日本海水学会誌
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42 巻, 2 号
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  • 西村 六郎
    1988 年 42 巻 2 号 p. 49-58
    発行日: 1988年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 童 愛軍, 赤間 美文, 田中 誠之
    1988 年 42 巻 2 号 p. 59-62
    発行日: 1988年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    PMBPを抽出試薬として高純度塩化ナトリウム中に含まれる微量カルシウムとマグネシウムを溶媒抽出-原子吸光分析により定量した.最初に, 抽出におけるpH, PMBP濃度, 振り混ぜ時間など, 基礎的諸条件について検討した.さらに, 塩化ナトリウム試料にカルシウムおよびマグネシウムを添加して回収率を求めたところ, いずれも96%以上という良好な結果が得られた.実際試料として, 数種の高純度塩化ナトリウムを選び, 分析した.その結果, カルシウムは0.8~2.4ppm, マグネシウムは0.07~1.2ppmであった.本法は, 簡単に目的元素が抽出分離でき, MIBK相を直接原子吸光分析するので, 分析感度が良好である.さらに, 主成分の塩化ナトリウムの影響が避けられるなどの特徴をもっており高純度塩化ナトリウム中の微量カルシウムとマグネシウムを定量するのに好適であった.
  • 食塩の物性に関する研究 (第2報)
    篠原 富男, 永塚 敏, 尾方 昇, 杉田 静雄
    1988 年 42 巻 2 号 p. 63-72
    発行日: 1988年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    食塩の流動性について検討するために粉体工学上重要な各種の流動現象を総合的に評価可能なCarrの総合評価法と, いくつかの簡便的な方法とをとりあげ, これらの測定法の相互関係を検討するとともに, 現状の市販食塩の流動性を測定した.また, これらの測定結果から, 食塩の流動性に及ぼす水分, 塩化カルシウム, 塩化マグネシウムなどの不純物の効果についても検討を行った.
    (1) 食塩は流動性の変化幅が小さく, Carrの流動性指数のみで流動性を完全に表示することは困難であった.
    (2) Carrの流動性指数と4種の実測値との関係で, 相関が高く寄与率が最も高かったのは圧縮度であるため, 食塩の場合も圧縮度のみでCarrの定義する流動性の概略の評価が可能であった.
    (3) Carrの流動性指数と4種の指数との関係では圧縮度, 均一度については相関性が認められなかった.
    (4) 各社食塩の中で流動性がCarrの流動性指数で架橋防止対策不要範囲であると判断されたものは, 約71%であった.
    (5) 水分は, 多くの測定法と有意差が認められ, とくにフリーフローイング, 動的, 静的安息角, Carr指数との相関が高いが, 水分値から直接流動性を推定することは危険である.
    (6) フリーフローイング法は流動性として異質の測定法であり, Carrの流動性指数, 圧縮度, 安息角など本報で検討した他の方法と相関関係が認められなかった.
  • 加藤 茂, パニチャート サンゴップ, アクソンケオ サニット, 中村 武久, 杉 二郎
    1988 年 42 巻 2 号 p. 73-85
    発行日: 1988年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    タイ国南部パンガ地域のマングローブ林より採集したマングローブ植物10種類の葉の各種無機イオンを分析し, それら植物種と生育分布域の関係について検討を加えた.また, タイ国パンガ地域のマングローブ林より採集した胎生種子を日本に持ち帰り, 沖縄県西表島にて栽培試験を進めている4種のマングローブ植物の葉についても分析を行い各種無機イオン濃度について原産地との比較検討を試みた.
    それぞれのマングローブ種の分布域の海水の影響によるNa+とCl-の葉内蓄積には, 海水の直接影響する地域に分布する種は濃度が高く, 海水の比較的影響の受けにくい内陸に分布し生育する種は低い濃度であった, 供試したすべてのマングロブ種のなかでAvioennia spp.以外の種類は, いずれも古葉中の各種無機イオン濃度は高い値を示した.マングローブ葉中の各種無機イオン濃度の季節変動については, タイ国南部の12月は乾燥して暑く夏の季節に相当しており, 多くの種で各種無機イオン濃度が高い値を示した.マングローブ葉中の有機酸め濃度は, マングローブ林の先端域に分布する種に高い濃度で含有されていた.一方, 海水の直接的な影響を受けにくい地域に分布する種では低い値であった.
    タイ国産のマングローブ胎生種子を用いて栽培している4種の葉について各種イオン分析した結果, タイ国パンガ地域のマングローブ林より採集した葉中の各種無機イオン濃度が高い値であった.生育地域により総無機イオン蓄積濃度に差が認められたことより生育環境を加味し水分の蒸散量および呼吸量について測定することにより生育地域が明らかにされることが示唆される.
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