日本海水学会誌
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58 巻, 5 号
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  • 外輪 健一郎
    2004 年 58 巻 5 号 p. 448-454
    発行日: 2004年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    連続晶析装置の運転においては, 結晶粒径分布が振動し, 一定の品質を持った結晶ができなくなる問題がしばしば発生する. これは微結晶の周期的な大量発生を伴うため, ろ過コストの増大にもつながる. 高度な制御システムを利用した振動抑制技術の研究が行われてきているが, 現実の晶析装置における振動を抑制した例はあまりない. 近年の研究では, 晶析装置は運転や設計条件によって制御の容易さが異なることが示されている. 本稿では晶析装置の制御しやすさを評価するための指標を解説する. さらに制御性を考慮した晶析装置の設計技術について述べる.
  • 滝山 博志
    2004 年 58 巻 5 号 p. 455-461
    発行日: 2004年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    In order to obtain NaCl product crystals at high efficiency, high suspension density conditions are indispensable in crystallization. However, under those conditions the nucleation rate which determines the number of product crystals becomes high, and crystal size distribution becomes broad. Therefore, it is necessary to control the excess number of micro-crystals in a crystallizer.
    The following techniques were proposed and used as a method of controlling the number of micro-crystals: (1) Addition of micro-crystal dissolution equipment.(2) Application of Ostwald-ripening phenomena.(3) The design method of a supersaturation profile.(4) The design of the amount of seed crystals.(5) The design of undersaturation operation. However, since operations are experiential, many researches of micro-crystal control are still investigated.
    In this review, some examples were introduced about these techniques. In particular, the previous research on removal of a micro-crystal was explained. The concept about producing at the high efficiency of NaCl crystallization was summarized.
  • 小川 薫, 清水 健司
    2004 年 58 巻 5 号 p. 462-474
    発行日: 2004年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    結晶素材の機能を向上させるため, 結晶の形態や構造を制御するいくつもの方法が試みられている. 近年, 構造的高品質の結晶を得るためだけでなく, 結晶の配向や形態を制御するための結晶成長に, 磁場が活用されるようになっている.
    磁場作用を明らかにするために, 結晶の配向や表面状態への磁場効果の詳細な研究において, 水溶液からのL-アラニン結晶の結晶化への磁場効果の系統的研究がなされた. 我々は, 磁場下で稼働可能なその場観察光学顕微鏡システムを作製した. 溶液中を浮遊しているL-アラニン結晶のc軸が磁場方向と配向することを明らかにした.
    0Tから5T均一磁場下においで, L-アラニンの (120) および (011) 面の成長速度は萌らかに抑制された. この成長抑制は, 磁場効果による溶液中の懸濁結晶の配向と対流減少により引き起こされると仮定した物質移動の低下によるものと考えた. また, 磁気力による成長速度への影響についても実験的に検討した.
    さらに, L-アラニン結晶成長へのL-メチオニン添加物効果について, 原子間力顕微鏡 (AFM), X線光電子分光法 (XPS) および飛行時間型2次イオン質量分析法 (TORSIMS) を用いて考察した.
  • 松本 真和, 砂 真理, 尾上 薫
    2004 年 58 巻 5 号 p. 475-486
    発行日: 2004年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    目的イオンを均一に液相に供給可能なマイクロバブル法を炭酸カルシウムの晶析・溶解現象に応用した. マイクロバブルのガス供給源としてCO2, NH3, N2ガスを用いた. 供給溶液として蒸留水とTris-HCl (pH 7. 8), Ca(NO3)2, およびCa(NO3)2/Tris-HCl (pH 7.8) の3種類の溶液を用いた. 4種類の供給溶液に種種のマイクロバブルを連続供給し, 液相物性を制御することで炭酸カルシウムの晶析・溶解・再析出を行った. この際, 溶液特性 (pH, 電気伝導度) および固体生成物の性質 (SEM, XRD) に関して様々な物理化学的測定を行った. 気-液反応における気泡のマイクロ化が気相の溶解性に及ぼす影響および気-液-固反応での炭酸カルシウムの晶析・溶解・再析出現象について検討を行った結果, 以下に示すことが明らかとなった; 1) 気-液反応では供給溶液によらず気泡のマイクロ化によってCO2ガス吸収効率が増大する, 2) Caを含む溶液のpHをCO2にNH3を混合したマイクロバブルおよびTris-HClによって7以上に制御することで, 炭酸カルシウムが反応晶析する, 3) pHが7以上で二酸化炭素供給モル数の増加に応じてバテライトが高選択的に生成する, 4) CO2/NH3マイクロバブルによる反応晶析 (CO2/NH3=1/2, FCO2=0.28mmol/(l・min), QCO2=4.2mmol/l) では, 平均粒径2.4μmの微粒な球状晶のバテライトが生成する, 5) CO2マイクロバブルでは, 二酸化炭素のガス溶解にともなうpHの低下により炭酸カルシウムの溶解が生じる, 6) NH3マイクロバブルでは, アンモニアのガス溶解にともなうpHの上昇により炭酸カルシウムが再析出する.
  • 沈降式インライン粒径分布測定装置の開発
    長谷川 正巳, 正岡 功士, 加留部 智彦
    2004 年 58 巻 5 号 p. 487-493
    発行日: 2004年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    晶析装置から採取した懸濁結晶を予め沈降脚に沈降させて分級し, 結晶群が透過型吸光度計を通過したときの吸光度変化より, 粒径分布を測定する方法を検討した.
    所定の粒径範囲に分級した試料の出力の立ち上がり時間を, その粒径範囲に存在する最大の粒子が吸光度計に到達する時間として仮定し, 吸光度変化における経過時間を粒径に換算した.それより, 所定の粒径範囲における吸光度の積算値を重量で表し, 粒径範囲ごと検量線を作成した.この検量線を元に種々の粒径分布をもつ試料に適用して粒径分布を測定した結果, 良好な測定値が得られた.
    次に, 製塩晶析装置で想定される種々の課題を検討し, 上記結果と共に, 工程に適用可能な装置構造を設計し, 実際に適用して実用性を検証し, オンタイムに良好な精度で測定可能なことを明らかにした.
  • 亀倉 正博
    2004 年 58 巻 5 号 p. 494-505
    発行日: 2004年
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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