日本海水学会誌
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46 巻, 2 号
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  • 川辺 允志
    1992 年 46 巻 2 号 p. 71-80
    発行日: 1992年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 越智 正, 仁熊 絵美
    1992 年 46 巻 2 号 p. 81-88
    発行日: 1992年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    瀬戸内海の中部から東部に位置する燧灘, 播磨灘, 大阪湾の堆積物について有機炭素, 形態別リン酸塩組成等について調査した.
    リン酸塩の形態分析に際して, 試料の乾燥によりカルシウム結合態リンの増加が認められたので, 分析は湿泥を用いて行った. 堆積物中の有機炭素濃度と有機態リン濃度との間には正の相関が認められたが, 無機態リンについてはそれが認められなかった. 可溶性全リンと有機炭素濃度との関係をみたところ燧灘, 播磨灘においては比例関係は認められずほぼ一定値となった. ただ大阪湾では正の相関が認められるものの, 有機炭素の増加に比べればリンの増加割合が少ない. 無機態リンの形態はカルシウム結合態がもっとも多く, ついでアルミニウム結合態リン, 鉄結合態リンの順となっていた. 有機炭素が多い海域ではCa-P, Al-P, Fe-Pの割合が大きく, 逆に有機物の少ない砂質の好気的な堆積物中にはそれ以外の無機態リン酸塩が多く検出された. 還元状態下ではカルシウム, アルミニウム, 鉄以外の金属とのリン酸塩の形成が妨げられるとともに, そのリン酸塩は不安定でリンを遊離しやすいと考えられる. N/P比は海中懸濁物, 沈降物, 堆積物の順に小さくなるが, その中では沈降物と堆積物の間での変化が大きく, 堆積後の変化は小さい. したがってN/P比は堆積初期に決定されるが, その際に堆積環境がそれに反映され, 還元状態下ではリンの堆積物への移行率が低下し, N/P比が大きくなることが明らかとなった. また, 海中沈降粒子が堆積物になる過程では, 有機態窒素は無機化されるとただちに海水中に回帰していくのに対し, リンは海水中の粘土粒子や金属水酸化物に吸着, または化合結合して粒子に捕捉され海中に遊離しにくい. しかしながら堆積物が還元状態になるとそれらは遊離し, 海水中に回帰することから窒素とその挙動が大きく異なっていた.
  • (1) マングローブ植物, メヒルギと塩環境
    加藤 茂
    1992 年 46 巻 2 号 p. 89-95
    発行日: 1992年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    マングローブは, 熱帯・亜熱帯の海岸線や河口域の定期的に海水あるいは汽水の流入する地域に分布し生育している植物群である. マングローブ林の構成樹種であるメヒルギは, マングローブ林が海水の影響を直接受ける先端域にはほとんど分布が見られない種である. メヒルギ栽培試験の結果, F-20区すなわち0.6%NaCl濃度における生育がもっとも良好であった. 平均的な海水塩分濃度である3%NaClのF-100区における生育は, 発根が認められたが葉の伸長展開は非常に劣っていた. メヒルギ栽培液中のNaCl濃度上昇とともにNa+イオンおよびCl-イオンの吸収が増加し植物体内蓄積濃度も増加した. メヒルギの葉内および根内に分布したおもな有機酸としてシュウ酸とリンゴ酸が認められこれら有機酸類は, 過剰カチオンと塩を形成して浸透圧調節を行っていることが推察された. メヒルギの幼苗生産を行うには, 約0.6%NaClの塩分環境下において初期栽培を行い伐採後のその地に移植することによりメヒルギ分布域のマングローブ林の再生を順調に行うことが可能であることが推察される.
  • 岩附 正明, 深沢 力
    1992 年 46 巻 2 号 p. 96-102
    発行日: 1992年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    1) 110℃乾燥試料を微粉砕・成形してXRF法によりマグネシウムとカリウムを定量しようとすると, 検塩によっては他の方法による値と大きなずれが生じた. これはマグネシウムやカリウムの潮解性化合物が存在して, 粉砕による均一混合がしにくいことや成形試料の表面状態が変化することなどによることがわかった.
    2) 検塩を110℃で乾燥後, 白金るつぼ中で600℃, 2時間加熱し, 振動ミルで4分間粉砕・混合して加圧成形し, マグネシウムおよびカリウムの各Kα線強度またはこれらとClKα線強度との比を測定すれば, 両元素を簡便に定量できる. カリウムを定量する場合は, 磁製るつぼはカリウム汚染を起こすので加熱処理に使えない.
    3)検量線用標準試料は, 塩化ナトリウム特級試薬に種々の量のフッ化マグネシウム粉末, カリウム標準溶液などを添加して110℃で乾燥後, 微粉砕・混合・成形して作製できる.
    4)カルシウム, ストロンチウム, 硫酸イオンも同じ600℃加熱試料を用いて同時に簡易定量できる.
  • 久保田 徳昭
    1992 年 46 巻 2 号 p. 103-107
    発行日: 1992年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 杉本 康司, 有田 正俊
    1992 年 46 巻 2 号 p. 108-119
    発行日: 1992年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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