海水中の溶存資源であるマグネシウムを有効利用することを目指して, 直接炭酸化法を用いて水酸化マグネシウムから塩基性炭酸マグネシウム (Basic Magnesium Carbonate, 以下BMC) を生成させた.BMCは充填剤や食塩の固結防止剤などの原料として利用されるため, その粒径や形状を制御できることが望まれる.本研究では, BMC粒子の粒径および形状を制御する目的で, その生成過程の解明と粒径に関与する諸因子の影響について検討した.
BMC粒子は気泡撹絆槽型晶析槽を用い水酸化マグネシウム懸濁水溶液中に炭酸ガスを吹き込み生成させ, 得られた粒子はX線回折により分析し, 走査型電子顕微鏡写真撮影により粒径, 形状を観察した.
本研究では, 得られたBMC粒子は球状あるいは平板状で, 凝集はほとんど見られなかった.BMC粒子の粒径は水酸化マグネシウムの初濃度と粒径並びに反応温度の影響を受けるが, 水酸化マグネシウムの初濃度と反応温度を調整することによりBMC粒子を4-9μmに制御することができた.
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