日本海水学会誌
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54 巻, 3 号
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  • 伏谷 伸宏
    2000 年 54 巻 3 号 p. 168-174
    発行日: 2000年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 使いやすさを求める
    尾方 昇
    2000 年 54 巻 3 号 p. 175-179
    発行日: 2000年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 内分泌攪乱化学物質汚染の実態調査
    角田 出
    2000 年 54 巻 3 号 p. 180-188
    発行日: 2000年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    1998年5月と11月に多摩川と北上川下流域で捕獲したコイを対象に, 両河川に生息する水生動物の内分泌攪乱化学物質汚染実態を調ぺた.
    5月に両河川で捕獲した雌コイの生殖腺指数 (GSI) や生殖腺組織像に異常はなく, 血漿ビテロゲニン (VTG) 濃度にも河川差は認められなかった. 雄コイでは, 5月に多摩川で捕獲した魚の約25%に精巣の萎縮が確認されたほか, VTG濃度の高い個体も見つかった. なお, VTG濃度は精巣の発達に逆比例した. 11月でも, 多摩川の雄の一部には, 同時期の雌の2~6%の高いVTG値がみられた. 北上川の雄コイにはこの様な異常は認められなかた.
    肝ミクロソーム中チトクロムP-450 (Cyt.P-450) 含量や血漿チロキシン (T4) 濃度には, 河川間に差はなかった. 5月の多摩川の雄コイでは, 血漿VTG濃度と肝Cyt.P-450含量間に正の相関がみられた. 血漿T4濃度と肝Cyt.P-450含量間では, 多摩川の雄, 北上川の雌雄に, 負の相関が認められた. 両河川とも, 血漿T4濃度とVTG濃度間に有意な関係は認められなかった.
    以上の結果は, 多摩川では女性ホルモン様作用を有する内分泌撹乱化学物質による汚染が進んでいること, 北上川でも当該作用物質汚染は多摩川ほどではないが, 内分泌撹乱作用を有する化学物質汚染が進行している可能性を強く示唆する.
  • 宮井 良孝, 加納 博文, Ramesh CHITRAKAR, 大井 健太
    2000 年 54 巻 3 号 p. 189-195
    発行日: 2000年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    5価金属をドープしたリチウムマンガン酸化物を酸処理してリチウムを抽出し, 5価金属を含むマンガン酸化物系吸着剤を調製した. それらのリチウム吸着性をバッチ法で測定した. ニナブ, バナジウム, ビスマスを添加した試料ではリチウム吸着量が25~30%増加した. 化学的安定性とリチウム吸着性能を考慮すると, ニオブを添加した吸着剤が最も有望な吸着剤であると考えられる. リチウム吸着量のpH依存性の測定結果から, ニナブの添加により吸着サイトが増加するとともにサイトの酸強度が上昇しリチウム吸着量が増加したものと考えられた.
  • (1) 塩と植生との関係
    松本 剛, 田中 淑子, 小島 紀徳, 加藤 茂, 斉藤 昌宏, 安部 征雄, 山田 興一
    2000 年 54 巻 3 号 p. 196-204
    発行日: 2000年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    現在, 地球温暖化問題における二酸化炭素の有効な削減策の提示が急がれている. そこで, 太陽エネルギーを利用した陸上系での生物的固定法, すなわち植林事業が有効な手段の一つだと考えられる. 本研究では技術的に未解決の問題を多く残し, 研究課題も多い乾燥地域である西オーストラリア州・レオノラ地域を対象地域とした.
    本報告では1999年2月8日から3月6日に現地調査を行い, 土壌・透水性・塩濃度・栄養塩類濃度の分析を行った結果を報告し, 主にバイオマス量との関係を議論した. レオノラ地域において主要樹種であるフトモモ科ユーカリ属E. camaldulensisを植林する際の目安として, 飽和透水係数1.9×10-3cm/s程度以上, ハードパンまでの深さ180cm程度以上, 塩濃度0.05meq/100g程度以下, 栄養塩類濃度0.36meq/100g 程度以上の土壌環境が必要であることが分かった. これらの条件が満たされると, 現存炭素固定量42t-C/haが見込まれる.
  • 簗田 満, 村田 高勇, 米田 義昭
    2000 年 54 巻 3 号 p. 205-217
    発行日: 2000年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    北太平洋およびベーリング海の広い海域における生産層 (200m以浅) において, バクテリア量は, 有光層の炭素プールとしての量的重要性を明らかにするためにAO直接カウント法およびDAPI直接カウント法で測定された. AO法によるバクテリア数は, 1.5-33×105ml-1の範囲内で, いずれの海域においても50m以浅で高く, それ以深では徐々に深度とともに減少していた. DAPI法によるバクテリア数は, 1.0-23×105ml-1の範囲内で, ほとんどの地点および層においてAO法によるバクテリア数よりも低かった. このDAPI法とAO法の間のバクテリア数の相違は海域や深度によって変動した. この相違は, 海水中のバクテリア数が海域や深度によって変動すると同時に, 非バクテリア有機粒子もまた海域や深度によって変動することを意味していた. バクテリア炭素生物量は, 全粒状炭素量 (バクテリア炭素量も含む) の2~18%(平均: 8±4%) に相当した. この結果は, 北太平洋生産層においてバクテリア炭素生物量が植物プランクトン炭素生物量に匹敵する重要性を持つかもしれないことを示唆していた.
  • 簗田 満, 柳澤 圭, 田中 仁詞, 村田 高勇, 米田 義昭
    2000 年 54 巻 3 号 p. 218-226
    発行日: 2000年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    海水中の溶存DNAおよび溶存RNAは, アラスカ湾およびベリング海を含む北太平洋海域 (中央亜寒帯海域から中央熱帯海域まで) の広い海域における生産層 (200m以浅) で測定された. 溶存DNAおよび溶存RNA濃度は, すべての地点で, それぞれ0.5~16μgl-1および1.8~25μgl-1の範囲であり, RNA/DNAの値は1~15の範囲内であった.各海域における溶存DNAおよび溶存RNAの濃度は, 上層 (50m以浅) で高い値を示し, 下層 (100-200m層) で低い値を示した. 上層における溶存DNA濃度は, 海域的変動を示し, ベリング海で高く, アラスカ湾および中央熱帯海域で低かった.それに対して, 下層における溶存DNA濃度は海域的変動を示さなかった. 一方, 上層における溶存RNA濃度も, 海域的変動を示し, ベリング海で高く, アラスカ湾で低かった. 溶存DNA濃度の海域的変動はバクテリア生物量によって直接影響されているかもしれない.それに対して, 溶存RNA濃度はバクテリア生物量よりもむしろ現場のバクテリアの生物活性によって直接影響されているかもしれない.
  • 簗田 満, 柳澤 圭, 田中 仁詞, 米田 義昭
    2000 年 54 巻 3 号 p. 227-233
    発行日: 2000年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    亜寒帯沿岸海域である噴火湾において, 海水中の溶存DNAおよび溶存RNAの生物地球化学的意義を議論するために溶存DNA濃度および溶存RNA濃度がGFIFフィルターと0.2μmフィルタ-を用いて測定された. GF/Fフィルターでろ過された全溶存DNA濃度は, 春季から夏季の間にある濃度範囲 (1.2~6.0μgl-1, 平均: 3.1±1.5μgl-1) で時間的変動を示した. また, 全溶存RNA濃度は, 比較的幅広い濃度範囲 (5.8~31.5μgl-1, 平 均: 13.8±5.5μgl-1) で時間変動を示した. 0.2μmブイルターでろ過された溶存DNA濃度および溶存RNA濃度は, 全溶存DNAの60~100%(平均83±13%) および全溶存RNAの46~100%(平均78±14%) と見積もられた. これらの結果は, 海中の多くの溶存DNAが時間変化に乏しいウイルスDNAあるいは遊離DNAから構成されており, それに対して, 多くの溶存RNAがウイルスやバクテリアの生物活性あるいは遊離RNAの存在によって直接的に影響されているかもしれないことを示唆した。
  • 簗田 満, 米田 義昭
    2000 年 54 巻 3 号 p. 234-241
    発行日: 2000年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    様々な海洋環境 (湾, 半外洋海域, 外洋海域) において, 海底堆積物間隙水中 (0~30cm層) の溶存有機窒素濃度および溶存無機窒素濃度が測定された.全溶存窒素濃度は, 亜熱帯外洋海域の40μMから東京湾の約2桁高い1.3mMまでの範囲内で海域的変動を示した. また, アンモニア態窒素濃度は, 亜寒帯外洋域の2μMから東京湾の1.2mMまでの比較的幅広い濃度範囲 (3桁) で海域的変動を示し, 全溶存窒素濃度の3~96%であった. しかし, 溶存有機窒素濃度は, 10μMから180μMまでの比較的幅狭い濃度範囲内で海域的変動を示し, 全溶存窒素濃度の3~87%であった. 一方, 硝酸態 (+亜硝酸態) 窒素濃度は大槌湾の0.3μMから外洋海域の49μMまでの低い濃度で海域的変動を示し, 全溶存窒素濃度の0.2~70%であった. 各窒素化合物の濃度および割合における著しい海域的相違は, 海底堆積物中における続成過程 (アンモニア化, 硝化, 脱窒) の相違の結果によるものと推察された. 海底堆積物間隙水中のアンモニア態窒素および溶存有機窒素は, 沿岸環境においてはその上層海水に対して重要な供給源となるが, 外洋環境においてはそれほどの重要な供給源とならないと推察された.
  • 高木 憲夫, 廣津 孝弘, 苑田 晃成, 榊原 実雄, 加藤 俊作
    2000 年 54 巻 3 号 p. 242-249
    発行日: 2000年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    一定の繊維束径 (d=5または10mmφ) および繊維東長 (1=5~200mm) を有するアミドキシム型繊維束吸着剤 (AO繊 維束) によるウラン吸着を一定の荷重 (σ=W/S=0.001or0.01kg/mm2, ここで四は錘の重量を, SはAO-繊維束の断面積 を表す) を下端に取り付けた繊維束吸着剤を一定流速27cm/secの海流中に保持することによって検討した.AO-繊維束のウラン吸着速度はl/d比とともに増大し, l/d>10で最大となった. さらに, ウラン吸着速度は, 荷重σが小さいほど高くなった. これらのウラン吸着性は, 海流中におけるAO-繊維束の形状の変化からよく説明できる. 27cm/sの一定海流中におけるL/d=20およびσ=0.001kg/mm2のAO-繊維束によるウラン吸着速度は, カラム実験による結果とほぼ一致し, 14日間で0.45mg/gのウラン吸着量を示した, 以上の結果は, 実海域におけるAO-繊維束の曳航によるウラン吸着の結果とよく一致した.
  • 斎藤 昇, 横田 政晶, 満尾 由美子, 久保田 徳昭
    2000 年 54 巻 3 号 p. 250-252
    発行日: 2000年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    フローセル内で成長中の塩化ナトリウム種結晶に機械的刺激を与えたところ, 結晶表面の摩耗された部分に多数の配列微結晶が現れた. 配列微結晶が発達する際に微結晶間に母液が取り残されて液胞が生成した.
  • ニュートラルキャリヤ型イオンセンサーの実際
    木村 恵一
    2000 年 54 巻 3 号 p. 253-259
    発行日: 2000年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 村上 正祥
    2000 年 54 巻 3 号 p. 260-262
    発行日: 2000年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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