塩類集積土壌の改良及び復元のためには, 広域にわたる塩類集積の水平, 垂直分布を調査することが必要である. 従来の土壌サンプリングによる方法では, 地下水位が高い地域においてサンプリングが困難であるため, 地下水位以下の塩類濃度の測定が困難な場合がある. そこで, 地下水で飽和された土壌において深さ方向の電気伝導度の測定を可能にするため, Edlefsenの4電極法に基づいた電気伝導度センサーを開発した. 開発したセンサーを用いて, 室内実験及びタイ国東北部の塩集積土壌地域において現地実験を行い, 次のような結論を得た.
1) 塩化ナトリウム水溶液による校正実験と飽和土壌に関する実験から, 電気伝導度を補正することにより, 試作センサーは電気伝導度計として使用可能であることを確認した.
2) 従来, 地下水で飽和されている土壌は電気伝導度が均一であると見なされてきたが, 地下水位を制御した室内実験の結果から, 土壌の深さ方向の電気伝導度にも差がある可能性が示唆された.
3) タイ国東北部の塩類集積土壌地域での実験から, 試作センサーにより電気伝導度を測定した結果, 土壌の深さ方向の塩類集積状況を推定する可能性が示された.
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