到達し生育のために利用されるのであるが, 過剰に植物体内に吸収され正常な生育を阻害する各種無機イオンは種子ガク筒部の組織で通過を抑制され(ガク筒部内に蓄積), 担根体部への移行が調節されていることが示唆される. 海水汽水の環境下で海水成分を吸収した根系部および地上部での汁液 (細胞液) の成分がどのように変化していくかは塩生植物にとって最も興味のあるところである, したがって次に外液ならびに体内液の塩の挙動がイオン化した場合と塩そのままの場合を分別して測定し相互関係を比較することによって植物体の活性を推測できることを想定して実験を行う.
  • 小川 善広, 鈴木 彰
    1987 年 41 巻 2 号 p. 77-85
    発行日: 1987年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    2種の酢酸セルロース膜について, 最大加圧圧力 (Max-ΔP) の増加に伴う膜内の自由水と結合水の性質および輸送係数 (Lp, L, σ, およびP) の変化を調べた. 膜の有する自由水量, および結合水量は示差走査熱量計 (DSC) を用いて求めた. 膜の圧密化に起因する輸送係数と膜含有水の変化との関係を考察した. 2種の酢酸セルロース膜 (F-30膜およびF-50膜) は, それぞれ塩排除率90%以上, および50%以下の性能をもつものである. 実験はMax-ΔP 20, 30, 40, 50, 60, 80, および100kg/cm2の各圧力において行われた.
    F-30膜およびF-50膜の膜含有水量の変化は同様な傾向を示した.自由水量はMax-ΔPの増加に従って順次減少した. 結合水量の変化は自由水量と比較して小さくMax-ΔP 60kg/cm2までほば一定値を示し, 60kg/cm2以上で減少した.
    Max-ΔPが増加するに従って膜内の自由水の融点が低下することが認められた. 膜の圧密化によって膜の細孔の半径が減少し, かつ, 水と膜材質との相互作用が生じるために自由水の性質が変化 したものと考えられる.
    膜の圧密化に伴うF-30膜およびF-50膜の輸送係数の変化を調べることによって, Max-ΔP 60kg/cm2で加圧処理した膜が, 最も溶質選択性が良いことが確認された.
    60kg/cm2以上では膜が緻密になり, 濾過係数Lpが減少しているにもかかわらず, 溶質透過係数.Pが大きくなり, 膜の溶質選択性は低下することが認められた. 膜の弾性限界を越える加圧処理に伴う結合水量の減少によって, 膜性能が低下するものと思われる.
    圧密化に伴う高い溶質選択性を示すF-30膜のLpおよびLの変化は膜内の結合水量の変化と関係があることが認められた. 一方, 低C11い溶質選択性を有するF-50膜のLpの変化は全含水量の変化と関係があり, Lの変化は結合水の変化 と同様な傾向を示した.
    Max-ΔPの増加に伴うF-30膜 のσの変化は結合水の性質が変化するためであろう. F-50膜のσの値は全含水量に対する結合水量の割合が最大になるMax-ΔP 60kg/cm2において最大値を示した.
  • モース デビッドE
    1987 年 41 巻 2 号 p. 86-96
    発行日: 1987年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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