海水濃縮のためのイオン交換膜電気透析技術は, 過去20~30年の努力によってほぼ完成の域にあると思われるが, ひるがえって考えてみると, 開発当初から課題とされていた問題のいくつかは, 現在まだほとんど解決されていないということもできる. それらの中でも, 最も重要な課題として, 膜構造の制御による抵抗の軽減化と個々のイオンに対する選択透過性の実現がある. これらの問題は, 今後の努力によって飛躍的に改善される可能性もあると考えられる, そのための問題点について, 基礎的な立場から論じた.
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