本研究では, 固相状態の電子スピン共鳴 (ESR) 法によるNaClマトリックス中のMn
2+の定量分析法を提案した. Mn
2+の信号は通常, 等価な6本の吸収線を与え, Mnの核スピン,
I=5/2によるとされている. しかし, 食品の典型的なNaClマトリックス中ではMn
2+の信号は, 非等価な強度の吸収線を示し中央部位がより強い信号を示した.
ここでは, 食品類のNaClマトリックス中での, すなわち粉体-固相状態でのMn
2+量をESR法で評価する方法を開発した. この研究では食品類中のMn
2+量を報告した. 例えば, 宇治茶 (抹茶); 195.00μg/g, 赤いハイビスカス茶; 216.00μg/gであった.
他方, 飲料物中のMn
2+量を決定した. ペットボトルのウーロン茶は0.900μg/mLであり, 麦を原料とするビールは0.082μg/mLの値を示した.
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